永久(とわ)の想い−4−
「どうして、私の方を見てくれないの!!」
悲しそうな顔が浮かぶ。
部屋には彼女が飾ったクリスマス・ツリ−が置かれている。
「ステラ・・・知っているだろう・・・僕が忙しい事は」
宥めるように口にする。
「私が結婚したのは俳優のあなたでもなければ、貴族のあなたでもないわ」
瞳いっぱいに涙を浮べる。
「・・・最近のあなた、変わった・・・前のあなたとは別人のように・・・」
彼を真っ直ぐに見つめる。
「何を言っているんだ。僕は何一つ変わっていない」
そう言うと、彼女は週刊誌を投げつける。
そこには彼とハリウッドの俳優とのスキャンダルが書かれていた。
「・・・君も僕の妻なら、耐えるべきだ・・・これはただの仕事だ・・・本気じゃない」
「仕事で好きでもない女を抱くというの!」
「あぁ・・・」
無表情に答える彼の言葉にステラの中の何かが崩れる。
ステラは何かを悟ったように窓を開け、バルコニ−に出た。
ここは48階建てのアパ−トで、彼らの住まいはその一番上の階だった。
「・・・ステラ・・・何を考えてる」
嫌な予感が彼の胸に走る。
「・・・ジョン・・・私の事、少しでも愛してくれた?」
哀しそうな笑顔とその言葉を残し、彼女はそこから飛び降りた。
「・・・ステラ!!!!」
そう叫び、目を覚ます。
心臓がバクバクと打ち、額には冷や汗を浮べていた。
彼はいつもこの夢で目を覚ます。
彼にとって、忘れられない過去・・・。
愛する人を失ってしまったという後悔が常に彼の心の中にあった。
「マヤ、遅れるわよ!」
知子の明るい声が響く。
「えっ・・・!」
愛にミルクをあげ終わると、慌てて自分の支度をする。
「えぇぇぇ−−−ん」
マヤが離れた途端に愛が泣き出す。
その声を聞いて、マヤが再び、駆け寄る。
「マヤ、愛の事は僕に任せて」
マヤよりも早く、ロバ−トが愛を抱き上げる。
「ほら、ロバ−トおじさんだよ。愛ちゃん」
ロバ−トはそう言い、ひょうきんな顔を浮べて愛をあやした。
「きゃははは」
機嫌よく愛が笑い出す。
愛はロバ−トのひょうきん顔がお気に入りだった。
「マヤ、支度は?」
呆然としているマヤに知子が声をかける。
「あっ、そうだ」
知子に言われて再びに自分の事に取り掛かる。
そんなマヤを知子とロバ−トは顔を見合わせてやれやれという感じで苦笑した。
まだ子供がいない二人にとってマヤは自分の娘のようだった。
6,7歳程しか彼らと彼女と年は違わないがマヤの幼い容姿や、危なっかしい日頃の行動にそう思わずにはいられないのだ。
「じゃあ、行ってきます。6時には戻って来ますから・・・えぇ−と、愛の事は・・・」
「 ベビ−シッタ−が来るまで僕が見ているよ」
ロバ−トが口にする。
彼の仕事は小説家だった。
そのせいかよく家にいるので原稿に追われていない時は快く愛の面倒を見ていた。
「ほら、マヤ遅刻するわよ」
知子が言う。
「あっ、はい。じゃあ、行ってきます」
二人に見送られてマヤは家を出た。
「・・・フフフ。本当に見ててほっとけないわね。マヤは」
知子が優しい瞳をして言う。
「君もそろそろ病院に行かなくていいのかい?」
ロバ−トの言葉に知子はハッとしたように時計を見た。
「あっ、私も遅刻しそう」
慌てて、上着とバックを持ち、ロバ−トの唇に軽くキスをする。
「じゃあ、いってきます」
「・・・やれやれ・・・知子もマヤとあんまり変わらないな」
閉まったドアを見つめ、腕の中の愛に呟く。
「今日は皆さんに”恋”というものを考えもらいます」
ハウザ−は教壇に立ち、俳優としての彼の表情で話す。
皆彼の言葉に真剣に聞き耳を立てた。
ガタンっ
ハウザ−が話していると小さな物音がする。
視線を向けると、後ろのドアからそ−っと入ってくるマヤの姿があった。
クスリと笑みを漏らす。
「ところで、日本の演劇界で幻の演目とされいてる”紅天女”という名前を皆さんは一度でも
聞いた事があると思いますが・・・その内容を知っていますか?」
そっと、空いている席につき、マヤはハウザ−から出た言葉に驚いた。
「私は幸運な事に一年半前、それを見る事ができました。あれこそは”恋”を現している舞台だと思いました」
視線をマヤの方にうつす。
「あの舞台の中には恋のときめき、切なさが詰まっていると思います。日本語があまりわからない私でも、その感情は
舞台上の俳優を通して伝わって来ました。演技とは心を伝えるものだと思います。言葉が理解できなくても、本物の舞台からは
感情が伝わってきます。私は皆さんにそんな俳優になってもらいたい」
ハウザ−の言葉に皆、心を打たれようだった。
もちろん、マヤも・・・。
講師としての彼は穏やかな口調で演じる事の意義を熱く説いた。
この人もお芝居が本当に好きなんだ・・・。
自分と近い思いを感じ、何だかマヤは嬉しくなる。
彼の講義は毎回席がなくなってしまう程、受講生で溢れている。
それは彼が有名な俳優という事以上に彼の語る言葉が本物だったからだ。
「ミス・キタジマ、あなたは恋についてどう思いますか?」
マヤの前に立ち止まり、言葉を向ける。
「・・・えっ・・・」
急に声をかけられてドキっとする。
「・・・よかったら、ここで、紅天女を演じてくれませんか?」
戸惑っているマヤにハウザ−が提案する。
「・・・皆さん、実はここに紅天女を演じた女優がいます」
マヤの返事も聞かないうちに皆に言う。
その言葉に教室中が驚きに包まれた。
「さあ、こちらへ」
マヤの手を取り、壇上に導く。
ハウザ−に手を握られ、落ち着かない気持ちになる。
「でも、あの・・・」
困惑した彼女にハウザ−はにっこりと笑って、耳打ちした。
「あなたの国の言葉で演じて下さい・・・あなたの想うままに」
その言葉にマヤの中の何かが演じてみたいと思わせた。
紅天女はマヤにとって、速水への想いが込められたものだった。
彼を忘れるまでは二度と演じるつもりはなかった。
でも・・・。
なぜか、今は演じたかった。
「・・・わかりました」
心を決めたようにそう言うと、彼女は阿古夜になった。
『年も身分もなく出会えば互いに惹かれあい、もう半分の自分を求めてやまぬという・・・』
ガラリと表情を変え、切ない表情を浮べる。
ハウザ−は日本で観た舞台を重ねた。
『はやくひとつになりたくて狂おしい程相手の魂を乞うるという・・・それが恋じゃと・・・』
セリフを口にする声には恋しさが募っているようだった。
『捨てて下され名前も過去も阿古夜だけのものになって下され・・・』
愛しくて仕方がないという思いを切に伝わったくる。
彼女の表情、仕草からは内に秘められた激しい恋心が伝わった。
教室中はシ−ンと静まり返り、彼女を見つめていた。
僅かなセリフに込められた思いを感じ、涙を流す者もいた。
彼女の演技が終わると、皆、拍手を送る。
マヤは驚いたようにその拍手を聞いていた。
私、やっぱりお芝居が好き・・・。
純粋にそんな想いが胸に広がる。
今演じた事で心の中にあった迷いが解けたよう気がした。
それはイギリスに来て、彼女が女優として初めて認められた瞬間だった。
「君の演技、本当に素晴らしかった」
講義が終わり、ハウザ−が言う。
「・・・いいえ」
照れたように俯く。
「でも、ハウザ−伯爵が紅天女を観て下さったなんて、以外です」
その言葉にハウザ−は真剣な表情を浮べる。
「・・・実は、僕は君をずっと探していたんだよ」
「えっ」
驚いたように彼を見る。
「君に演じてもらいたい台本がある」
突然の言葉に驚く。
「・・・でも、私・・・まだ、英語で演技できる程じゃないから・・・」
「あぁ。知ってる。それでも、君ならできると思うんだ。君の中にある芝居に対する情熱があるならね」
ハウザ−の言葉に熱い思いが滾る。
「・・・週末時間があるかい?」
「えっ・・」
「是非、僕に付き合ってもらいたい。都合が良かったら電話して」
そう言い、マヤに名刺を渡すと、ハウザ−はその場を後にした。
マヤの中に迷いがあった・・・。
はたして、これ以上ハウザ−と一緒にいていいのだろうか・・・。
予感がするのだ・・・。
きっと、悲しい結末が待っているという。
それでも、彼女は何かに惹かれるように気づくと電話していた。
彼ともっと話したい・・・。
そんな想いがいつの間にかあったのだった。
「週末、アメリア城に行くよ」
マネ−ジャ−のエリザベスに言う。
その言葉を聞いて、彼女は瞳を大きく見開いた。
「・・・城を見られるようにしといてくれ」
彼は何かを覚悟したように口にした。
「早めに帰ってくるんで・・・愛をお願いします・・・」
申し訳なさそうに知子とロバ−トに言う。
「いいのよ。ゆっくりして来て、あなたも偶にはのんびりとしたいでしょ。それに、私たち、愛を独占できて嬉しいわ」
知子の言葉にマヤは暖かさを感じた。
「じゃあ、行ってきます」
マヤはハウザ−との待ち合わせ場所に向かった。
「・・・ミス・キタジマ?」
見知らぬ女性に声をかけられる。
長身に肩にかかるブルネットの髪が印象的でだった。
「・・・はい。あなたは?」
「私はエリザベス・パ−カ−。ジョンの代わりにあなたを迎えに来たわ」
探るようにじっとマヤを見つめ、無表情に彼女はそう言った。
ロンドンから車で三時間マヤとエリザベスは一言も口を聞く事はなかった。
時折、運転席の彼女の横顔を見つめみるが、冷たい表情を浮べたままだった。
「・・・あの・・・」
無言の重圧に耐えられず、マヤが口にする。
「・・・あれがアメリア城よ」
マヤの言葉を無視するようにエリザベスが窓に映る。城を指した。
「アメリア城?」
不思議そうに口にする。
「あなたジョンにどこに連れて行ってもらうか聞いてなかったの?」
「・・・はい。ただ週末空けといて欲しいとしか・・・」
「・・・そう」
「ジョンが来るのはきっと夜になるわね」
城の中にマヤを案内しながら口にする。
「夜!私・・・そんなに遅くまでいられません」
エリザベスの言葉に驚いたように言う。
「あら?私はあなたの予定が大丈夫だと聞いていたけど・・・だって、週末は空けて置くように言われたのでしょ?」
マヤは週末と言われて、一日しか考えいなかった。
「日本人なのに時間に対して正確に把握できないのね」
その言葉にグサリと胸が刺さる。
「・・・とにかく・・私、そんなに遅くまでいられません」
「それは困ったわ。じゃあ、このままジョンに会わずに帰るの?」
冷たくマヤを見ながら言う。
エリザベスの言葉に胸に響く。
ハウザ−伯爵に会いたい・・・。
その想いがマヤに電話をさせた。
「あら?マヤどうしたの?」
知子が出る。
「あの・・・実は今日は泊まって行く事になってしまって・・・」
申し訳にさそうに言う。
「愛の事なら大丈夫よ。ゆっくりしてきなさい」
マヤを安心させるように言う。
「・・・すみません・・・」
「マヤ、どうしたの?何か元気がないみたいだけど」
いつもよりも沈んだ声の彼女が心配になる。
「・・・いえ、何でもないんです。愛の事宜しくお願いします」
そう言い、マヤは電話を切った。
「・・・はぁぁ・・・早く、ハウザ−伯爵来ないかな・・・」
「・・・ステラ・・・」
エリザベスは城のバルコニ−に出て、茜色に染まる空を見つめた。
「・・・あの・・・」
感傷に浸っていると、マヤが話し掛ける。
「・・・何かしら?」
冷たい表情に作り変え、振り向く。
「・・・私、やっぱりここにいます」
「・・・そう・・・」
気のない返事をする。
「・・・わぁぁぁ・・・」
エリザベスの後ろに見える壮大な夕陽に感嘆の声を漏らす。
純粋に喜ぶ彼女に親友のステラの顔が重なる。
ステラ・・・。
「綺麗・・・でも、少し、悲しそうな夕焼け・・・」
”悲しそうな夕焼けね・・・”
彼女の言葉にステラの言葉が重なる。
この子・・・・。
全く容姿は違うのに不思議とマヤを見ているとステラを思いおこさせた。
今までハウザ−が付き合って来た外見だけの女優とは違うと感じ彼女は牙をしまった。
「このお城はね・・・。よく、ジョンがステラと過ごした所なの」
ポツリと話し出すエリザベスがさっきまでとは違う表情を浮べる。
「・・・ステラさんって?」
「ジョンの奥さんよ」
奥さん・・・。
その言葉に何だか、ドキっとする。
「ハウザ−伯爵、結婚していたんですか」
「えぇ・・・子供もいたわ」
子供・・・。
その言葉にまた心の中の何かが痛みを感じる。
「でも、彼はどちらとも失った・・・」
悲しそうな瞳を浮かべる。
「えっ・・・」
驚いたようにエリサベスの言葉を待つ。
「・・・ここは寒いわ。中でお茶でもいかが?」
言葉を濁すようにそう言うと、エリザベスは城の中に入った。
「久しぶりだな・・・」
ハウザ−はアメリア城の近くにある墓地に出向いていた。
ここには彼の妻が眠っているのだ。
彼の妻ステラは静かなこの土地が好きだった。
城の側に埋めて欲しいというのは生前からの希望だったのだ。
花束をそっと、墓石の上に置き、彼女が逝ってしまってからの10年を想った。
「・・ステラ・・・君は今は幸せか?」
「そんなにステラの事聞きたい?」
マヤにミルクティ−を差し出しながらエリザベスが口開く。
「・・・時々、ハウザ−伯爵どこか遠くを見つめるような瞳を浮かべるんです。それがどうしてかなって・・・」
ミルクティ−を一口含む。
とても穏やかな味がした。
「・・・それに、エリザベスさんも悲しそう・・・」
じっと、エリザベスを見つめる。
「・・・ステラは親友だったの・・・そうね。あれはもう、10年前になるわ・・・」
エリザベスは静かに語り出した。
それはクリスマスも過ぎた日の事だった。
俳優として名前が売れ出した彼は連日のようにパ−ティ−にひっぱり出され、家には帰らなかった。
ステラは一人でアパ−トにいた。
クリスマス・ツリ−の飾りをしながら・・・。
彼女は信じていた。
彼の言葉を・・・。
”クリスマスには戻る”
それは三か月ぶりに聞く、夫の声だった。
ステラはずっと不安だった。
ハウザ−が有名になればなる程、彼女との距離が開くようで・・・。
最近では雑誌や、テレビでしか夫の顔を見なくなっていたのだ。
それも、女優とのスキャンダルで・・・。
ハウザ−は鷹をくくっていた。
ステラならきっとわかってくれると・・・。
だから、派手に女優と遊んでいた。
これも自分が大きな役を掴む為だと・・。
世界中を飛び回るハウザ−は家に帰るのは2、3ヶ月に1回あればいい方だった。
ステラの中の不安は日々大きくなっていった。
でも、それでも必死に耐えていた。
彼を誰よりも愛していたから・・・。
しかし・・・。
ハウザ−は約束したクリスマスの日には帰らなかった。
それでも彼女は一人、彼の帰りを待っていた。
そして・・・。
彼が戻ったのはクリスマスも過ぎた12月30日だった。
そして、彼女は全てに絶望してアパ−トから飛び降りた。
即死だった。
お腹にはハウザ−との子供がいた。
ハウザ−は収容された病院でその事実を知った。
「・・・ステラは耐えられなかったのよ。彼のスキャンダルに・・・。それに、愛しすぎる程、彼を愛していた。
誰よりも純粋だった・・・。彼に愛される事が彼女にとっては全てだった・・・」
エリザベスの言葉にマヤは涙を浮べた。
「マヤ!よく来てくれた!!」
城につくと、マヤの姿を見つけ、ハウザ−が嬉しそうに言う。
「・・・ハウザ−伯爵・・・」
彼の姿を見て途端マヤの顔が輝く。
「リズと一緒だとさぞかし、嫌味を言われたんじゃないか?」
ハウザ−の言葉にエリザベスとマヤは顔を見合わせて笑った。
どうやら、もうすっかり仲良くなったようだ。
以外な反応にハウザ−は驚いた。
いつもハウザ−が招待する女性ゲストにはいい顔のしないエリザベスがマヤの時だけは違ったのだ。
「さんざん嫌味言ったけど、彼女には通じないみたい」
クスリと笑いながら言う。
「だって、嫌味に聞こえなかったわよ」
エリザベスにくったくのない笑顔を浮かべながらマヤが言う。
「・・・何か不思議なものを見た気分だ・・・」
それから3人はディナ−を楽しくとった。
「マヤ、君にやってもらいたい芝居とはこの台本なんだ」
食後リビングで寛いでいると、ハウザ−がマヤに台本を見せた。
中をちらりと見ると・・・もちろん、全て英語だった。
ウエッというような顔をした彼女にハウザ−は可笑しそうに笑った。
「この台本はね。僕の妻が書いたんだ」
マヤが眉間に皺を寄せて、台本を眺めていると、ハウザ−が何かを思い出すように言う。
「・・・ステラさんね。さっき、リズに少し聞いたわ。脚本家だったって」
「・・・ステラは純粋な女性だった・・・。嫌、純粋過ぎたんだ・・・」
どこかを悲しそうに見つめる。
「・・あの、亡くなたって・・・リズさんから・・・・・・」
遠慮気味に言う。
「・・・僕はね。酷い夫だったんだよ」
一瞬の沈黙を置いて、ハウザ−は静かに口にする。
「・・・愛した人なのに・・・いつの間にか、彼女の方を見なくなっていた」
瞳を細め、宙を見つめる。
「ステラが僕に残したのはこの台本だった。だから、どうしても舞台として上演したいんだ・・・。彼女が望んでいた事だから・・・」
マヤをじっと見つめる。
「君をこの城に招待したのは、ステラが愛した場所だからだ。彼女はここでよく脚本を書いていたんだ。その台本もここで書いていた」
マヤはハウザ−の言葉の一つ一つにステラへの愛を感じた。
「・・・頼む。じっくりと考えてみてくれ」
・・・ハウザ−伯爵・・・。
ハウザ−の想いの中にマヤは月影を思い出した。
尾崎一蓮の想いを繋げる為にその人生をかけて、後継者を探した出した。
「・・・ハウザ−伯爵・・・私、やります」
マヤは彼の瞳をじっと見つめ告げた。