Secret Love−1−




「・・・あぁぁっっ!」

艶やかな声が叫び、彼の背中にきつく、爪を立てる。
彼女の中により深く潜り込み、激しく腰を動かす。
一つに繋がった部分を離さないように、体位を変え、より深く挿入する。

「・・・はっ・・・はやみ・・・さんっ・・・あぁっ・・・」
真澄の容赦ない動きと、愛撫に気を失いそうになる。
「・・まだだ・・・まだ、足りない」
ゾクッとするような表情で彼女を見つめる。
彼女の乳房を口に含み、歯を立てる。
「あぁっ!」
痛さと快楽に大きく背を反らせ、悶える。
そして、限界に達すると、彼女は繋がったまま、意識を失った。

こうして、彼女と関係を持つようになってから、三ヶ月が経つ、真澄は今までの渇望を癒すように
夢中で抱いた。
二人の関係は表には出せない、誰にも知られてはいけないもの・・・。
彼は結婚し、彼女は日本を代表する女優なのだから・・・。

しかし、どうしても手放せなかった。
彼女と自分が同じ気持ちだったという事を知ると手放せなかった。
どれ程長い遠回りをしてきたのだろう・・・。

腕の中でぐったりとしている彼女を愛しそうに見つめる。
彼女との時間が限られているものだから、ついつい、真澄は無理をしてしまう。
そう、二人の時間は週に一度きりしか許されない・・・。
本当は毎日でも彼女を抱いていたい・・・。
ずっと、一つに繋がっていたい・・・。

しかし、望めば破滅するしかない・・・。
地位も名誉も、築いてきたものの全てを手放す事になる。

大女優として花開いている彼女を自らの手で潰す事になる。
それだけは、何としても避けたかった。


「・・・速水さん、何考えているの?」
ぼんやりと、煙草を吸っていると意識を失っていた彼女が目を覚ました。
「・・・ずっと、君といたいな・・・と、思って」
切ない瞳を向ける。
「・・・駄目よ。私たちは一緒にはいられない運命・・・」
寂しそうに彼を見つめる。
「あなたには家庭がある・・・。私はあなたの家庭を壊す気はないわ」
真澄が咥えたままの煙草にそっと、手を伸ばし、自分の口に咥え、煙を吸う。
そんな仕草が女っぽく、したたかで、ドキッとする。
「なぁ、来週はどこか旅行に行かないか?二、三日なら休みがとれそうなんだ」
真澄の言葉に彼女は一瞬、嬉しそうに瞳を輝かせる。
「・・・でも、奥様には何て言うつもり?」
心配するように言う。
「・・・出張とでも言うさ・・・」
「フフフ・・・。悪い旦那様ね・・・」
煙草の吸殻を灰皿に置き、彼を見る。
「誰がそうさせるんだ?」
彼女を組み敷き、悪戯っぽく見つめる。
「あっっ、急に・・・あっ」
一気に真澄が彼女の中に入ってくる。
一つになったばかりの場所は十分すぎる程、濡れていた。
「・・・俺がどれ程、君に溺れているかわからせようか?」
彼女の耳たぶを噛み、耳元で囁く。
「・・・少なくても、あなたがタフだという事は知っているわ」
クスリと笑い、真澄の唇を貪る。
互いの舌と舌を絡ませ、全てを欲するように深く、深く唇を重ねる。
「・・・うんっ・・」
甘い吐息が漏れる。
繋がった場所からは二人の愛液が混ざり、シ−ツを濡らしていく。
彼のものが彼女の中で再び、暴れはじめる。

その日、一日中二人は繋がっていた。
離れる事を惜しむように、何度も何度も上りつめた。





「水城君、来週の、水、木は休む・・・。出張という事にしといてくれ」
次の日、出社すると、彼は優秀な秘書にそう言った。
その言葉を聞いて、水城は彼が誰と過ごすのかわかっていた。
「・・・奥様には内緒ですか?」
水城の言葉に、真澄は”そうだ”と無表情に答えた。
「程々になさいまし・・・いつか、苦しい思いをするのはあなただけではないのですよ」
真澄を制すように一睨みをする。
「・・・わかっている。だが、こうなってしまった以上、離れられない・・・。俺は彼女がいないと生きてはいけないんだ・・・」
全ては彼の優柔不断からだった。
もし、結婚を決める前に彼女の気持ちを知っていれば、こんな事にはならなかっただろう・・・。
今更、妻とは離婚などできるはずがない。
彼女は古くから経済会に君臨する鷹宮グル−プのもの・・・。
大都なんて、歴史を考えれば、鷹宮なんかとは比べ物にはならない・・・。
敵に回せば、大都グル−プ全体に大きな被害を受けるだろう。
「覚えておいて下さい。あなたの肩には、大都芸能だけではなく、大都グル−プ一万人の社員が乗っているという事を・・・」
水城の言葉に苦い表情を浮かべる。
「あぁ・・・肝に銘じておくよ・・・」






「待ったかい?」
待ちあわせの場所で彼女を見つけると、真澄はこの上なく甘い表情を浮かべた。
「えぇ、待ったわ。速水さん、遅い!」
甘えたように言う。
「じゃあ、お詫びのキスだ・・・」
そう言い、華奢な彼女にいきなりの濃いキスを送る。
彼女と最後に会ってから一週間が経っていた。
真澄はもう、会いたくて、会いたくて・・・堪らなかった。
「・・・バカっ。こんな所で・・・誰かに見られたら・・・」
いつもよりも、大胆な彼に息を弾ませながら、言う。
「ここは、京都だ。俺たちを知っている奴なんて・・・いないさ」
そう言い、真澄は彼女の手を掴むと、歩き出した。
真澄とこうなってから、初めての旅行に彼女の胸は高鳴っていた。
「・・・そうね・・・。わからないわよね」
甘えるように、彼に寄り添う。


「・・・藤村様ですか?」
予約していた老舗の旅館に行くと、女将が二人を出迎えた。
「はい。藤村です」
真澄の答えに女将はにっこり微笑んだ。
「では、旦那様、奥様どうぞ」
そう呼ばれ、二人は何だかくすぐったい気分になる。
「・・・ここの旅館ではカップルは夫婦扱いになるみたいだな」
照れたようにはにかんだ笑みを見せる彼女にそっと、囁く。
「・・・嬉しいな、私、今はあなたの妻なんだ」
無邪気な彼女の表情に真澄は複雑な気分になった。


「わぁ!素敵なお部屋!」
女将に案内された部屋は10畳程の二間が続いており、窓の外からは紅葉が楽しめた。
「ご夕食は7時からになっています。それまで、露天風呂でも、楽しんでいて下さい。ここは、夫婦専用の夫婦風呂があるんですよ」
女将の言葉に二人は顔を見合わせ、赤くなった。
「ほほほほ。初々しいですわね。ご新婚ですか?」
「えっ・・いやぁぁ」
真澄は照れたように答えた。
「まぁ、ご馳走様です。では、失礼します」
京都訛のある柔らかな標準語でそう言うと。女将は部屋を出た。

「・・・新婚だって・・・そう、見えるのかな」
嬉しそうに彼女が言う。
「・・・君が甘い顔をしているから、そう見えたんじゃないか?」
からかうように呟く。
「甘い顔をしているのは速水さんも一緒でしょ!」
少し、ムッとしながら言う。
「はははは。速水なんて男知らないな。俺たちはここでは藤村だぞ」
更に、からかうように言う。
「もう、意地の悪い人ねぇ。嫌いよ」
彼女の口から幾度となく出た”嫌い”という言葉が、今はくすぐったかった。
「君が俺を嫌いなのは・・・昔から知ってる」
華奢な彼女の体を抱きしめながら口にする。
「そうね。私、さんざん、あなたに”大嫌い”って言ってきたわよねぇ」
懐かしむような瞳を浮かべる。
「その度にどれくらい、俺が傷ついたか、知ってるか?」
額と額をコツンとくっつけ、恨めしそうに彼女を見る。
「あら、私、本当に嫌いだと思って言ってなかったのよ。私の本当の気持ちに気づかなかったあなたが少し、鈍感なのよ」
彼女の言葉に渋い表情を浮かべる。
「俺はどうせ鈍感さ」
少し拗ねたように言う。
「あらあら。大企業の社長さんが、何だか、子供みたい」
可笑しそうにクスリと笑う。
「マヤ、君の前では俺はただの男だ・・・」
熱っぽい瞳で彼女の視線を捕らえる。
その視線に胸の中が揺さぶられる。
二人はどちらからともなく、自然に唇を塞いだ。
長い、長い口付けに二人の体は熱くなった。
「・・・もっと、あなたが欲しい・・・」
真澄が唇を離すと、マヤが潤んだ瞳で見つめる。
「・・・俺も、君が欲しい・・・」
ギュッと抱きしめ、彼女の首筋に唇を這わせていく。
「・・あっ・・・」
真澄のちょっとした愛撫に体が敏感に反応する。
真澄はその反応に優しく笑った。
「・・・夫婦専用の露天風呂行ってみるか?」
耳元でそっと囁く。
真澄の言葉にマヤの頬が微かに赤くなる。
「夕食までに戻って来れるの?」
「戻れるように努力するさ。行こう」



「わぁぁ・・・星が見える・・・」
バスタオル一枚巻き、露天風呂の中に入った彼女が空を見上げる。
「本当だ・・・」
彼女を腕の中に閉じ込め、一緒に空を見上げる。
「そういえば・・・昔、一緒に星を見たよな・・・」
思い出すようにマヤを見つめる。
「・・・そうね。速水さん・・・凄く、子供っぽい顔して、星の解説してくれた」
彼女の口から出た”速水”という苗字に、真澄は”しっ!”と人差し指を唇の前に立てた。
「・・・言っただろ。俺たちは今は藤村・・・。君には真澄って呼んでもらいたいな」
真澄の言葉に”あっ”と声をあげ、照れくさそうに唇を動かす。
「・・・わかったわ。真澄さん」
「それで宜しい」
満足気にそう言うと、真澄は彼女の体に巻かれているバスタオルを剥ぎ取った。
「あっ」
驚いたように声をあげる。
「・・・もう、濡れてるね」
彼女の中に指を入れ、耳元で囁く。
「あなが・・・そうさせるのよ・・・」
恥ずかしそうに言う。
「君の全てを俺でいっぱいにしたい・・・」
そう言い、彼女を湯船から一段高い、淵に座らせる。
彼女の足を持ち、開かせる。
真澄の唇を待っていたとばかりにピンク色のその部分は口を広げた。
「あぁっ!」
彼女の入り口から漏れる蜜を吸っていく。
風呂場に彼女の声が大きく反響し、いつも以上に大きい声になる。
マヤは自分の出した声に驚いた。
「いい声だ・・・もっと、聞きたい・・・」
既に硬くなっている蕾を口に含む。
甘い果実を味わうように舌を使い、味わう。
「・・・あぁっ・・・だめ・・・外に、きこえちゃうっっっ!・・・あぁぁっ・・・んっっ!」
大きく、腰を震わせ、悶える。
「・・・やめていいのか?」
その場所から唇を離し、悪戯っぽく囁く。
手は優しく、胸を掴み、指でその頂きを悪戯するように弄る。
「・・・んっ・・・。本当、意地悪な人・・・」
そう言い、湯の中に手を入れ、大きくなっている真澄自身を強く握る。
「あっ」
思わぬ彼女の攻撃に声を漏らす・・・。
「私が、してあげる・・・」
湯の中に飛び込み、真澄自身を口の中に含む。
「・・・んっ・・・あっ」
切ない声をあげながら、自分のものを口に含んでいるマヤを見つめる。
口の中で彼のものはこれ以上ない程、膨れ上がっていった。
彼女の巧みな舌使いにあっという間に彼は彼女の中に自分の分身を放出した。
ゴクリとそれを飲み込む音がする。
「・・・真澄さん・・・かわいい・・・」
彼自身から唇を離し、艶やかな表情を浮かべ彼を見る。
「・・・ばか、大人をからかうな・・・」
彼女の愛撫にあっという間に限界に達してしまった自分が照れくさくて、頬を赤くする。
「・・・ハメテやる」
すぐに大きさを取り戻すと、あっとい間に彼女の中に自分自身を埋めた。
「あっっ」
鋭い衝撃にピクリと体を振るわせる。
「・・・かわいい・・・」
彼女の表情を覗き込み耳元で囁く。
次の瞬間、容赦なく、彼の腰が動き、彼女を突き上げる。
「・・・あぁぁっっ!」
体中から声を出し、彼にしがみ付く。
彼が動く度に暖かい湯と彼自身が深く入り込む。
今まで感じた事のない、初めての感覚に狂ったように彼女も腰を動かした。

「・・・んんんんっっっ!あんっっっ!」

限界に達し、彼女の中に彼のものが注がれた。



「・・・夕飯・・・少し、遅れちっゃったかな・・・」
乱れた呼吸を整えながら、彼の腕の中で囁く。
「・・・そうだなぁぁ・・・。まぁ、夫婦風呂に行っていたと言えば、わかってくれるさ」
「・・・ばかっ」
真澄の言葉に真っ赤になりながら口にする。
そんな彼女を見つめ、彼は可笑しそうに笑った。





「わぁぁぁ!美味しそう!!」
並べられた料理に彼女は感嘆の声をあげた。
真澄はそんな彼女を見つめながら、熱い日本酒を口にする。
二人は料理と会話を楽しみ、終始上機嫌だった。

「しかし、よく食べるな・・・」
とても華奢な彼女には入らないぐらいの料理をあっさりと片付け、さらにデザ−トまでに手を伸ばしている彼女を少し、驚いたように見つめる。
「甘いものは別腹って言うでしょ」
幸せそうにデザ−トを食べる。
「フフフ。そういえば、いつだったか俺と出かけた時、君はケ−キをテ−ブル一杯に注文したな」
可笑しそうに笑う。
「だって、真澄さんの驕りだっていうから、ここぞとばかり食べてやったんです」
「なるほど。君らしい」
酒がすっかりまわっている為か、いつも以上に笑い上戸になる。
そんな彼の笑顔を見れて、何だか、心が温かくなる。
「・・・私も、もらおうかな・・・お酒」
「そうか。では、どうぞ、奥様」
そう言い、マヤにお酌をする。
真澄の口から出た”奥様”という言葉にクスリと笑う。
「おいしい」
頬を赤らめ、酒を飲む。
「じゃあ、私から、旦那様へ」
今度はマヤが真澄にお酌をする。
真澄はそれを嬉しそうに飲んだ。

「いいなぁぁ・・・こうして、ずっと、真澄さんと一緒に過ごせたらな・・・」
甘えたように真澄に寄りかかる。
その言葉の裏のある切ない現実に真澄は胸が痛んだ。
そして、真澄の中の決心が口を開かせた。
「・・・いつか、君を迎えに行く・・・。いつになるのかわからないけど・・・。それまで、俺を好きでいてくれるか?」
彼の言葉にマヤの瞳が大きく見開く。
「・・・真澄・・さん・・・。嬉しい・・・そう言ってもらえただけで・・・。もちろん、あなたの事はずっと、好き。愛してる。この先、何があってもそれだけは変わらない・・・」
彼女の言葉に真澄の胸が熱くなる。

「・・・マヤ・・・」
愛しむように唇を塞ぎ、華奢な体を抱きしめる。

真っ白なシ−ツの上で、二人は”今”という時を互いの体に刻むように抱き合った。
彼の腕の中で乱れる彼女は地上の誰よりも美しく、まるで、天女のようだった。



それから、一週間後・・・二人にとって恐れていた事が起きたのだった。



「・・・あなた、これはどういう事・・・」
屋敷に戻った真澄に、紫織が数枚の写真を叩きつける。
それはマヤとの逢瀬の一部を写してるものだった。
紫織は最近、真澄から微かに香る女物の香水を怪しく思い、探偵を使って彼の事を調べさせていたのだ。
「・・・どうって・・・ただの写真じゃないか。君も知っているだろう。彼女はうちの看板女優だ。機嫌を伺う為に接待をするのも社長の務めだ」
真澄の言葉にわなわなと唇を震わし、紫織は決定的な一枚を見せた。
「ただの、女優とこんな事、なさるんですか!」
その写真は京都に旅行に出かけた時に、待ち合わせ場所で真澄が彼女の唇を情熱的に奪っているものだった。
「・・・藤村という名前でお泊りになっていたようね・・・私には出張と言って・・・」
紫織の顔色が益々悪くなる。
「だから、どうした?君は俺と別れるか?」
もはや隠せない事を悟ると真澄は開き直ったように冷たい表情を浮かべる。
その表情に一瞬、おびえるように真澄を見るが、紫織怯まなかった。
「いいえ。私はあなと別れる気になんてありません!!!あなたにはあの女優と別れて頂きます!!!」
か弱い彼女から出たとは思えない叫び声に唖然とする。
「・・・別れて頂かない場合には、どうなるかわかります?鷹宮の力を使ってでも、あの女優を潰しますわよ!」
無言の真澄に脅しに近い言葉を言い放つ。
紫織にはわかっていた、
真澄がどう言えば、自分のものになるか・・・。
彼にとって一番弱いものは何か・・・。
「例え、あなたでも、彼女に何かしたら許さない!!」
「だったら、別れて頂きます・・。いいですね」
紫織の言葉に何の反応もできなかった。

マヤと別れるなんて・・・くそっ・・・。




「・・・別れましょう・・・」
真澄がそう口にする前にマヤの口からその言葉が出た。
驚き、彼女を見つめる。
「なっ、急に・・・どうしたんだ」
「・・・奥さんに私の事、バレたんでしょ。あなた、今日私に会ってから、ずっと、何かを考えているみたいだから・・・」
そう言い、一枚の写真を真澄の前に差し出す。
それは紛れも泣く、紫織から差し出されたものだった。
「・・・これ以上、あなたを困らせる事はしたくないの。だから、別れましょう・・・。事務所も大都から他の所に移るわ」
マヤの言葉に心から血が出た気がした。

・・・別れたくない・・・。

二人の中に強い思いが浮かぶ。
だが、ここで、別れなければ・・・互いが互いを破滅させる事になる。

「・・・そうか・・・。今まで、ありがとう・・・」
無表情にそう言うと、真澄は密会に使っていた部屋を出た。
扉が閉まった瞬間、マヤは泣き崩れた。

さよなら・・・速水さん・・・。




それから、半年、二人は全くすれ違う事はなかった。
ただ、人伝えに、どうしているか聞く程度だった。
しかし、心の中には前にも増した強い思いがある。
きっと、今出会ったら、どんな状況だろうと、抱き合ってしまうだろう。
激しい思いが今にも体から飛び出してしまいそうだった。
だから、二人は会わないようにしていた。
互いの人生を壊したくはないから・・・。
傷つけたくはないから・・・。

しかし、皮肉な事に二人は再び、顔を合わせる事になった。
それは、たまたま招待されて観にいった舞台でだった。
真澄はその舞台にマヤが出ている事は全く知らなかった。
半年ぶりの彼女の姿に胸が熱くなる。
できる事なら、舞台の上からさらっていってしまいたい・・・。
そんな衝動に上演中、真澄はずっと耐えていた。

そして、マヤも気づいていた。
熱い視線が自分を見つめる事を・・・。
舞台など放り出して、真澄と早く一つになってしまいたかった。



「・・・素晴らしい芝居でしたよ・・・」
楽屋を訪れ、真澄が演出家に言う。
その後ろではマヤが関係者たちと話していた。
視線はマヤの方に向けながら、意味のない会話をする。

マヤも真澄と同じ部屋にいるという事だけで、どうかしてしまいそうだった。
さっきから、全然、話が頭に入って来ない。
彼が熱い視線で彼女を見つめいる事が痛い程わかった。

「・・・それでは、これで、私は失礼します」
演出家と一通りの話を終えると真澄はそう言い、楽屋を出た。
とうとう、マヤには一言もかけずに・・・。
その瞬間も彼女の中の理性がはじける。
「あっ、私、ちょっと、用を思い出しわ」
そう言い残し、真澄を追うように楽屋を出た。

廊下を走り、彼を探す。
そして、広い背中を見つける。

「・・・速水さん・・・」

その言葉に心臓が止まってしまいそうだった。
振り向かなくても誰が口にしたかわかる。
「・・・マヤ・・・」
振り向き、彼女を見つめる。
「・・・私、もう・・・」
その言葉に、真澄は彼女の手を掴み、周りに誰もいない事を確認すると、トイレに駆け込んだ。
狭い個室に入り、貪るようなキスを交わす。
夢中で、彼女の服を脱がせる。
彼女もそれを手伝うように服を脱ぎ捨て、あっという間に下半身が露になる。
「・・・早く・・・欲しい・・・」
切羽詰ったその声をあげ、マヤは真澄のズボンのファスナ−を下ろした。
既に彼女を求める形になっている彼が現れる。
彼女をドアに押し付け、真澄は彼女の太ももを抱えるようにして、持ち、一気に挿入した。
半年ぶりの甘い衝撃に、殺していた声を思わず漏らす。
「・・・あっっ」
真澄の腰が激しく動きはじめる。
体中の血液が煮え、動機が早くなる。
彼女の中で彼が大きくなり、放出する。
その感覚に、彼女は気を失いそうだった。
一瞬の出来事に、二人とも言葉を失う。
荒い呼吸が邪魔して、言葉を無くさせる。

「・・・もっと、あなたが欲しい・・・」
先に口を開いたのは彼女の方だった。
「・・・ここを出よう・・・君をちゃんと抱きたい・・・」
身なりを整え、二人はその場を後にした。


             


  つづく


【後書き】

地下に置くほど・・・濃くありませんでしたが・・・内容が不倫という事で、こっちに持ってきました(笑)
一応The Passing Haertの続編です。
ずっと、続き書きたいなぁぁと思い・・・コツコツと書いておりました。
今回、それを少し、アダルト色強いものに変えて、出しました。
激しく不倫の恋に落ちていく二人を書いてみたかったんですが・・・何か健全なマヤちゃんにはあまり、合わないような気も・・・(笑)

ここまで、読んでくれた方、ありがとうございました。

次回作は恐らく、1,2ヶ月後かな?と思っています。
まあ、書かないと言っても現実逃避がてら書くかもしれません(笑)
なぜか追い詰められると書きたくなってしまうんですよねぇぇ。

では、また♪

2001.12.8.
Cat

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