なんだかんだでお泊まりがある程度公認になった今、
あたしは梨華ちゃんの部屋に今日も来ている。
一緒に、広くはないお風呂に入って。
体を寄せ合うのは、だから、仕方なしを装える自然さで。
いつものように?ちょっとじゃれあって。
あとはたぶん、一緒に、ベッドに入るだけ。
でも。

ごめんね、梨華ちゃん、あたし。
梨華ちゃんのメール、見ちゃったんだ。
今になってみると、なんでそんなことしちゃったんだろうって思うけど。
あたしも知ってる人たちの名前…その中に。
カタカナと漢字を合わせた、何かの省略形みたいな
怪しげな、あたしの知らない人からのメールがあった。

内容は…日付と時間と。
短文だけど、なんだか意味深な雰囲気の結び文句。
この日、この時間に、梨華ちゃんは
たぶん間違いなくこの人と会っている。
…この日、梨華ちゃんの携帯は、
たぶん一晩中電源が切られていたのをあたしは知っている。




「ごめんなさい、寝てたの」
その一言で納得できちゃうほど…それを心から信じられるほど、
あたしももう、純粋じゃないってことかも知れないね。

…だけど、それ以上尋ねることができないあたしは、
いったいなんなんだろう。
純粋じゃないのに…純情?
それとも、ただ、恐いだけ?

いま、あたしの目の前に、全裸のまま、妖艶な微笑みを浮かべた
彼女が立っている。
目が合ったままずっとそうしているのは、何故か気まずい。
でも、彼女から目が離せない。

視線を落としていく。浅黒く、引き締まった体。
豊かな胸。肌のほかの部分よりも淡い色に見えるその先端。
きれいにくびれたウエストライン。
…その下はわざと飛ばして、脚。綺麗な脚。




…そして、一度は見飛ばしたのに、やっぱり視線が
戻ってきてしまうミステリー・ジャングル。
そこに迷い込んだ人はもう二度と抜け出せない。
迷い込んだまま、きっと、その奥の。
底無し沼に飲み込まれる。

あの、メールの相手の人。男か女かもわからないんだけど。
その人もきっと、あたしと同じ。

迷い込んだ冒険者の一人なんだね。

「ねぇ、明日香ちゃん…来て」

先にベッドに身を横たえたあなたは、
そう言ってあたしを誘惑する。挑発する。

あたしは、そういうあなたに、逆らえない。だけど。

新米冒険者なんだ。なのに、冒険者の意地は人一倍なんだよ。
知ってるでしょう?

だから、ねえ。今は。
あなたの手で、導いて。


―終わり―

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