Miss you





注:一部肉体的な文章が含まれます。そのような文章が苦手な方、また18歳未満の方はすぐにウィンドウを閉じて下さい。
  一切の苦情は受け付けません。






逢いたくて・・・逢いたくて・・・涙が毀れる。
あなたに最後に逢ったのはいつだったのだろうか・・・。
遠い昔のような気がする。

やっと、気持ちが通じても・・・。
愛していると言われても・・・。
あなたの顔を見られないと不安になるの・・・。

誰よりもあなたが忙しい事は知ってる・・・。
でも、逢いたくて仕方がない・・・。


「・・・マヤさん?どうしたの?」
真澄と水城が興した会社の前で、うろうろとしていると、声を掛けれる。
「・・・水城さん・・・」
「社長に会いに来たの?」
「・・・はい。でもいいです。速水さん忙しいんでしょ?」
その言葉を否定して欲しくて、探るように水城を見る。
「そうね。。。社長、今、ちょっとやっかないな問題を抱えているから」
水城の表情が僅かに曇る。
「やっかいな問題?」
その言葉に急に真澄の身が心配になる。
「まぁ、でも5分ぐらいなら、何とかなるわよ。さぁ、来て」
水城はそう言い、高層ビルの中に入っていった。

「凄いですね。。。会社を興して、一年ちょっとでこんな大きなビルの中にオフィスを持っていて」
48階のフロアに着き、その広さに圧倒されながらマヤが口を開く。
いくら経営に疎い彼女にでも、真澄の凄さはわかっていた。
何だか、真澄と自分の住んでいる世界の違いに大きく落ち込む。

「そうでもないわよ。自社ビルじゃないからね。このビルの3フロアを借りているだけよ」
優しく、笑い水城は彼女に会社の中を案内した。
社員は皆忙しく走り回り、活気の溢れるオフィスだった。

ここが速水さんの新しい会社か・・・。

西新宿に位置する高層ビル街の一画に真澄の新しいオフィスは会った。
ビルの外には、見晴らしの良い景色が見える。
応接室に通されると、マヤはそんな景色をじっと見つめていた。

「中々いい眺めだろ?」
後ろから聞きなれた声がする。
思わずその声色に笑みが毀れてくる。
「・・・久しぶりだな・・・元気だったか?」
振り向くと、真澄の優しい笑顔があった。
一ヶ月ぶりの再会に、目頭が熱くなってくる。
「・・・速水さん・・・」
たまらず、真澄に抱きつく。
柔らかいコロンと煙草の香がする。
マヤが好きな真澄の香がした。
「・・・マヤ・・・」
愛しむように力強く彼女を抱きしめる。
「・・・ごめんなさい。忙しいのに、押しかけたりして」
暫く、真澄の温もりを味わった後、後ろ髪を引かれる思いで、彼から離れる。
「・・・いいんだ。俺こそ、君に会社まで来させてしまって・・・」
彼女の頬に優しく触れながら、真澄が言う。
「すまないな・・・。今、ちょっとした問題を抱えていて、時間が取れないんだ」
心なしか、真澄が少しやつれたように見える。
「・・・速水さん。少し痩せたみたい・・・。ちゃんと食べてます?」
心配するように恋人の顔を見つめる。
「あぁ。食べてるがな」
マヤの自分を気遣う言葉に心の中が温かくなる。
雑事に追われ、疲れきった心が癒される。

コンコン・・・。

恋人同士の甘い時間の終わりを告げるようにノックされる。
「・・・社長、そろそろお時間ですが・・・」
水城が申し訳なさそうに言う。
「あぁ。わかった。今、行く」
時間を惜しむようにマヤを見つめながら、口にする。
「・・・マヤ、すまないな。ゆっくりできなくて・・・」
「・・・いいんです。私の事は気にしないで下さい。速水さんが忙しいのは知っています。
お仕事頑張って下さい」
マヤは少しも悲しそうな表情を浮べなかった。
真澄を心配させたくなかったから・・・。
忙しい真澄に気を使わせるような事はさせたくなかったから・・・。
笑顔一つ、浮かべ、応接室を出ていく。
真澄の側を横切ろうとした時に、強く手を掴まれる。
「・・・速水さん?」
たったそれだけの事なのに心臓が飛び上がりそうな程、ドキっとする。
「君に持っていて欲しい・・・。なるべく帰るようにするから・・・」
耳元でそう囁くと、真澄は頬を真っ赤に染めた彼女一人を残して応接室を出た。
惚けている自分を制して、手の中のものを見つめると・・・。
益々彼女の頬は赤くなった。
そして、嬉しさがこみ上げてくる。




「お邪魔しま−す」
真澄に貰った鍵を使って早速、彼の部屋に入る。
部屋の中はキチンと整頓されていて、生活感が全くしなかった。
真澄があまり帰って来ていない事がわかる。

「本当に忙しいんだな・・・速水さん」
ソファ−に座り、一ヶ月前にこの部屋で真澄に愛された時の事を思い出す。
全身がカァ−と赤くになり、耳朶まで真っ赤になっていた。
「嫌だ。私・・・何考えているの!」
思いがけず、真澄から合鍵を渡された事に有頂天になっている彼女だった。
あんなに淋しいと思っていたのに・・・。
こうして真澄の香が残る部屋にいるだけで、胸の中がウキウキとしてくる。
「・・・速水さん、ありがとう。私、これでもう少し、頑張れます」






「大都グル−プの会長がわざわざ何の用です?」
英介の姿を目にすると、真澄は冷たい表情を浮べる。
「・・・婚約破棄の事は目を瞑るから、おまえに戻ってきてもらいたい」
いつになく、真剣な表情を浮べて、英介が言う。
思わぬ、義父の言葉に、真澄は何と言ったらいいのかわからなかった。
「僕は大都を出た人間です。もう、あなたとも関係がない」
そんな事を言うつもりはないのに、知らず知らずの内に冷たい言葉が口から出る。
「・・・では、なぜ速水の姓をまだ名乗っているのだ?」
痛い所をつかれて言葉が途切れる。
「あなたが速水の姓から出ろと言うのなら、すぐにでもそうしますが」
苛ついたように煙草を口にする。
「・・・真澄。私はおまえにケンカを売りに来たのではない。戻ってもらいたくて来たんだ」
英介の瞳が淋しそうに見える。
「それはできません。やっと自分で興した会社も起動に乗ってきた所です。後少しすれば、株式も一般公開できるようになるでしょう。
僕はもう、あなたが敷いたレ−ルの上を歩くのは嫌なんです!」
「自分の会社が心配なら、大都と合併をしてもいいんだぞ。もちろん、経営については今までと変わらず、おもえの好きにすればいい」
珍しく弱気な英介に一体、何があったのか心配になる。
「・・・何を企んでいるんですか?」
「別に何も企んでおらん。ただ、思ったのだ。おまえが大都を出てから、なぜかむしょうに淋しくてな。
それに大都グル−プの総帥になれる程の器量の持ち主は、やはりおまえしかいないんだ」
英介の口から出たとは思えない汐らしい言葉に、真澄はただ、ただ、目の前の男を見つめるしかできなかった。
「返事は急がなくてもいい。考えてみてはくれないか」
そう言うと英介はソファ−から立ち上がり、社長室を後にした。

そして、それから三日後、英介は脳梗塞をおこし、病院に運ばれた。


「・・・お義父さん・・・」
入院してから一ヶ月、英介は依然として意識不明のままだった。
医者からはもう目を覚ます事はないと、告げられている。
あまりにも唐突な事で、真澄には信じられなかった。
尊大で、いつも威厳に満ちていた英介が・・・目を覚まさないなんて・・・。
総帥が倒れた事で大都グル−プの中では熾烈な権力争いがおこっていた。
真澄も仕方がなく、その中に飲まれるしかなかった。
自分は関係がない等とは言っていられない状態だった。
このまま、欲望の亡者たちに会社を奪われては、英介が人生を捧げて築いた会社が消えてしまう。
それは真澄にとっても耐えがたい事だった。

「・・・血は繋がらないのに・・・。いつの間にか、こんな気持ちになっていたみたいです」
眠ったままの英介に静かに語りかける。
「あなたの事を憎んでいると思っていたのに・・・。ズルイですよ。このまま逝ってしまったら」





「・・・ただいま・・・」
疲れきった表情を浮べて、真澄が帰ってきた。
昼間オフィスで会ったよりも、更に顔色が悪い。
「毎日、こんな時間まで仕事していたんじゃ、死んでしまいますよ」
時計は午前2時を指していた。
「寝ていてもよかったのに・・・」
眠そうな目をこすって、真澄を出迎えるマヤを軽く抱きしめる。
「だって、速水さんにせっかく鍵を貰ったんだもの」
嬉しそうに頬を染め、マヤが呟く。
「よし!じゃあ、風呂に入ろう!」
突然、そう言い出し、マヤの手を引っ張って一緒にバスル−ムに向かう。
「・・・速水さん、疲れているんじゃ・・・」
真澄の行動にしどろもどろになりながら、言う。
「あぁ。頭の芯から爪先まで疲れている。だから、風呂に入って、君に疲れをとってもらうのさ」
軽くマヤにウィンクをして、あっという間に裸体になると、真澄はバスル−ムに入った。
「マヤ、早くしろよ」
シャワ−の音に混じって彼の声が聞こえる。
その声に意を決したように、マヤは服を脱ぐと、バスタオルを一枚、体に巻きつけて、真澄の待つバスル−ムに入った。

「何だ、それは?」
抗議をするようにマヤの体に巻きつかれたバスタオルを見つめる。
「だって・・いくら、速水さんでも、恥ずかしいし」
「俺は君の恥ずかしい姿なら、いっぱい見たがな」
からかうように真澄が言う。
「もう!速水さんの意地悪」
マヤは膨れっ面を浮かべた。
「ハハハハハ。君のそんな顔見るの久しぶりだな」
愛しそうに瞳を細め、彼女を見つめる。
「・・・速水さん・・・」
その瞳の優しさに胸が大きく高鳴る。
二人は見つめ合い、シャワ−の中で自然に唇を重ねた。
熱い湯が二人の体に降り注ぎ、意識を朦朧とさせ始める。
マヤを壁に押し付け、幾度も幾度も激しいキスを重ねる。
一ヶ月ぶりの甘い感覚に、マヤは立っていられそうになる。
唇から耳朶、首筋、そして胸へと真澄の唇が彼女の体を愛撫する。
シャワ−で濡れた白いタオルの下から彼女の胸が透けてみえていた。
その艶やかさに、真澄の理性が飛びそうになる。
「・・・我慢できそうにないな・・・。ここでしてしまっていいか?」
彼女の耳元でゾクっとする程艶やかな真澄の声が囁かれる。
その声に、言葉に体中が真澄を求め出す。
マヤの方も限界に来ていた。
早く真澄を欲しくて堪らない自分がいた。
一気に彼女からバスタオルを剥ぎ取ると、シャワ−に濡れる彼女の肉体を見つめる。
「・・・いやっ」
恥ずかしそうに口にする。
「・・・綺麗だ・・・」
女神でも見るような視線で彼女を見つめ、ゆっくりと唇を胸から下へと這わせる。
その度に、彼女は甘い吐息を漏らし、体を震わせた。

「あぁっ」
真澄を最も欲しがっている部分に彼が唇を進めると、耐え切れずに声をあげる。
バスル−ムに響く、彼女の声は真澄の胸を大きく鷲づかみにする。
唇を離すと、しっとりした愛液が彼女の太腿を伝う。
「・・・見ないで・・・」
その様子を見つめている真澄に恥ずかしそうに呟く。
「俺は君の全てを知りたい・・・。君が好きだから、愛していてるから」
そう言うと、力強く、彼女を抱き寄せる。
素肌と素肌が重なり合い、互いの鼓動が聞こえていた。
どれくらいそうしていたのだろうか・・・。
長い間そうして彼女を抱きしめていると、いきなり彼女の太腿を抱え込み、彼女の中へと
進入を始める。
「・・・あぁっ・・んんっ」
下半身を襲った甘い衝撃に、声をあげる。
寄りどころを探すように、彼にしがみつき、その広い背中に爪を立てる。
彼は抑えていた欲望を解放し、夢中で彼女の中に自分を刻んだ。
彼の動きが早くなるに連れて、彼女の声が大きくなる。
そして絶頂へと達すると、切ない声を上げ、マヤは真澄の中でたえた。






「何か飲むか?」
お風呂から、上がり、ソファ−に座っているマヤに声をかける。
「・・・水が欲しいです」
マヤの言葉を聞くと、冷蔵庫からペットボトルを取り出し、グラスに水を注ぐ。
「やっぱり、運動した後は喉が渇くなぁ」
彼女にグラス渡した後に、自分も水を飲みながら、口にする。
真澄が何気なく口にしたその言葉にマヤは全身が赤くなる。
「・・・速水さん、疲れていたんじゃないんですか?」
「君の顔を見れば、疲れなんて吹き飛ぶさ」
彼女の隣に座り、愛しそうに見つめる。
「はぁぁ・・。でも、やっぱり、今日は疲れてるかも・・・な」
そう言い、ゴロリと横になり、彼女の膝を枕にする。
「・・・何かあったんですか・・・?何だか、速水さん辛そう・・・」
柔らかい真澄の髪に触れながら、囁く。
「・・・一ヶ月前にオヤジが倒れたんだ・・・」
思い出したようにポツリと呟く。
「えっ・・・速水会長が?」
マヤは驚いたように真澄を見つめた。
「あぁ。マスコミには伏せてあるからな・・・。関係者しかしらないさ」
「・・・それで、速水さん、いつもよりも忙しかったんですね」
「まあな。いくら大都を出たとは言っても、関わらない訳にはいかないからな」
「それで、速水会長の容態はどうなんですか?」
「意識不明の重体だ。医者の話ではもう目を覚ます事はないそうだ」
そう言った、真澄はどこか淋しそうだった。
「オヤジが倒れる三日前に言われたんだ。大都に戻ってきて欲しいと・・・。でも、俺は断った。
オヤジが敷いたレ−ルの上を歩くのはもう嫌だったんだ」
悲しそうに真澄は言葉を続けた。
「・・・オヤジに淋しいって言われたんだ。俺が大都を出た事がよほど堪えたらしいな」
苦笑を浮べる。
「仕事が終わると、毎晩、オヤジの病室に行くんだ・・・。もしかしたら、目を覚ましていないかと思って・・・。
俺は自分がわからない。憎んできたはずなのに・・・オヤジの寝顔を見ていると淋しくて仕方がないんだ。
血など繋がっていないのに・・・。本当の親子じゃないのに・・・」
痛々しく自分の気持ちを口にする真澄に、マヤは涙が溢れた。
そして、彼女の瞳から涙が毀れ落ち、真澄の頬に伝う。
彼女が泣いている事にハッとしてその表情を見上げた。
「・・・どうして、君が泣くんだ・・・」
手を伸ばし、彼女の頬に触れる。
「・・・速水さんの辛さが伝わってきて・・・。泣いて下さい。速水さん。辛いのなら、悲しいのなら、泣いて下さい」
涙声で途切れ途切れに言葉を口にする。
「・・・マヤ・・・」
彼女の言葉に自分の気持ちに気づく。

そうか・・・。
俺は悲しかったのか・・・。
辛かったのか・・・。

「私が速水さんを抱きしめていますから・・・。だから、泣いて下さい・・・」
懸命に自分を抱きしめようとする彼女に胸が切なくなる。
「・・・ありがとう。マヤ」
真澄は優しく彼女に微笑んだ。
「君がこうして俺の側にいてくれるから・・・俺は大丈夫だ」
マヤの膝から起き上がり、力強く彼女を抱きしめる。
「・・・不思議だな。君にはこうして無防備に自分の気持ちを口にする事ができる。自分でも気づかなかった気持ちに
気づかされる」
「私は速水さんの辛さを知る事ができて・・・一緒に分かち合う事ができて嬉しいです」
「・・・マヤ・・・」
その言葉に真澄は胸がいっばいになった。
「・・・君と出会えて、俺は幸せだ・・・」






Trrrr・・・。Trrrr・・・。

穏やかな眠りから覚ますように携帯の着信音が部屋中に響いていた。
真澄は眠そうに目を明け、テ−ブルの上に置かれていた携帯に手を伸ばした。

「はい」
「真澄様、こんな時間にすみません」
そう言われて時計を見ると、朝5時を指していた。
「何かあったのか?」
「会長が・・・速水会長が意識を取り戻しました」
その言葉に一気に眠気が覚める。
「わかった。すぐに行く」
そう言うと、真澄は携帯を切った。

「・・・何かあったの?」
真澄の隣で眠っていたマヤがおもむろに瞳を明ける。
「・・・オヤジが意識を取り戻したそうだ」
その言葉に今度はマヤが目を覚ます番だった。
「君は寝てていいぞ」
真澄は素早くベットから起き上がるとクロ−ゼットを開け、ス−ツを取り出した。
「いいえ。私も一緒に行きます」
持ってきていた着替えを素早く取り出し、マヤが言う。
「・・・そうか」
マヤの言葉に内心嬉しく思うが、表情には出さなかった。




病院に駆けつけると大都グル−プの重役、英介の親類などがもう集まっていた。
真澄は感情を押し殺したような冷たい表情を作り、彼らと向き合う覚悟を決めた。
自分には決して向けられた事のない別人のような真澄の表情に、マヤは切なくなった。

”これから敵の中に入っていく”

病院へ向かう車の中で真澄が呟いた言葉の意味が、マヤにはようやく理解できた。
真澄はいつも、企業という戦場の中にいるのだ。
気を抜けば、足元を奪われ葬り去られてしまう。
時には味方のいない敵地で一人乗り込んでいくしかない時もあるのだろう。

そんな真澄を守ってあげたい・・・。
支えてあげたい・・・。

マヤは強く心の中でそう思った。

「真澄さんという方はいますか?」
面会謝絶の病室から看護婦が出てくる。
「真澄は私ですが」
名前を呼ばれ、看護婦の前に一歩進む。
「患者さんが、あなたの事を呼んでいます。さぁ、どうぞ」
誰にも許されなかった面会が許され、真澄だけが病室に呼ばれる。
「・・・マヤ、君もおいで」
敵の中に彼女を一人にしておけないと思い、強く彼女の手を引っ張る。
妬みに近い視線を浴びながら、真澄に連れられおずおずと病室に入っていく。

「・・・真澄か・・・」
弱々しく英介が声をかける。
「はい。お義父さん」
「・・・隣にいるのは・・・おまえの紅天女か」
マヤの姿を見つけ、呟く。
「彼女は僕の婚約者です」
力強くそう口にした真澄に、マヤは驚いたように目を見開いた。
「・・・そうか・・・」
英介は反対する風でもなく、ただ、そう呟いた。
「・・・千草に会った・・・。わしはよっぽど、彼女に嫌われているんだろうな・・・。
まだ、来るべきではないと帰されたよ」
苦笑気味に英介が言う。
「わしは・・・また死ねなかった」
淋しそうに口にする。
「僕がまだ、あなたを死なせませんよ。あなたには大都グル−プの総帥として、まだ君臨していて貰わなければ
ならない・・・。それに、合併の話も進めなければならないし」
真澄の言葉に英介はハッとする。
「・・・真澄・・・。大都に戻ってくれるのか?」
「・・・えぇ。但し、前と同じ大都芸能の社長のポストを用意してくれるならです」
冗談ぽく笑い、口にする。
「あぁ。好きな所に行くがいい。お前ほど優秀な人材なら、喜んで受け入れよう」
英介は微かに涙ぐみながら口にした。

「・・・マヤさんだったかな・・・。真澄の事宜しく頼みます」
帰り際に英介は力強く、マヤの手を握った。
その光景が何とも嬉しくて、真澄はくすぐったさを感じていた。
「・・・えぇ。こちらこそ宜しくお願いします」
英介の手を力強く握り返し、優しい瞳で見つめる。
英介は嬉しそうにマヤに向かって笑みを浮べた。





「・・・これから先、また忙しくなるかもしれない」
帰りの車の中で真澄がすまなそうに呟く。
「いいんです。すれ違っても、会えなくても・・・。私、速水さんを待ってますから。
速水さんの部屋で、速水さんの匂いに包まれて・・・」
真澄を安心させるようににっこりと微笑んでみせる。
「・・・マヤ・・・。必ず、帰るから・・・君の元へ・・・」
車を止め、彼女を抱きしめながら、口にする。

待ってます・・。
私はいつだってあなたを・・・。
どんなに会えなくても・・・。
淋しくても・・・。

あなたを愛しているから・・・。

だから、待っています・・・。








                                   THE END


【後書き】
一応”届かぬ想い”の続編です♪
今回は真澄様の葛藤を中心に書いたつもりです。
リクエストfic書いてたら、甘いマヤちゃんと真澄様が書きたくなってしまって、書いてしまいました(苦笑)
はぁぁ・・・気づけば夜が明けている。。。いやぁぁ・・・時間が経つのは早い(笑)
まだまだ恋人な二人書いていくつもりです♪♪

ここまでお付き合い頂きありがとうございました♪♪♪


2001.8.31
Cat




本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース