================================== 突然の真実 AUTHOR mikan ================================== 海外赴任中のお父さんから、珍しく電話があった。 「お父さん、久しぶり♪ どうしたの?」 「…うん、涼ちゃんちでちゃんといい子にしてるよ♪」 「うん…なぁに?…」 「…えっ…?」 +++ 「なんだ、いたのか。」 気づいたら、涼ちゃんの部屋に来ていた。 「どうしたんだ? そんなところに立ち尽くして…」 優しい瞳で、私を見てくれる。 「…涼ちゃん…」 彼の名を口にした瞬間、涙が溢れた。 「何かあったのか?」 私の涙に驚く彼。 その問いに答えられない… いや、答えたくない私。 「…私ね…」 しばらくの沈黙が続いた後、 やっとの思いで口を開く。 「涼ちゃんのこと…キ、キライになるね!」 予想もしていなかったであろう言葉に、彼が固まる。 「だ、だから…っ 涼ちゃんも私のことなんて忘れちゃってっ!!」 思いを断ち切るかのように、言い捨て、 彼の前から逃げ出す。 涼ちゃん、ごめんね… でもそれしか…道はないよね… 溢れ出る涙と共に、この想いも流してしまおう、 と、ひたすら泣きつづける。 「待っ…!」 そんな従妹を、慌てて追いかけようとした涼介。 そのとき、彼の携帯がけたたましく鳴り響いた… +++ 「そういうことですか… まったく。悪い冗談はやめてくださいよ、叔父さん。」 涼介の呆れた声が、電話の相手に向けられる。 「悪いねー、涼介くん。 いきなり電話を切られたから、こっちも驚いちゃってさ〜♪ …で、どうだった? あの子、驚いてたかい??」 「驚くも何も、この世の終わりのような顔をしてましたよ。」 「そうか〜 ちょっと冗談が過ぎちゃったか… でもま、今日がエイプリルフールだってわかれば、 笑って許してくれるって♪」 あまりに楽観的な叔父に、 苦笑が漏れる。 「…叔父さん…こっちはもう4/2ですよ?」 「え”っ!?」 「…そちらとの時差を計算してなかったんですか?」 「・・・」 電話の向こうで叔父が固まるのがわかる。 「…ど、どうしよう… 涼介くん、助けてくれ〜〜!」 「ご自分でなんとかしてください。」 「そ、そんなぁ〜」 (まったく… この人もあいつも、どこか抜けているよな… さすがは親子…だな…) 思わずフッと笑ってしまう涼介。 その頃、従妹の部屋では… ひ、ひどいよ、お父さん… 涼ちゃんと実は血のつながった兄妹だなんて… こんなに好きなのに! 諦めるなんてできないよー!! お父さんのバカぁー!!! 枕を叩きながら、この世の終わりとばかりに泣きじゃくる従妹。 この後かかってくる父からの電話で、 彼女の表情が一変するのは言うまでもない…(笑) おわり♪ ================================== 2003.4.1 mikan 読んでくださって、どうもありがとうございます♪ なんだかまた変な終わり方になってしまいました(笑) でもエイプリルフールネタ、書きたかったんですよ〜♪ 従妹ちゃんはちょっと可哀想だけど… たまにはいいかなってね♪(笑) ありがちなネタだけど、書いてみると楽しいよね〜♪ それにしても…やっぱり日本語ヘンだわ…(笑) 言葉足らないしね……は、ははは〜♪ ではまた(^-^) 【Catの一言】 エイプリルフールネタしっかりと堪能いたしました♪ 従妹ちゃんの言葉に涼ちゃんはさぞかし動揺したんでしょうねぇ♪ 好きな展開ですわ(はあと) |