DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program
"The x-files" arethecreation and property of Chris Carter,
FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.
 
 
 
TITLE:始まりと終わりの果てに「記憶」
AUTHOR:cat
 
 
 

「スカリ−?」
スキナ−はそう言い、彼女の部屋のドアを開けた。
 
「・・・何てことだ・・・」
部屋の中は真っ暗で、人の気配は全くなかった。
スキナ−は彼女に何かがあった事を感じた。
 
 
 
 
 

                  始まりと終わりの果てに「記憶」
 
 
 

「私をどうする気?」
男は無言で、スカリ−をどこかの部屋に連れ込んだ。
「別に・・・」
そう言い、男はスカリ−の目隠しをとった。
彼女の視界に入ったのはアパ−トの一室だった。
ベットと、机があるだけの寂しい部屋。
「・・・暫く、ここにいてもらう。この部屋から出ようとしなければ何もしない」
男は椅子に座り、スカリ−を見た。
「何が目的?」
「・・・別に・・」
男はそう言い、部屋を出た。
 
「・・・あなたの記憶を取り戻してみせるわ」
スカリ−は静かに呟いた。
 
 
 
******
 

「女はどうなった?」
オフィスに行くと、男がジェイクの席に座っていた。
「・・・始末したさ」
無表情に答える。
「遺体は?」
「見つからない場所だ」
「・・・そうか。後始末は任せろ」
「あぁ」
「なぁ」
オフィスから出て行こうとする男に問い掛ける。
「何か?」
「フォックス・モルダ−はどうなったんだ?」
ジェイクの言葉に男の表情が僅かに険しくなる。
「・・・なぜ?」
「ちょっとした興味だ」
「・・・そうか。奴は死んだよ。この俺が始末した」
「そうか」
ジェイクがそう言うのを聞くと、男はオフィスを後にした。
ジェイクは椅子に座り、ぼんやりと天井を見つめた。
 
なぜこんなに気になる?
なぜ殺さなかった?
 
ダナ・スカリ−・・・なぜ、こんなに心に引っかかる?
 
ジェイクは小さくため息をついた。
 
 
 
******
 

”スカリ−会いたかった”
 
スカリ−の耳に懐かしい声が響く。
”モルダ−”
目を開けると、優しいヘ−ゼルの瞳が彼女を捕らえていた。
そし

て、抱きしめられる。
”本当に、あなたなのね”
居心地の良い彼の腕の中でスカリ−は涙を浮かべた。
”あぁ。僕だよ”
彼女の瞳をじっと見つめ答える。
”あなたをずっと探していた”
スカリ−は彼の背中に手を回し、力強く、彼を抱きしめた。
”僕も君との再会を・・・ずっと切望していた。スカリ−もう、離れない”
互いの存在を確かめ合うように、口づけを交わす。

 
”モルダ−は死んだ”
 
突然、知らない声がした。
”嘘よ!彼はここに”
スカリ−がそう言った瞬間、目の前のモルダ−は消えた。
”いや−−−!!私からモルダ−を奪わないで!!”
 
 
 

******
 
 
 
「・・・モルダ−・・・モルダ−・・・」
 
ジェイクが部屋に戻るとスカリ−の部屋から悲鳴に近い声が聞こえた。
彼女の部屋に入ると、スカリ−は冷や汗を浮かべ、ベットの中でうなされていた。
ジェイクの胸に言い知れぬ感情が生まれる。
彼はベットの端に座り、彼女の頬にそっと触れた。
 
「・・・夢でも相棒を探しているのか・・・」
スカリ−の健気さに、胸の奥が切なくなる。
「・・・もう、あんたの相棒はこの世にいないのに・・・」
「・・・モルダ−・・・モルダ−・・・」
尚も苦しそうに、彼女がその名を囁く。
「・・・そんなに相棒を愛しているのか・・・」
ジェイクはスカリ−の寝顔をそっと指でなぞり、彼女をじっと見つめていた。
 
 
 

******
 

「・・・モルダ−・・・」
スカリ−が目を開けると、男がいた。
「・・・そんなに、相棒に会いたいか?」
男はじっとスカリ−を見つめた。
モルダ−とは違う鋭さを持つヘ−ゼルの瞳に、スカリ−はドキッとした。
「・・・えぇ、会いたいわ」
「・・・いいだろう。彼に会わせてやる」
男はそう言うとベットとスカリ−を結んでいた手錠を外した。
 

******
 

スカリ−は3日ぶりに外の空気を吸った。
その日は雨が降っていた。
男は無言で歩いた。
そして、ある場所に来ると立ち止まった。
 
「あんたの相棒の眠る場所だ」
そこは墓地だった。
墓碑にはフォックス・モルダ−の名が刻まれていた。
「疑うなら、掘り起こして、 DNAを鑑定すればいい」
男の声が静かに響く。
「・・・そんな・・・」
雷に打たれたような衝撃がスカリ−を襲った。
「埋葬されたのは半年前だ・・・」
スカリ−の中でずっと張り詰めていたものが切れる。
「・・・嘘・・・信じない・・・こんな事・・・彼が死ぬものですか・・・彼が・・・」
スカリ−はその場に立ち崩れた。
「おいっ」
男は慌てて、スカリ−を抱きとめた。
「彼が・・・死ぬわけ・・・」
スカリ−は大きな瞳に涙を溜め、男の腕の中で意識を失った。
 

******
 

「アレックス、FBIはどうなった?」
「ジェィクが始末しました」
クライチェックは少し、緊張した面持ちで答えた。
「そうか。ジェイクに変わりは?」
その言葉に一瞬、クライチェックは表情を険しくした。
「・・・何か問題でも?」
「いいえ、長老。何もありません・・・今の所は・・・」
 

******
 

スカリ−が目を覚ます

と、そこはまた監禁されていた部屋だった。
手には手錠がされ、部屋から出る事はできなかった。

 
「・・・気づいたみたいだな」
 
モルダ−に似た男が彼女を見つめる。
彼を見た瞬間、胸の奥が締め付けられ、スカリ−は一粒の涙を流した。
「・・・私が見たものは・・・夢なの?それとも・・・」
「現実だ。あんたの相棒は間違いなく、墓の中だ」
スカリ−の僅かな希望を断ち切るように男が冷たく言い捨てる。
「・・・じゃあ、あなたは誰なの?どうして、彼にそっくりなの?どうして、私を殺さないの?」
半ば自棄になったようにスカリ−が男を問い詰める。
「・・・俺の名は・・・ジェイク。フォックス・モルダ−とは別人だ。あんたがどうして、俺とモルダ−がそっくりだと思うのかはわからない」
そう言い、ジェイクは部屋から出て行こうとした。
「待って!最後の問いに答えてないわ!なぜ私を殺さないの!!」
その問いにジェイクはじっとスカリ−を見つめた。
「・・・さあな」
長い沈黙の後、彼はそう言い、部屋を出た。
 
 
 
******
 

「あの女に惚れたのか?」
 
オフィスに行くと、刺すように男が言った。
「何の事だ?アレックス」
ジェィクはさっぱりわからないと言うようにクライチェックを見た。
「・・・女の遺体はどこだ?」
「もうとっくに始末したと言っただろう」
「・・・おまえを見はっていた部下がこんなものを俺に提出してきたよ」
そう言い、クライチェックはジェイクの前にファイルを投げた。
中を見ると、モルダ−の墓の前に立つ、ジェイクとスカリ−が写っていた。
「はははははは」
ジェイクは笑い出した。
「・・・何がおかしい?」
クライチェックは怪訝そうに見た。
「おまえが俺を信用していない事がよくわかったよ」
ジェイクはクライチェックを睨んだ。
「なぜ、俺の行動を部下にはらせる?おえは何を恐れているんだ?」
「恐れる?何をだ?」
クライチェックは冷静に言い放った。
「俺を恐れている。俺に何か勘付かれては不味い事があるんだろ?アレックス」
「・・・まさか、おまえ、記憶が・・・」
「記憶?」
ジェイクは眉を潜めた。
「何を隠している!?」
ジェィクはクライチェックの胸ぐらを掴み、威圧的に見つめた。
「・・・放せ!!」
クライチェックはジェイクの手を払った。
「命が惜しかったら、勘ぐるな」
そう言い捨てるとクライチェックはオフィスを後にした。
 

******
 

「ここを出るぞ」
血相を変え、少し慌てた様子でジェィクはスカリ−に言った。
「何かあったの?」
「あんたが生きている事が奴にバレた」
「奴?」
「・・・アレックス・クライチェックだ」
スカリ−はその名に眉を潜めた。
「彼もShadowのメンバ−なの?」
「あぁ。俺の相棒だった・・・今までは」
「今まで?」
「奴は俺に何かを隠している。そして、俺を監視していやがった」
ジェィクはそう言い、舌を打った。
 

******
 

ジェィクがスカリ−を連れてきたのはモ−テルだった。
「暫くはここで、俺と一緒だ」
そう言い、スカリ−をベットに座らせ、手錠でスカリ−とベットを繋げた。
「・・・なぜ、あなたは私を殺さないの?こんな事せず、殺せばいいじゃない」
スカリ− はジェィクを鋭い瞳で見つめた。
「・・・俺にもわからない・・・なぜ、こうするのか・・・」
そう言った彼は、初めてスカリ−に戸惑いを見せた。
「・・・あんたが言うように、俺はモルダ−なのかもしれない・・・」
「えっ?」
「きっと記憶を弄られたんだと思う。そして、別の人格になった。今日アレックスの表情を見てそう思えたよ」
ジェイクは窓の外を見つめた。
その

背中は困惑しているように見えた。
「・・・だが、何も思い出せない・・・でも、あんたを・・・いや、君を見ていると何かを感じるんだ・・・言葉にできない何かを・・・」
「・・・モルダ−・・・」
「俺は何を言ってるんだ・・・」
自分の言葉に、ジェィクは苦笑を浮かべた。
「なぁ、どうして、君は俺をモルダ−だと思うんだ?」
スカリ−の方を振り向きジェィクはじっと彼女の瞳を捕らえた。
「・・・感じるの・・・心が、あなたをモルダ−だと言っている。私の愛したただ一人の人だと・・・」
スカリ− はジェイクに手を伸ばした。
ジェイクは無意識にその手をとっていた。
互いの体温を感じる。
そして、重なる鼓動と鼓動。
ジェィクはスカリ−に近づいた。
「・・・あなたも・・・感じるでしょ?私たちの間にあるものを・・・」
「あぁ・・・」
ジェィクはそう呟き、片方の手でスカリ−の頬に触れた。
「・・・モルダ−・・・」
スカリ−は静かに目を閉じた。
そして、重なる唇と唇・・・。
二人はそっと唇を重ねあった。

 
 
 
 
 

To be continued
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【後書き】
やっと甘くなってきました(笑)本当はもっと、もっと引っ張りたかったんですけど・・・書いてて耐えられなくなりました(笑)
このまま18禁か?何て事もちょっと考えております(笑)
陰謀もの・・・書いてて重いです。そろそろ終わらせたいんですけどね・・・どう終わるんでしょう?
はたして、ジェイクは本当にモルダ−なのか?という訳で次回に続きます(笑)
 

ここまで駄作に付き合ってくれた方、ありがとうございました♪
ご意見・ご感想など頂けると嬉しいです♪♪
 
 
 
2001.5.6.
 

Cat
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