DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program
"The x-files" arethecreation and property of Chris Carter,
FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.
 
 
 
TITLE:始まりと終わりの果てに 「策略」
AUTHOR:cat
 
 
 

バンッッ!!
 
鋭い銃声が響き渡る。
そして、胸を赤くし、ゆるやかに倒れる男の影。
その表情は、苦痛に歪む。
 
パタン
 
床に倒れ、鮮やかな紅い血に身を包み男は息絶えた。
 

「・・・モルダ−−−−−−−−!!!!!!!」
 
 
 

        始まりと終わりの果てに 「策略」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ロ−ンガンメンオフィス
午前4:39
 
 
 
「モルダ−−−−−!!!」
部屋中に女の声が響く。
 
「スカリ−、どうした!!」
男たち三人は慌てて、彼女の側に行った。
その声に彼女は目を覚まし、自分が酷い夢を見ていた事に気づく。
 
「・・・何でもないわ・・・」
「何でもないという表情じゃないぞ・・・」
フロヒキ−が心配そうに彼女を見る。
「あぁ・・・真っ青だ・・・」
横からラングリ−が呟く。
「・・・水でも飲んで・・・」
そう言い、バイヤ−ズはコップをスカリ−に渡した。
「・・・ありがとう」
コップを受け取り、乾きを癒すように一気に飲み干す。
 
「・・・それで、何か進展は?」
気を取り直すと、いつもの冷静な表情を浮かべ、三人を見つめる。
「あぁ、Shadowについて、君が聞いてきた男の話の裏がだいたいだが、とれた」
バイヤ−ズが口開く。
「取れったって?どの部分?」
「国連の裏に隠れているって所と」
腕を組みながらラングリ−が答える。
「Shadowの組織メンバ−が世界各国の高官、政治家から成るって事だ」
フロヒキ−はそう言い、PCの画面をスカリ−に見せた。
「・・・これは・・・」
「組織の名簿だ」
自慢気にラングリ−が言う。
「・・・すぐにプリントアウトして」
スカリ−はそう言うと、近くのカウチに掛けておいた上着を取った。
 
 
 
 
 
FBI本部
スキナ−副長官オフィス
午前9:03
 

「・・・スカリ−捜査官!!」
スキナ−の秘書はまるで幽霊でも見たかのようにスカリ−を見た。
 IV>
「副長官はいる?」
鬼気迫る勢いで秘書を見る。
「・・・えぇ・・・たった今、来たばかりですが・・・」
「そう」
一言、そう言うと、秘書の横を通り抜け、横にあるオフィスのドアを開ける。
「・・・あの、今、会議中・・・」
キムがそう言ったのはスカリ−がドアを開けた後だった。
 
「・・・スカリ−」
凍りついたようにスキナ−が見つめる。
そして、その部屋にいた捜査官たちも驚いたようにスカリ−を見つめていた。
 
「ただいま、戻りました」
スカリ−は皆の視線を受けながら、表情一つ崩さず、毅然とスキナ−を見た。
「・・・一体、今まで、どこへ・・・今、君の捜査会議を開いていた所だぞ」
スキナ−は僅かに、声を荒げる。
「だったら、もう解決したはずです。私はこの通り、ここにいますから・・・内密な話があります。人払いを」
スカリ−はスキナ−の前に立った。
真っ直ぐなスカリ−の瞳を考えるようにじっと見つめる。
 
「・・・皆、会議は終わりだ」
スキナ−が捜査官たちにそう告げると、彼らはただちにオフィスを後にした。
そして、スカリ−とスキナ−だけが残る。
 
「・・・今までどこに?」
重たい沈黙を破るようにスキナ−が呟く。
「・・・モルダ−と一緒でした・・・」
僅かに、表情を変え、搾り出すような声でスカリ−が言う。
その言葉にスキナ−は眉を潜めた。
「・・・モルダ−と・・・彼と会えたのかね?」
「・・はい・・・」
「で、彼は今どこに?」
「気づいた時には・・・もう姿が・・・」
彼女の言葉の語尾が微かに震える。
「・・・そうか・・・」
スカリ− からそっと視線を逸らし、スキナ−が呟く。
「・・・でも、わからないんです・・・本当に彼だったのか・・・」
「どういう事だ?」
スカリ−の言葉に怪訝そうに見つめる。
「・・・彼は自分の事をジェイクだと言っていました。記憶がないんです。モルダ−としての記憶が・・・」
「記憶が?」
「はい。彼は私の知っているモルダ−とは違うように見えました・・・でも・・・」
「でも?」
「・・・姿形は間違いなく、彼でした。・・・私を見つめる時の瞳も・・・私の名前を呼ぶ声も・・・」
そこまで言うと、スカリ−の瞳に涙が溢れ出した。
「・・・スカリ−・・・」
スキナ−はそっと彼女の肩に触れた。
「・・・本当に・・・彼のように思えたんです・・・でも・・・離れてみて・・・彼がモルダ−だったのか・・・」
スカリ−は必死で涙を堪えた。
「・・・スカリ−・・・」
眼鏡を外し、優しい瞳でスキナ−が見つめる。
その瞳にスカリ−は彼の胸の中で抑えていた涙を開放した。
スキナ−は何も言わず、泣き続ける彼女を抱きしめていた。
 

モルダ−・・・本当にあなただったの?
私を優しく抱いた身体はあなたなの?
私を見つめた瞳はあなたのものだったの?
モルダ−・・・あなたに今すぐ会いたい・・・会いたいの・・・。
 
 
 
 
 
某高層ビル内駐車場
午後12:11
 

「一体、何がとうなっている!」
車に乗り込んできた男に低い声で言う。
「何って?」
とぼけたように後部座席の男が告げた。
「・・・モルダ−はどうした!?」
声を荒げる。
「・・・どうしたって・・・あんたが撃ち殺したんじゃないか」
男は鼻で笑った。
「・・・彼は・・・やはり、モルダ−だったのか!!」
後ろを向き、男を睨む。
「あぁ・・・そうだ。スキナ−」
クライチェックのその言葉に、スキナ−はどっと力が抜けた。
「・・・おまえが自分の手で部下を殺したのさ・・・」
口の端を上げ、低い声で囁く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・きさま!!!!!!!!」
スキナ−は勢いよくクライチェックの胸ぐらを掴んだ。
・・・俺の嘘を見破れなかったおまえのミスだ」
スキナ−に追い討ちをかけるように言う。
その言葉にスキナ−は身体中の力が抜け、クライチェックを放した。
 
 
 
 
 

某研究施設
午後3:27
 

「スカリ−・・・どうしました?」
ドクタ−ライアンはそう言い、顔色の悪い彼女を見た。
「・・・見つけたものを・・・再びなくしてしまったの・・・」
スカリ−は力なく答えた。
「・・・モルダ−さんに会えたんですね?」
「・・・えぇ・・・でも、彼はまた私の前から姿を消した・・・」
「・・・そうですか・・・」
ライアンは視線を逸らし、窓の外を見つめた。
「・・・ライアン、それで頼んでいたものの結果は?」
モルダ−から話を逸らすようにスカリ−が口にする。
「えぇ・・・大分解析は進みました・・・明らかに、これは人間離れしたものです」
「・・・人間離れ?」
「えぇ・・・構造が人間の遺伝子よりも複雑なんです。そして、強い生命力を持っている」
「・・・強い生命力?」
「そうです。どんな強い衝撃にでも耐えられ、自己治癒力を秘めている。もしも、こんなDNAを持った軍隊があったら、今の人間の技術では敵わない」
「・・・軍隊・・・」
 
”強い政府を作るためには・・・スカリ−君、何が必要だと思う?”
 
いつかの男の言葉がスカリ−の脳裏に蘇る。
スカリ−は背筋が凍るような気がした。
 
「・・・まあ、確実に言える事はこの遺伝子には未知の力がたくさん含まれているという事です」
「・・・未知の力・・・軍隊・・・世界政府・・・」
スカリ−の中で何かが結びつき始める。
「・・・ライアン!今すぐあなたはオレゴンに戻って!!今までの研究デ−タ−は燃やした方がいい」
「どういう事です?」
突然のスカリ−の変化にライアンは眉を潜めた。
「あなたの命が危ない!!これ以上関わらない方がいいわ」
スカリ−はしそ言い捨て、急いで研究室を出て行った。
 
 
 
スカリ−の家
午後4:39
 
 
 

「ママ!!あの子は?サマンサは?」
家の中に入ってくるなり、凄い勢いでスカリ−が言う。
「・・・ダナ・・・心配していたのよ・・・ずっとあなたと連絡がとれなくて」
「えぇ・・・ごめんなさい・・・いろいろあって・・・」
話ながら、サマンサのいる部屋に進む。
 
「・・・サム・・・」
娘の無事な姿を見て、スカリ−は安堵のため息をもらした。
サムは無邪気にスカリ−を見つめていた。
「ママ、今すぐサムを連れて身を隠して」
「なぜ?」
急すぎる娘の言葉に困惑の表情を浮かべる。
「・・・ママたちの命が危ないのよ」
 
 
 

マティソン上院議員の屋敷
午後9:49
 

「スカリ−君、いきなり何だね」
応接室に来ると、上院議員は些か不機嫌そうだった。
「あなたにお聞きしたい事があります」
「何をだね」
カウチに座り、スカリ−を見る。
「shadowについてです」
その言葉に明らかに上院議員の顔色が変わる。
「・・・何の事だか、私は知らん」
「あなたの名前がshadowの名簿にありました」
上院議員は静かに立ち上がり、スカリ−に背を向けるようにして窓の側に立った。
「・・・お願いです!!教えて下さい、彼らの目的は何なのか?モルダ−はどこにいるのか?」
「・・・私は何も答える事ができない・・・帰ってくれないか」
スカリ−の方を向き、静かに

告げる。
その言葉にスカリ−は全ての手がかりを失ったような気持ちになる。
「・・・夜分に失礼しました」
スカリ−はそう言い、部屋を出て行こうとした。
「・・・スカリ−君」
ドアノブに触れた彼女を呼び止める。
「・・・忘れ物だよ」
議員はそう言い、スカリ−の手にメモを握らせた。
「後で」
スカリ−に近づき、小さく耳元で囁く。
その言葉の意味を理解すると、スカリ−は小さく頷いた。

 
 
 
”ワシントンモニュメントの側で0:00に”
彼から渡されたメモにはそう記してあった。
 
 
 
 
 
ワシントンモニュメント側
午前0:04
 

「待たせたね」
そう言い、マティソンは現れた。
「・・・いいえ」
近くのベンチに二人は座った。
「それで、君はshadowの何が聞きたい?」
「彼らが言う世界政府について」
「・・・世界政府か・・・私もあまり詳しくは知らないが・・・一部幹部の間で危険な思想が広がっているらしい」
「危険な思想?」
「・・・世界を征服し、自分のものにする事だよ。そして、新しい世界を創造する」
「新しい世界?」
「新しい人間を作り出す事だ。異星人の地球植民地化が進む前に」
「・・・それは・・・異星人のDNAを全ての人間の体内に入れる事ですか?」
「あぁ、その通りだ。彼らは人間と異星人のハイブリット化をすすめている。ハイブリット化に成功した人間は核兵器にも耐えられる強さを持つ」
「核兵器に?」
「あぁ・・・彼らは異星人が侵攻してくる日に世界中から核兵器を発射するつもりらしい・・・そして、生き残るのはハイブリットに成功した人間」
「・・・そんな事をしたら・・・地球が持たないわ」
「彼らは地球を捨てるつもりなんだよ」
「・・・そんなのSFだわ・・・正気だとは思えない・・・」
「だが、極秘の内に巨大な宇宙ステ−ションが作られ、既に衛星上に存在するらしい」
「・・・暴走しすぎよ・・・誰かが止めないと・・・」
「・・・従属よりも地球一つ捨てれば済むと彼らは考えている」
「・・・あなたはどうして、shadowのメンバ−に?」
「彼らの計画を知る為だ。私はこの陰謀を全世界の民衆の前で暴露しようと考えている」
「・・・それで、モルダ−は彼らとどう関わっているんです?」
「彼はハイブリット成功例の一人であり、彼らにとって最危険人物としてマ−クされていた」
「・・・だから、記憶を奪い、人格を変えた?」
「あぁ、その通りだ」
「・・・彼は、今どこに?」
「・・・それは私にもわからない・・・」
マティソンは苦渋の表情を浮かべた。
「私も彼の行方をずっと捜しているのだが・・・噂では長老と呼ばれる組織の幹部が彼を側に置いているらしい」
「長老?」
「・・・組織の中でももっとも危険な思想を抱いている人物だ・・・」
 
 
 
 
 
某高層ビル37階
午前1:00
 

「長老、例の計画完了しました」
「・・・そうか・・・」
長老と呼ばれた男は静かに、呟き、窓の外を見つめた。
「・・・で、彼の様子は?」
「・・・ご要望の通りです」
「・・・もう、これで組織にとっての危険人物は消えた訳だな」
 
「・・・しかし、なぜ、こんな回りくどいマネを?」
側で壁に寄りかかり、話を聞いていた男が口開く。
「殺すよりも安全だからだよ、アレックス」
そう告げた男の笑みにクライチェックは凍りつくような不気味さを感じた。
 
 
 

スカリ−のアパ−ト
午前1:37
 

「・・・君の帰りを待っていたよ」
スカリ−が部屋のドアを開けようとした瞬間、背後から話かけられる。
「・・・副長官・・・」
「君に告白したい事がある」
スキナ−の表情は辛そうだった。
その様子に嫌な予感がスカリ−の胸を占める。
「・・・モルダ−に何かあったんですか?」
「・・・モルダ−は・・・私が・・・私が・・・・・・・・・殺した」
スキナ−はそう言い、スカリ−を見つめた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                 To be continued.
 
 
 
 
 
【後書き】
今回はモルの出番が少なくてすみませんでしたm(_ _)m
そして、SFチックになってしまった(苦笑)
また話が複雑化しそうな予感が・・・(冷や汗)
はたしてモルは本当に死んだのか?(笑)
次回に続きます♪
 
ここまで駄作に付き合ってくれた方、ありがとうございました♪♪
ご意見、ご感想など頂けると嬉しいです♪♪
 

2001.5.15.
 
Cat

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