DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program
"The x-files" arethecreation and property of Chris Carter,
FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.
 
 
 
TITLE:始まりと終わりの果てに「終結」
AUTHOR:cat
 
 
 
 
 

「・・・私がモルダ−を殺した・・・」
それはあまりにも、残酷な告白だった。
スカリ−は一瞬、何を言われているのかわからず、頭の中が真っ白になった。
 
「・・・私が・・・モルダ−を・・・殺したんだ・・・」
何の反応も見せない、スカリ−にもう一度、告げる。
スカリ−の瞳は空ろだった。
「・・・そんな・・・あなたがモルダ−を?」
スキナ−を見つめ、震えた声で呟く。
「・・あぁ・・・銃で彼を撃った・・・」
スキナ−がそう言った瞬間、スカリ−は気を失った。
 
 
 
 
 
                 始まりと終わりの果てに「終結」
 
 
 
 
 

某施設
 
 
 
「いい天気ね、フォックス」
 
声を掛けられた彼は何の反応も示さず、車椅子に座ったきり、ぼんやりとしていた。
「・・・さぁ、フォックス、食事の時間よ」
そう言い、看護婦は彼を自分の方に向かせ、彼の口にスプ−ンでとった食べ物を運ぶ。
彼はされるがまま、口を開け、食べ物を飲み込む。
その表情

に何の感情も見えなかった。
瞳には精気の欠片はなく、空ろでどこか遠くを見つめていた。
そして、彼は何の言葉も発しなかった。
ただ、生きているだけ・・・。
そんな姿が今の彼だった。

 
 
 
 
 
スカリ−の部屋
 

「気づいたか・・・」
 
目を開けると、スキナ−の表情があった。
スカリ−はベットから起き上がり、無言でスキナ−を睨んだ。
「君が倒れたから、部屋に運ばせてもらったよ」
「副長官・・・さっき言った事は・・・本当なんですか?」
「・・・あぁ・・・」
「・・・なぜ?」
「・・・私はクライチェックにずっと脅されていた・・・命が惜しければ、男を一人殺せと、彼に言われ・・・」
スキナ−は苦渋に満ちた表情を浮かべた。
「・・・そして、私はヤツに言われるまま、モルダ−に似た男を撃った・・・」
スキナ−は罪悪感に頭を抱え込んだ。
「・・・すまない・・・。君が彼の手によって殺されたと聞いて・・・逆上していたんだ・・・冷静じゃなかった・・・」
スカリ−の中にやり場のない醜い感情が生まれる。
 
「・・・あなたを殺したい・・・」
蒼い瞳に涙を浮かべ、スキナ−を鋭く睨む。
「・・・私から愛する人を奪った・・・組織の連中も・・・彼を撃ったあなたも・・・全てこの手で殺してしまいたい・・・」
そう言い、スカリ−は泣き崩れた。
スキナ−は黙って、その様子を見つめていた。
 
 
 
ニュ−ヨ−ク・国連ビル
 

「・・・さきほど、フォックス・モルダ−捜索の件が打ち切られました」
秘書官はそう言い、ファイルを男に渡した。
「そうか。彼の死は確認されたという訳か・・・」
ファイルを見つめ、満足そうに呟く。
「ご苦労だった。下がってくれ」
そう言われ、秘書官は執務室を後にした。
 
「・・・全てはあんたの計画通りだな・・・」
執務室の奥の扉からクライチェックが現れる。
「あぁ、これでもう邪魔者はいない。モルダ−もそして、その相棒もこれで我々の計画を邪魔立てするような事はないだろう」
「後は・・・あんたが組織の実権を握るだけか・・・」
「・・・その通りだ」
男は口の端を微かに上げた。
「そして、この10年で新たな世界を創造する」
 
 
 
 
 
3年後
フォックス・モルダ−墓前
 

「・・・今日FBIを退職したわ」
墓石をじっと見つめ、スカリ−は呟いた。
「・・・私は明日、この街を離れるつもりよ・・・もう二度とここには戻らない。この街にはあなたとの思い出がありすぎるから・・・」
スカリ−は僅かに涙ぐんだ。
「・・・これからは娘と母と一緒に穏やかに人生を歩んでいくわ。もう危ない事には関わらないつもりよ」
そう言い、微かに笑みを浮かべる。
 
「・・・モルダ−、さようなら・・・」
スカリ−は静かに彼の墓前に背を向け、歩き出した。
 
 
 
 
 
連邦議会議事堂
マティソン上院議員執務室
 

「スカリ−君、よく来てくれた」
上院議員はそう言い、スカリ−に椅子を勧めた。
「・・・明日、この街を離れるので、ご挨拶に来ました」
椅子にかけ、上院議員を見つめる。
「・・・明日?また急な話だな・・・」<

BR>驚いたようにスカリ−を見つめる。
「・・・今日FBIを退職しました。もう危ない橋は渡らないつもりです」
そう言い、スカリ−はファイルを上院議員の前に差し出した。
「これは私がこの3年間で調べたShadowについての資料です。受け取って下さい。あなたなら、これで全世界の人々を救えるでしょう」
「・・・スカリ−君・・・君はこの件から手をひくつもりなのかね?」
厳しい表情でスカリ−を見る。
「・・・私には3歳になる娘がいます・・・モルダ−が私に残してくれたかけがえのない娘が・・・」
スカリ−は上院議員を真っ直ぐに見つめた。
「本当はヤツらの実態をずっと追いかけたい・・・私からモルダ−を奪ったヤツらをこの手で・・・
そんな思いに駆られて、この3年間、ずっと捜査に当たってきました。
でも、気づいたんです。ヤツラをこの手で葬れたとしても・・・彼は・・・モルダ−は戻って来ないって、二度と私の前に現れる事はないと・・・。
そう思った時、娘が私の視界に入ったんです。彼が私に残してくれた娘が・・・、同時に自分が母親として失格だったと気づいたんです。だから・・・」
スカリ−の胸に熱い思いが走る。
「・・・そうか・・・それが懸命なのかもしれない。君の意志は私が受け継ぐよ、必ず、ヤツラの実態を全世界の人々の前で暴露してみせる」
「・・・お願いします」
スカリ−はそう言い、上院議員の前に手を出した。
「・・・君とフォックスの敵はとってみせる」
しっかりとスカリ−の手を握り、彼はそう言った。

 
 
 

某施設
 

「・・・モルダ−、久しぶりだ」
男はそう言い、彼の前に座った。
彼は何の反応も見せず、ぼんやりとしているように見えた。
 
「・・・今日、スカリ−がFBIを辞めたよ・・・」
静かに呟き、変わり果てた彼の姿を見つめる。
「・・・すまない・・・君がこうなる事を止められたなかった・・・」
男はそう言い、眼鏡を外し、微かに浮かんだ涙を拭う。
「・・・君とスカリ−を会わせる事はできなかった・・・だから、私は嘘を・・・」
 
「・・・スカリ−・・・」
男の言葉に呟き、表情は僅かに変わったように見えた。
 
男は驚いたように彼を見た。
「・・・モルダ−・・・記憶が・・・」
しかし、彼が反応を見せたのはその一瞬だけだった。
 
 
 
「・・・スキナ−余計な事は口外するなよ・・・おまえのかわいい部下が死ぬ事になる」
施設を出ると、クライチェックが背後から男に話し掛けた。
「・・・彼女はもう私の部下じゃない・・・」
スキナ−はそう言い、クライチェックを見た。
「もうFBIを離れたんだ。いい加減に彼女を監視するのはやめろ!」
そう言い捨てるとクライチェックの横を通り過ぎ、スキナ−は車に乗り込んだ。
 
「・・・あぁ、もう女を張る理由はないさ・・・彼女は手を引いたんだからな」
スキナ−にそう言うと、クライチェックはどこかへと歩いていった。
 
 
 

「・・・スカリ−・・・」
 
「えっ?」
看護婦は驚いて彼を見つめた。
以前として彼には何の変化も表情も見れなかったが、ヘ−ゼルの瞳には微かに涙が浮かんでいるように見える。
「フォックス?」
看護婦はじっと彼を見つめた。
「・・・スカリ−・・・」
弱々しく、聞き逃してしまいそうな声で呟く。
そして、彼の瞳から涙が毀れ落ちる。
それはこの3年間で初めて彼が見せた感情の表現だった・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
                                To be continued.
 
 
 
 
 
【後書き】
このお話を書き出した時は7話で完結させるつもりでした。
タイトルにつられ読んでしまった人ごめんなさい、まだ完結させられませんでした。
それどころか・・・モルダ−を廃人にしてしまった(苦笑)
本当、すみませんm(_ _)m
 

次回で完結させるつもりです。
 

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
 

2001.5.15.
 
Cat
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