DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.

TITLE:ある夜の出来事
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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 夜中に突然、僕の部屋のドアを叩く音がした。
僕はカウチから起き上がり、部屋の電気をつけた。
そして、おもむろにドアを開けた。
「ハーイ」
ドアの外にはずぶ濡れになった僕の相棒が立っていた。
「・・・スカリー、どうしたんだ?」
「・・・その、いろいろあって・・・」
スカリーは今にも泣き出しそうな表情で僕を見た。
「・・・スカリー」
僕は彼女の頬にそっと触れた。
彼女の頬は氷のように冷たかった。
「・・・まあ、とにかく中に入って」
僕はスカリーを部屋の中に入れた。

******

「スカリー、着替えはここに置いておくから」
バスルームにいる彼女に僕は声をかけた。
「ありがとう。モルダー」
「どういたしまして」
僕はいつもの調子でそう言うと、リビングに行こうした。
「モルダー」
彼女が呼び止めた。
「何だい?」
「・・・一緒に入る?気持ちいいわよ」
僕は彼女の言葉に我が耳を疑わずにはいられなかった。
「やあね、ジョークよ、本気にした?」
僕が返事に困って黙っていると、スカリーは悪戯っぽく言
った。
「少しね、頼むから人をドキッとさせるような事言わない
でくれる」
僕は何とか冗談にして、足早にリビングに向かった。

******

今夜のスカリーはいつもの冷静沈着な彼女とはかなり違い、
不安定で、妙にセクシーだった。
僕はどうするべきか、彼女がシャワーを浴びている内に
案を練っていた。
「・・・そうだよな、やっぱり今夜は彼女を自宅まで
送って、何があったかは明日聞くべきだよな」
僕は自分の理性が生きている内に、彼女を僕から離す方法
を考えた。
「何ブツブツ言ってるの?」
スカリーの声がした。
「えっ、いや、その・・・って、スカリー、その格好は?」
僕はスカリーの方を向いて、目を丸くした。
彼女は僕が貸したジーパンははかずに、僕のTシャツ一枚
を着ているだけだった。
僕の理性はあまりにも色っぽすぎるスカリーの姿に限界点
を越えそうになった。
「何って、あなたに借りた着替えじゃない、ああ〜、喉乾
いたな、ビールか何かある?」
「ああ、冷蔵庫に」
僕の言葉を聞くと、彼女はキッチンに行き、冷蔵庫の中
から、ビールを取り出した。
「ねえ、あなたも飲む?」
「えっ、いや、僕はいいよ」
「あっそう」
そう言って、彼女は缶ビール片手に、僕の隣に座った。
いつもなら、何でもない事なのに、今夜は彼女の隣に
いるだけで妙にドキドキした。
「・・・それで、何があったんだい?」
僕は自分の理性を抑えるため、話を切り出した。
「・・・さあ、何かしら?当ててみて」
彼女は僕の耳元で囁き、僕を見つめた。
僕は体中が一気に熱くなるのを感じた。
「・・・と、とにかく、今夜はもう遅いから、この話は明
日に・・・」
と僕が言いかけた時、彼女は僕の肩の上に頭を乗せた。
「・・・ス、スカリー?」
彼女の方を見ると、彼女は微かな寝息をたてていた。
「・・・眠ったのか」
僕はそおっと彼女をカウチから抱きあげ、ベットルームへ
と運び、彼女をベットに寝かせた。
そして僕がベットから離れようとした時、僕のTシャツの
裾を何かが引っ張った。
振り向くと、スカリーが僕のTシャツを掴んでいた。
「・・・モルダー、もし私が今夜あなたに抱いてもらいた
いって言ったら・・・どうする?」
スカリーは瞳を開け、僕を見つめた。
彼女のその言葉は冗談とも、本気だともとれるものだった。
「・・・君は僕にどう答えて欲しいんだい?」
僕は冷静を何とか装って言った。
僕の言葉を聞くと、彼女は僕の首に腕を絡ませた。
「・・・抱いて」
彼女の囁きとともに、僕の中の理性は崩れかけた。
「なんてね、あなたのその表情が見たかったの」
そう言って、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
僕は彼女の言葉を聞いて、一気に体中の力が抜けた。
「・・・だよな、君が本気で僕を誘うはずないよな」
僕はそう言って、何て事なかったように笑った。
内心は残念なのか、ホッとしているのか、とにかく僕の
心の中は焦りと、戸惑いでグチャグチャだった。
「それじゃあ、おやすみ、スカリー」
僕は彼女の額にキスをすると、ベットルームから出た。

******

ベットルームに彼女がいる・・・そう思うと、僕は中々眠
りに付く事ができなかった。
その夜、僕は狭いカウチの上で、幾度も寝返りをうった。
そして、微かに朝日が見え出した頃、ベットルームの扉
が開く音がした。
僕はその音にドキッとして、思わず瞳を強く閉じた。
耳を澄ませていると、リビングからキッチンへと行く、彼
女の足音がした。そしてキッチンの前で止まると、次に水
道の蛇口をひねる音と水が流れ、ガラスのコツプに注がれ
る音がした。
僕は彼女が水を飲んでいる姿を想像した。
ガラスの透明なコップの口が彼女の魅力的な唇に触れ、
水が彼女の喉を通り、白い喉がそれに反応し、揺れている
姿。飲み終わった後の欲求に満たされ、満足感に浸る
彼女の表情。
それらは僕の頭の中で何度も何度も、再生された。
そしてその想像は僕を悩ませる程、魅力的で、僕の体は
熱く疼いた。
「・・・いかん、気を沈めねば・・・」
僕は自分の心にそう強く、強く言い聞かせた。
ミシッ!
床のきしむ音が僕の側でした。
どうやら、水を飲み終わった彼女が、僕の前で立ち止まっ
ているようだった。
僕の心臓は早鐘のように鳴り響いた。
そっと僕の髪に触れる彼女の手の感触がした。
滑るように優しく動く彼女の手は僕の心をかき乱した。
そして、ついに僕の中の何かが切れ、僕は彼女をカウチに
押し倒した。
彼女は瞳を大きく見開いて、僕を見つめた。
僕は何も言わずに彼女を見つめた。
お互いの視線が相手の心の中を探るように絡み合った。
そして、緊迫したムードが僕らを包んだ。
喉の奥はカラカラになり、額には冷や汗をかいていた。
まるで初めて女を抱くような、焦りと不安で、僕は彼女を
見つめたまま動けなかった。
そして僕の中にずっとあった不安が、彼女を抱くことを
ためらわせた。
本当にこのまま彼女を抱いてしまっていいんだろうか?
彼女は僕のパートナーだぞ。
親友だぞ。
・・・しかし、僕の愛する人だ。
まだ気持ちも伝えていないのに・・・こんな形で僕たちの
関係を壊したくない。
しかし・・・。
僕が迷っていると、彼女は笑みを浮かべた。
その笑みはどこか虚ろで、悲しそうだった。
「やっぱりね、あなたに今の私たちの関係を壊す勇気は
ないみたい・・・」
そう言って、彼女は僕の腕から抜け、カウチから起き上が
った。
「・・・スカリー」
「おやすみなさい、モルダー」
そう言って彼女はカウチから立ち上がってベットルームへ
行こうとした。
僕は衝動的に彼女の手を取り、自分の方に向けさせた。
「・・・君は僕の気持ちを知っているのか?」
彼女は驚いたように、カウチに座っている僕を見下ろした。
「君を愛してる。だから君との関係を大切にしたいんだ」
僕はゆっくりと立ち上がった。
彼女は瞳を微かに潤ませ、穏やかな笑みを浮かべた。
「・・・その言葉が聞きたかった」
「・・・スカリー」
僕は彼女の頬に触れ、流れる涙を拭った。
そして、僕たちはどちらからともなく、自然に唇を合わせ
た。

***XF課***

「モルダー、モルダー!!」
突然、僕の耳元に大きな声が入ってきた。
僕は驚いて瞳を開けた。
そこには仁王立ちで、僕を見下ろしている、相棒がいた。
「・・・やあ、スカリー」
僕は苦笑いを浮かべた。
「随分と、気持ちよさそうに眠っていたわね、という事は
スキナーに出す報告書は完壁に仕上がったという事かしら」
彼女は皮肉っぽく眉を上げた。
「・・・えっ、いや、その、ハハハハハハ」
僕は笑って誤魔化した。
僕の態度を見ると、呆れたように彼女はため息をつき、
僕の机の上からファイルを取り出し、PCに向かった。
そして、僕に小言を言いながら、鮮やかなキーさばきで
彼女は報告書に取り掛かった。
「・・・ところで、モルダー、何の夢見てたの?」
「えっ」
僕は彼女の質問にドキッとした。
「あなた幸せそうにニヤついてたわよ、それに寝言で私
の名前まで言ってたわ」
「・・・さあて、どんな夢だったかな」
僕は白々しくそう言い、夢の中の彼女を思い出した。
「なあに、その笑みは?」
僕の方を向いて彼女が言った。
「別に・・・」
そう呟いて、僕は報告書の続きに取り掛かった。




                      THE END

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