DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program
"The x-files" arethecreation and property of Chris Carter,
FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.
 
 
 
TITLE:始まりと終わりの果てに 終章
AUTHOR:cat
 
 
 
「・・・こんにちは」
 
少女は目の前に立つ人物に無邪気な笑みを浮かべ、声を掛けた。
 
「こんにちは、君の名前は?」
彼は屈み込み、少女と視線を合わせ、赤褐色の髪を優しく撫でた。
 
「・・・サマンサ・・・」
 
彼はその名前を聞くとヘ−ゼルの瞳を大きく見開き、目の前の少女をじっと見つめた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
        始まりと終わりの果てに 終章
 
 
 
 
 
 
 
ワシントンDC
FBI本部・スキナ−副長官のオフィス
 
 
 
スキナ−は突然現れた目の前の人物に言葉を失った。
 
・・・どうやって・・・」
 
長い沈黙の後、彼がやっと口にできたのはその一言だった。
 
「あなたが僕に思い出させてくれた」
 
半年前に施設で見た男とは別人のような姿がそこにはあった。
瞳にはしっかりと強い光が宿り、ス−ツ姿の彼に隙一つ見えなかった。
 
今目の前にいるのは銃で撃たれ、廃人になった男と同一人物なのか?
 
スキナ−は幾度も頭の中で自問した。
 
「・・・私が?」
 
スキナ−の言葉に彼は静かに頷いた。
「あなたが呟いた”スカリ−”の名に眠っていた僕の意識は目覚めた。そして、思い出したんだ。
自分が誰かを・・・何をするべきかを・・・」
彼はそこまで言うと、スキナ−を見つめた。
その瞳には彼のこの半年間の過酷な試練の数々を映しているように見えた。
「・・・それで、私の所に来た目的は何だね?」
「力を貸してほしい。組織を潰す為の」
「・・・組織?」
「Shadowのことだ。彼らの陰謀を全世界の人々に暴露する」
そう言う彼のヘ−ゼルの瞳は鋭く光った。
「・・・モルダ−・・・」
スキナ−はそんな彼の姿を見て、瞳を潤ませた。
「・・・よく戻ってきた。私でできる事があるなら、力を貸そう」
 
 
 
 
 
連邦ビル地下駐車場
 

「俺に話って?」
車の後部座席に乗り込んできた男はそう言った。
 
「おまえのボスの所に連れて行け」
 
男が乗り込んでからすぐ、車のドアが開き、銃が向けられた。
あまりにも一瞬の事で男は何が起きたのか数秒わからなかった。
 
「・・・モルダ−・・・きさま!どうやって・・・」
 
数秒の間の後に自分に銃をつきつけている人物が誰なのかを男は理解した。
 
「俺を落とし入れたヤツの所へ連れて行け!」
 
そう言い、凄む彼に男は背筋が凍るものを感じた。
 
 
 

ニュ−ヨ−ク・国連ビル
 
 
 
「アレックス、何の用だ?」
突然現れた彼に、男は険しい表情を浮かべた。
「あんたに会いたいって男を連れてきた」
「私に会いたいだと?」
男がそう言った瞬間、クライチェックの後ろからモルダ−が現れた。
「・・・久しぶりだな、長老」
モルダ−は皮肉っぽく男に言った。
「・・・ジェイク・・・いや、フォックス・モルダ−」
男の顔から血の気が引いていく。
「・・・何しにきた?」
男は肩で呼吸を吸うとモルダ−を睨んだ。
「おまえたちの汚い陰謀を暴きに・・・そして、おまえを逮捕しにきた」
「逮捕だと?何の容疑でだ?君に私が捕まえられるのかね?」
男は不敵に笑った。
モルダ−はオフィスのテレビ画面に電源を入れた。
「・・・何の

つもりだ?」
男は眉を潜めた。

 
”各国からお集まりの皆様、私に発言権を与えて下さった事に、心からお礼を申し上げます”
 
「・・・マティソン・・・なぜ?」
テレビ画面に映る男に長老は呟いた。
そのテレビの内容は今行われている国連総会の生中継だった。
会場内には国連加盟の各国のVIPが上院議員の発言に注目をしていた。
今回の総会にはテレビカメラが設置され、その様子は衛星で世界中に中継されていた。
 
”今日、私がこの場で言いたいのは一言、世界中を巻き込む大規模な陰謀がずっと存在してきたという事です”
上院議員の発言に会場中がどよめく。
「・・・何を言うつもりだ!!」
長老は大声を上げた。
 
”長い間国連を隠れ蓑にその組織は存在してきました。そして、その組織の中には各国の高官がメンバ−として名を連ねています”
上院議員の発言から会場中から阻止しようと、声があがる。だが、議員はひるまなかった。
 
”今、私の手にはその組織の全容と、陰謀に関する確かな証拠が握られています”
 
「・・・終わりだ・・・」
長老は観念したように力なく椅子に座りこんだ。
 

国連総会でのマティソン上院議員の前代未聞の告発は世界中の人々に大きな衝撃を与え、陰謀に関わったとみられる数十人の高官の逮捕者を出した。
そして世界中の人々は暫く長年隠されてきた真実に震撼していた。
 
 
 
一週間後
ワシントンDC・連邦議事堂
マティソン上院議員の執務室
 

「フォックス!よく来てくれた」
マティソンはそう言い、力強くモルダ−の手を握った。
「忙しそうですね」
モルダ−も力強く上院議員の手を握った。
「君とスカリ−君のおかけで、陰謀を明らかにすることができた。ありがとう」
モルダ−はスカリ−の名に胸が熱くなった。
「僕は何も・・・。彼女の集めた証拠が今回の結果を導いたんです。そして世界中に地球外生命体の存在を明らかにした」
「あぁ・・・今、世界は新たな事実に揺れ動いている」
「・・・僕たちは彼らと共存ができるのでしょうか?」
「わからない。全てはこれから始まるのだから・・・」
上院議員は感慨深そうに言った。
「君の長年の夢が叶ったわけだな」
「・・・夢ですか・・・僕はただ彼らを追っていただけです。そして、それは終わった・・・」
「フォックス、これからどうするんだ?」
「・・・もう一つの真実を手に入れにいきます」
そう言うと、モルダ−は上院議員のオフィスを後にした。
 
 
 
 
 
カリフォルニア州・ロサンゼルス
サンタモニカビ−チ
 

季節外れのビ−チに一組の親子が海を眺めていた。
母親は物思いに真っ青な海を見つめ、娘は白い砂浜で嬉しそうに走り回っていた。
遠くから彼はそんな親子の様子を見つめていた。
 
そして・・・。
 
砂浜を走り回っていた少女が彼の存在に気づく。
ゆっくりと彼の方に歩みより、じっと見つめる。
 
「・・・こんにちは」
少女は彼に無邪気な表情を見せた。
 
「こんにちは、君、名前は?」
彼は屈み込み、少女と視線を合わせ、赤褐色の髪を優しく撫でた。
 
「・・・サマンサ・・・」
彼はその名前を聞くとヘ−ゼルの瞳を大きく見開き、目の前の少女をじっと見つめた。
 
「サム!!」
離れた場所ないる少女の母親が娘を呼ぶ。
「マミ−が呼んでる。いかなきゃ」
そう言うと、サマンサは母親のもとへと走っていった。
彼は立ち上がり、少女の後ろ姿を見つめた。
母親は優しい瞳で自分のもとへと駆けてくる娘を見つめていた。
そして娘を捕らえていた視界の端に見覚えのある男の姿が映る。
彼の姿に忘れようとしていた想いが蘇る。
 
「マミ−・・・どうしたの?」
少女は一点を見つめ、涙を浮かべている母親の姿に不安そうに呟く。
 
「・・・プロポ−ズの返事を聞きにきたよ・・・君はまだ覚えているかい?」
彼はゆっくりと波打ち際に佇む彼女に近づいた。
 
「・・・あなたは・・・死んだって・・・」
彼女の声が震える。
「君のために地獄から戻ってきたよ」
彼はそう言い、優しく笑った。
「・・・本当に・・・あなたなの・・・?」
彼の存在を確かめるように頬に触れる。
そこには確かな彼の存在があった。
「幽霊に見えるかい?」
おどけたように彼女を見る。
 

「・・・モルダ−!!!」
 
彼女は彼の名を叫ぶとその広い胸に飛び込んだ。
「・・・スカリ−・・・ずっと君に会いたかった・・・」
モルダ−は胸の中の彼女を強く抱きしめた。
二人は数年ぶりの再会を噛みしめるように強く、互いの身体を抱きしめ合い、鼓動に耳を向けた。
「本当に・・・あなたなのね・・・モルダ−・・・」
「あぁ。君のもとに戻ってきた」
モルダ−はそう言い、スカリ−の頬に流れる涙を指で拭った。
「ずっとあなたの帰りを待っていたわ。私たちの娘と一緒に」
モルダ−はスカリ−の言葉を聞くと、嬉しそうにサムを見つめた。
 
「・・・サム、モルダ−だ。よろしく」
スカリ−から離れ、サムに優しく囁く。
そんな様子にスカリ−は笑顔を浮かべた。
「・・・モルダ−?」
サムは不思議そうに言われた名前を呟いた。
「そう。モルダ−・・・今日から僕たちは家族だよ・・・君のお母さんが僕のプロポ−ズを受けてくれたらだけど」
そう言い、スカリ−を見つめる。
 
「・・・YESよ」
 
スカリ−は穏やかな笑みを浮かべ囁いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                     THE END
 
 
 
 
 

【後書き】
ははははは。何のひねりもなく終わらせてしまいました(苦笑)
この話書き上げたのは実は一ヶ月前なんです。
でも、何か納得がいかなかったのでずっと寝かせておきました。(結局、殆ど手直しせず(苦笑))
もっと複雑で深いものを書きたかったんですけど・・・書ききれる自信がなかったので、今回でこのお話は終わらせました。
 

最後までお付き合いくれた方、本当にありがとうございましたm(_ _)m
 
 
 
2001.6.21.
 
Cat
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