If−2−



「あの子が北島マヤか・・・」
真澄は北島マヤの資料を見つめた。
確かによく見れば、手元の写真と真澄に平気でくってかかってきた生意気な少女が重なる。
「素顔はあんな子供だったとはな」
マヤの顔を思い出し、クスクスと笑う。

「どうかなさったんですか?」
書類を見つめて珍しく楽しそうに笑っている真澄に水城が声をかける。
「・・・いや。何でもない。ところで、北島マヤとの契約はどうなっていたかな」
いつもの冷静な表情を作る。
「・・はい、確か、2年契約でその間にCMは10本取る予定ですが」
「2年か・・・。なるほど。で、最初のCM撮りはいつだね?」
「・・・確か明日ですが。視察なさいますか?」
「あぁ。頼む。ただし、俺が行く事は内緒にしてくれ」
真澄は何か楽しい悪戯を思いついたような表情を浮かべた。




「はぁぁ。何か緊張するなぁ」
第一回目のCM撮りの日、マヤは真っ白なロングコ−トとマフラ−に身を包み、出番を待っていた。
今回の彼女は”少女”を演じる。
「マヤちゃん、しっかり大丈夫よ」
佐伯が笑顔で彼女を励ます。
「うん」
「じゃあ、北島さん、そろそろお願いします」
楽屋にスタッフが呼びに来る。
「は−い。今行きます」

第一回目のCMではマヤは初恋を知るという設定だった。
粉雪が降る中恋する人を思うのだ。
そして、淡いピンク色のル−ジュを引き、ただの少女から恋する表情を浮かべる。
セリフは一言”好き”
このCMにはどれけだけマヤが恋心を表現できるかにかかってきている。

「はい。じゃあ、本番スタ−ト」
マヤは表情を変え、切なそうに雪を見つめた。
その視線に誰もがドキリとする。
そして、密かに撮影を見にきていた真澄もあまりの変化に胸がときめいた。

これが・・・あの子なのか?

普段の彼女とは全く違うイメ−ジに真澄は驚いた。
彼女の一つ一つの視線が心に突き刺さる。
気づけば、彼女の一挙一動を追っていた。

『・・・好き・・・』

マヤが思いのこもった眼差しでそう告げた瞬間、真澄の心に何か熱いものがこみ上げてくる。
”カット!OK”の声がかかった後も、まるで心を奪われてしまったように真澄は彼女を見つめ続けた。




「よく化けたものだな」
撮影が終り、一人楽屋に向かう途中声がかかる。
「あっ!あなたは!大都物産の」失礼男!
後半のセリフを何とか飲み込み、きつい表情で彼を見る。
「大都物産の・・・後が聞きたいな。ちびちゃん」
いつもの余裕たっぷりな笑みを浮かべる。
「ちびちゃんって!もう、私には北島マヤっていう名前があるって言ったでしょ!」
膨れっ面を浮かべる。
「ははははは。これがさっきまで恋する少女を演じていた君と同一人物とは思えんな」
「あなたもいらしたんですか。速水さん」
「あぁ。俺も君のCM撮りには多少なりともかかわっているんでね」
その言葉を聞いてマヤの顔色は青くなった。

という事はCM撮りがある度にコイツと顔を会わせるの?

「そう嫌そうな顔をするな」
マヤの心を読むように告げる。
「夕飯まだだろう?今日のCM撮影が素晴らしかったから、うちの社長が是非とも君を接待したいそうだ」
「えっ!社長さんが?見に来てくれたんですか?」
「あぁ。見に来ていたよ。先ほどお帰りになったが。で、どうする?社長の接待を受けるかね?」
「はい!もちろん。喜んでお受けします」
マヤはようやく大都物産の社長に会える事が嬉しかった。
「そうか。社長も喜ぶだろう。あっ、そうだ。社長は君だけを接待したいと言っていたから、マネ−ジャ−とかには内緒にしといてくれるか?」
「えっ・・・内緒ですか?まぁ、構いませんけど」
「じゃあ、30分後に駐車場に来てくれ。俺が社長のもとまで案内する」

マヤは佐伯に何とか誤魔化して速水との約束通り駐車場に行った。


「やぁ、お嬢さん、お待ちしていましたよ」
マヤの姿を見つけ、優しい表情で真澄が言う。
淡いメ−クをした表情は仄かに大人の女性の色香を漂わせていた。
真澄はまたマヤの違った一面を見て、心がざわつくのを感じた。

「君は和食と洋食どっちが好きだい?」
車を走らせながら、真澄が口にする。
「えっ、う・・ん、どっちかというと・・・和食かな」
助手席のマヤが答える。
「そうか」
そう呟き、真澄は携帯でどこかに電話をした。
「えぇ。頼みます。後10分後に伺いますから」
二言三言話すと電話を切った。
「どこに連れて行ってくれるんですか?」
少しわくわくしたようにマヤが聞く。
「ふふふ。いい所だよ」
そう言って真澄がマヤを連れて来たのは老舗の料亭”花岡”だった。
花岡は江戸時代から続く、老舗中の老舗だった。
ここはよく国会議員御用達の料亭としても有名であり、紹介がなければ入る事もできない店だった。

「まぁ、これはこれは、速水様ようこそ」
店に入ると女将が直々に真澄を出迎える。
「やぁ、女将。すまないね。急に予約を入れて」
「いえいえ。速水様でしたら、大歓迎です。さぁ、どうぞ」
マヤは入った事のない格調高い料亭のム−ドに圧倒されそうだった。
「どうした?ちびちゃん」
ぼんやりといつまでも立ったままの彼女に真澄が声をかける。
「あっ、いえ。何か圧倒されちゃって・・・。本当にこういう所あるんだなぁぁって」
マヤは全くの別世界に入ったような気分にさせられた。
「ここはとっても料理が上手いんだ。社長のお気に入りのお店だよ」

マヤと速水は座敷に案内された。
変えたばかりの畳からは芳ばしい香りがする。
座敷に速水と二人きりなのになぜか気にならず、落ち着く事ができた。
あんなにムカツク男だと思っていたのに、話してみれば結構、中々カンジが良かったのである。
マヤは気づけば速水との会話を楽しんでいた。

「速水様、お電話です」
10分程して女将が障子を開け、そっと入ってくる。
「あっ、はい」
真澄はマヤに”失礼”と告げて座敷を出た。
マヤは一人になり出されていたお茶をすすった。
さすが老舗の料亭出す茶さえも美味しい。
「・・・社長さんってどんな人だろう。こんな所に招待するんだから、凄い人なんだろうな」
そう思うと、急に落ち着かなくなる。
今日ここに、彼女の目の前に座ると思うと胸がドキドキと鼓動を立て始める。

「お待たせ」
5分程して真澄が戻ってきた。
「あっ、お帰りなさ・・・」
振り向いて真澄を見た瞬間、彼が手にしているものに驚いた。
「社長から君にだよ。今、彼の秘書が届けに来たんだ」
そう言い、紫の薔薇の花束を差し出す。
「わぁぁ。綺麗!私、紫の薔薇なんて始めてみました」
手放しで喜ぶマヤの姿に真澄は優しい表情になる。
「君の演技にいたく感激してね。社長は君のファンになったようだ」
「えっ!社長さんが私のファン?」
その言葉に何だか照れくさい気持ちになる。
「あぁ。君のファンだ」
じっとマヤを見つめる。
その瞳にドキッとする。
「・・・あの、それで、社長さんは?」
視線を逸らし、口を開く。
「・・・あぁ。実はね。社長はどうしても抜けられない仕事ができてしまって、今日は来られないそうだ。君には申し訳ないと伝えといてくれと頼まれた」
真澄の言葉にマヤの表情から笑顔が消える。
「・・・そうですか・・・。来れられないんですか・・・」
寂しそうに呟く。
「まぁ、そんな顔をするな。俺じゃあ、役不足かもしれないが、社長の代わりに君を接待するよ」
そう真澄が言った瞬間、料理が運ばれてくる。
「わぁ!」
マヤは運ばれてきた料理に感嘆の声をあげた。
どれも美しい作りで食べてしまうのがもったいないとさえ思えた。
「凄い!美味しそう」
目を輝かせて口にする。
「さぁ、どうぞ。遠慮なくめしあがれ」
「はい。いただきます」
真澄の言葉にマヤは料理にぱくついた。
美味しいという言葉を連発させるマヤを真澄は可笑しそうに笑っていた。



「今日は本当にご馳走様でした」
真澄にマンションまで送り届けてもらい、ペコリと頭を下げる。
「いや。君に楽しんで頂けてよかったよ」
優しい瞳で彼女を見つめる。
「じゃあ、またCM撮りで会おう。おやすみ。ちびちゃん」
最後のちびちゃんという言葉に一瞬、眉を寄せる。
「はははは。本当、素直だな」
クスリと笑い、真澄は車を走らせた。

「もう!やっぱりムカツク男ね」
マヤは走り去る車に悪態をついていた。

「・・・社長さんって、どんな人なんだろうな」
手に抱えたままの紫の薔薇を見つめ、マヤはあれこれと空想をした。

その日からマヤの元に紫の薔薇が届けられる事になった。
それは舞台だったり、ドラマの撮影中だったりと、メッセ−ジを添えて、事ある毎に贈られた。
いつのまにかマヤはまだ見ぬ大都物産の社長に淡い恋心を抱くようになっていた。

「今日も届いていたわよ」
舞台の初日が終わった後、紫の薔薇が届けられる。
「わぁ。またあの人だ」
佐伯から薔薇を受け取り、嬉しそうに見つめる。
「本当、熱心ね。一体誰なの?あなたに紫の薔薇を贈る人は?」
マヤは佐伯にも大都物産の社長からの薔薇だとは告げていなかった。
「へへへ。内緒」
幸せそうな笑みを浮かべる。
「まぁ、その様子だと恋人かしら?」
マヤをからかうように口にする。
「恋人だなんて・・・そんな」
思わずその言葉にマヤは真っ赤になった。

コンコン・・・。

マヤと佐伯が話していると、楽屋のドアが叩かれた。
「はい」
佐伯が出るとそこには橘が立っている。
「あら、橘さん、来て下さったの?」
橘を楽屋に招き入れる。
「はい。北島さんのファンにすっかりなってしまいしたから。初日の成功おめでとうございます」
橘はピンク色の可愛らしい花束をマヤに差し出した。
「あっ!ありがとうございます」
女優の表情を作り、受け取る。
「北島さんが出演なさったCM評判がいいんですよ」
「そうなんですか。嬉しいです」
輝くような表情を浮かべる。
「そうそう。うちの社長もすっかりあなたのファンになったようですよ。今日、劇場ですれ違いました」
橘はちらりとすれ違った真澄の姿を思い出した。
「えっ!社長さん来ているんですか!」
「えぇ。先ほど、ロビ−でみかけました」
橘の言葉を聞くと”失礼します”と告げ、マヤは楽屋を飛び出した。
残された橘と佐伯は”何でしょうね”と視線を合わせパチクリとする。

社長さんに会えるんだ・・・。
いつも紫の薔薇を贈って下さる社長さんに!

マヤは全速力でロビ−に出ると、大都物産の社長らしき人物をさがした。
次の瞬間、誰かにぶつかる。
「あっ、すみません」
「うん?また君か」
そう口にした人物を見上げると、速水真澄だった。
「あぁ。速水さん」
彼と会ったのは第5弾のCM撮り以来で一月ぶりの再会になる。
「お久しぶりです」
頭を下げる。
「あぁ。久しぶり」
マヤを見つめクスリと笑う。
「それよりどうしたんだ?舞台衣装のままロビ−に駆け込んで来るなんて」
「えっ!あぁ。あの社長さんが来ていると、橘さんから聞いて。それで・・・」
「なるほど、彼を探しに来た訳か。だが、残念だな。つい、さっき、社長は帰ったよ」
真澄の言葉にマヤの顔色が曇る。
心なしかその表情に真澄の心が痛む。
「・・・そうですか。失礼します」
そう言い、マヤは楽屋に戻ろうと真澄に背を向けた。
「・・・待ちたまえ。少し時間はないかね?君に話したい事がある」
「えっ?」
真澄の言葉に振り返る。
「・・・夜のドライブでもしないか?」
優しい瞳で告げる彼に、マヤは断りの言葉が浮かばなかった。

マヤにとって真澄は不思議な存在だった。
会えばいつも虐めっ子のように彼女をからかういやな奴だと思えば、突然、優しい表情で見つめられたりもするのだ。
それに大都物産のただの社員のように思えない。
一体、いい人なのか悪い人なのか、マヤにはよくわからなかった。




「速水さんって偉い人なんですか?」
ハンドル握る真澄にボソリとマヤが口にする。
「えっ」
マヤの質問の意図が掴めず、チラリと助手席の彼女を見る。
「だって、この車フェラ−リってやつでしょ?軽く2000万以上はするって誰かが言っていました。
それに、会うたびに車違うし、どれも高級車ばっかり。ただの社員でこんな車乗りまわせるんですか?」
マヤの言葉が何だか、本当はあなたが社長さんじゃないの?と問いかけている気がした。
「・・・はははは。ちびちゃんにしては鋭い洞察力だ。残念ながら、俺は偉い人なんかじゃないよ。ただの平社員だ。
この車は会社の車だよ」
「会社の車?自由に使っていいんですか?」
「俺は社長のお抱え運転手だから、車は自由になるんだ」
「・・・運転手・・・なんですか」
何だか真澄の言葉に腑に落ちない。
「何だ?がっかりしたか?」
「いえ。別に。あなたがどんな仕事していようと興味ありませんから」
「はははは。ちがいない」
可笑しそうに真澄が笑う。
「・・・あっ、じゃあ。社長さんとは親しいんですか?」
「・・・えっ、あぁ、まあな」
真澄の答えにマヤは目を輝かせた。
「社長さんってどんな人なんですか?」
「えっ、どんなって・・・」
「身長はどのくらいですか?髪形は?顔は優しそうですか?声は低いですか?痩せてますか?太ってますか?」
まるで恋でもしているかのように一気にマヤが真澄を質問攻めにする。
「おいおい、君、そんなに一気に・・・」
苦笑を浮かべる。
「だって・・・社長さんがどんな方か知りたいんです!」
「・・・まるで、彼に恋でもしているみたいだな・・・」
気兼ねなしに呟いた言葉にマヤは真っ赤になった。
その様子に真澄はドキリとする。

まさか、本当に恋?大都物産の社長に彼女が?

「・・・自分でも馬鹿々しいっていうのはわかってます。私なんかが好きになっても振り向いてもらえない事もわかってます。
でも、凄く嬉しいです。あの方から紫の薔薇を頂くたびに、こんな私でも気にかけている人がいるって思うと胸が熱くなって・・・。
それに、社長さん、いつもお名前を隠すんです。普通だったら女優に花を贈るのは宣伝の為という目的もありますけど・・・。
社長さんは違った。名前を隠して贈るのは私の事を本当にファンとして見ていて下さるから・・・。
そんなお心遣いにいつの間にか私は・・・」
そこまで告げるとマヤの瞳は微かに潤んだ。
「私、社長さんの真心に惚れたんです」
彼女の気持ちを聞いているうちに真澄は胸が締めつけられるようだった。

どうしたんだ・・・。俺は・・・。
なぜ、こんなに胸が苦しい・・・。

今まで感じた事のない気持ちに真澄は戸惑った。
「・・・せめて、一目だけでもいいから・・・社長さんに会いたい・・・。社長さんの事知りたいです・・・」
感情を露にした彼女の瞳が真澄には痛かった。
「・・・社長も君にそこまで好きになってもらえて光栄だと思うよ・・・」
そう言葉を口にするのがやっとだった。
二人はそれっきり、何も話さず、互いの想いに耽っていた。






「真澄様、どうかなさいましたか?」
いつも冷静な彼が今日は一日中ため息をついているものだから、水城つい、そんな言葉を口にしてしまう。
「・・・いや、何でもない」
「北島マヤ」
水城が不意に口にした言葉にドキッとする。
「今日、第7弾のCM撮りがありますが・・・今回は行かないんですか?」
水城に言われて思い出す。
「あぁ。行かない。他の仕事があるからな」
今、真澄は彼女とは会いたくなかった。
彼女に対する感情が何なのかわからない事が彼を不安にさせた。
まさか、11も年下の女優なんかに自分が恋心を持つなんて考えたくなかった。
何よりも、自分の中に人を愛する純粋な気持ちがある事なんて知りたくなかった。
気づき始めた気持ちに蓋をするように、真澄は一切マヤに会う事をやめた。






「・・・今日も速水さん来ないのかな・・・」
CM撮りの日になると、彼女をからかうように現れた彼が、パタリと来なくなった。
もう、半年以上真澄に会っていない。
今日でCM撮りも最後になる。
これで、大都物産との関わりはなくなってしまう。
あんなにムカツク奴だと思っていても、会う事がなけれぱ、急に寂しさが募る。
気づけば、彼の事を考えていたりもするのだ。
「どうしたの?マヤちゃん、浮かない顔ね」
佐伯が心配するように彼女を見る。
「・・・何でもないんです。ただ、今日でCM撮りが最後だと思うと寂しくて」
「そうね。2年なんてあっという間だったわね。そうだ。はい、これ」
そう言い、佐伯は思い出したように紫の薔薇を差し出した。
「わぁ」
嬉しそうに薔薇を見つめる。

”二年間お疲れ様でした。また、あなたとお仕事ができる事を楽しみにしています”
薔薇に添えられたカ−ドにはそう書かれていた。

「ねえ、本当に誰なの?その薔薇の贈り主は」
輝くような笑顔を浮かべたマヤに佐伯が言う。
「へへへ。内緒」
いつもの返事をする。
「もぅ、秘密主義ね」
「・・・あっ、そうだ。理香子さん、大都物産の社長さんってどんな方かご存知ですか?」
マヤは表情を変え、さり気なく聞いた。
「えっ?」
「だって、私、結局一度もお会いした事なかったから、理香子さんは一度会っているんでしょ?」
「えぇ。まあね。社長にしておくにはもったいないぐらいのハンサムよ。あっ!そうだ!」
佐伯は何かを思い出したように声を上げた。
「どうしたんですか?」
「今日発売の経済誌に彼の顔が出ていたのよ」
佐伯の言葉に思わず、胸がドキンっと鼓動を打つ。
「本当に!!」
「えぇ。確か、楽屋にも置いてあったような・・・」
そう言い、佐伯は雑誌が置かれている所に行くと探した。
「あった!これだ。はい」
佐伯は真澄が写っているペ−ジを開いて、そっと、マヤに差し出した。
マヤの胸が高鳴る。

やっと、社長さんの顔が見れる。

期待と不安が胸を占める中、マヤは雑誌を見つめた。

「えっ!」

思いがけない人物にマヤの顔からさっと血の気が引く。
「どうでしょう。中々いい男でしょう」
誇らしげに佐伯が言う。
マヤは頭の中が真っ白になる程動揺した。

「・・・速水さん・・・」

ポツリと小さく呟く。
「マヤちゃん?」
突然、彼女の瞳から涙が溢れ出した。
佐伯はどうしたのかとおろおろする。

あなただったんですか・・・。

マヤは雑誌を抱きしめ、泣いていた。





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