DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.

TITLE:ある昼の出来事
SPOILOR:none
AUTHOR:cat


前書き『ある夜の出来事』スカリーバージョンですので、
先に『ある夜の出来事』を読んでからこちらをお読み頂く
ことをお勧めします。
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 「う〜ん、スカリ〜」


私がラボから戻ってくると、相棒はしまりのない、
ニヤケた寝顔を浮かべていた。
「何が、スカリ〜よ!」
私は気持ちよさそうに眠っている相棒に心底腹が立った。
「モルダー、モルダー!!」
「・・・う〜ん」
彼は私の呼び声をムシして寝返りをうった。
「・・・モルダー、モルダー!!!」
私は怯まず、さらに大きな声で、彼の名前を呼んだ。
「・・・う〜ん、スカリ〜」
そう言って、彼は突然、立ち上がり、机を挟んで私に
抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと、モルダー!!!」
私は思い掛けない彼の行動に戸惑った。
しかし、モルダーの意識はまだ夢の中だった。
彼はあろう事か、私に寄り掛かったまま、再び眠って
しまったのである。
当然意識のない彼の体重は私にズシンと、のしかかってき
た。
「うっ、重い・・・」
私は健気にも何とか彼を支えていた。
「もう、起きて!!起きてってば!!!」
私の必死の要求と裏腹に彼は眠り続けた。


「失礼します・・・あっ!?」
そう言ってオフィスに誰かが入ってきた。
私はモルダーに寄り掛かられたまま、首だけを何とか
ドアの方に向けた。
「・・・何かお邪魔だったみたいですね」
そう言ってオフィスに入ってきた捜査官はバツの悪そうな
笑みを浮かべた。
「えっ、お邪魔って・・・?」
「また後で来ます。失礼しました」
「あの、ちょっと・・・」
私が呼び止めるのも聞かずに、捜査官はそそくさと出て
行ってしまった。
どうやらその捜査官は、私とモルダーが熱い抱擁をしてい
る最中だと、勘違いしたらしいという事に、捜査官が出て
行った1分後に私は気づいた。
「・・・まずいわ、このままだと、ここに来る人全員に
勘違いされてしまう・・・挙げ句のはてにはスプーキー夫
妻オフィスで熱愛中なんていう噂までも・・・」
私は最悪の事態を考え、自分が今かなり危ない状況に
置かれている事を認識した。
「・・・とにかく、彼から離れなくては」
私はまず、私の首にしっかりと巻き付いている彼の腕を
外すことにした。
「ええい、外れろ・・・もう何でこんなにしっかり絡み
ついているのよ!」
しかし、彼の腕は私の必死な奮闘をビクともせず、しっか
りと私の首に絡みについていた。
「もう、何なのよ!人に抱きついたまま眠るなんて・・・
・・・抱きついたまま」
私は自分の言葉に、初めて自分が今、彼とかなり密着
した距離にいる事を意識した。


いつもより近くにある彼の愛らしい仔犬顔。
長いまつ毛。
形の良い唇。
ブラウン色の髪。
以外にたくましい胸板。
私はそれらをじっと見つめ、改めて、彼を男性として
意識した。
そして、私は何かに惹かれるようにして、彼の頬に触れた。
その時、彼が突然、瞳を開き、私を見つめた。
私の胸は大きく高鳴り、体中の血液の流れが早く
なっていくのを感じた。
私はどうしたらいいかわからず、ただ彼を見つめていた。
「・・・君は僕の気持ちを知っているのか?」
彼はそう言って、いつもとは違う真剣な眼差しで私を
見つめた。
「えっ!?」
私は彼の突然の言葉に、胸の奥が熱くなった。
「君を愛している。だから君との関係を大切にしたいんだ」
「・・・モルダー」
私は彼の言葉に驚き、瞳を大きく見開いた。
私が呆然と、彼を見つめていると、彼の顔が近づいてきた。
私は彼に答えるように、瞳を閉じた。
しかし、彼の唇が私の唇に触れる事はなかった。
どうしたのかと思い、薄っらと目を開けて見ると、
彼はナント・・・眠っていた。
それもかなり幸せそうに。
「・・・バカ」
私は一気に力が抜けた。
そして、なぜかホッとしていた。
「モルダー、そういう事は起きている時に言ってよ。
もう、眠っているだけでこんなに私を動揺させたのは
あなたが初めてよ・・・」
私はそう言って、彼の頬に軽くキスをした。


「スカリー・・・何をしているのかね?」
「えっ」
突然オフィスの入り口の方から声がした。
私は驚いて、首を後ろに向けた。
すると、そこには唖然と私を見ているスキナーがいた。
急に私は何だか恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
「いや・・・その、モルダーが」
「何だか邪魔したようだな」
そう言って、スキナーはオフィスから出て行こうとした。
「ま、待ってーーー!!」
私は大きな声でスキナーを引き留めた。
スキナーは驚いて私の方を見た。
「・・・な、何だね」
「あの、その・・・モルダーから離してくれません?」
「えっ」
スキナーは眉を微かに上げて、不思議そうに私を見た。


******


「ありがとうございました」
ようやくモルダーから離れる事ができた私はスキナーに
言った。
「・・・ああ、しかし、こうも眠りに深く入って
いる奴は初めてみたよ」
スキナーは呆れたようにモルダーを見た。
「・・・ここ2週間、捜査で眠っていませんでしたから」
私は何とかフォローした。
「・・・モルダーが起きたら、私の所に来るように伝え
といてくれ」
そう言い残して、スキナーはオフィスから出て行った。


「もう、本当にいつまで寝てるつもりかしら・・・」
私はため息をついて、彼を見た。
「・・・あっ、そうだ」
私はモルダーの安らかな寝顔を見て、ある悪戯を思い
ついた。
「モルダー、私を動揺させた罪は償ってもらうわよ」
そう呟いて、私は鞄から道具を取り出した。


******


「モルダー、モルダー!!」
私は悪戯が完了すると、ありったけの大きな声で彼を
呼んだ。
「・・・やあ、スカリー」
やっと起きた彼は苦笑いを浮かべた。
「随分と気持ちよさそうに眠っていたわね、という事は
スキナーに出す報告書は完壁に仕上がったという事かしら」
私は何事もなかったように、いつもの皮肉を彼に言った。
「えっ、いや、その・・・ハハハハハ」
彼は私の予想通り、笑って誤魔化した。
私はオーバーにため息をついて、渋々彼の報告書に
取り掛かるフリをして、PCに向かった。
本当は彼に私の笑みを悟られないためである。
予想以上に私が彼にした”悪戯”は似合いすぎて、私の
表情は崩れそうになった。


「ところで、モルダー、何の夢見てたの?」
私はふと、頭に浮かんだ疑問を口にした。
「えっ」
彼は明らかに動揺していた。
「あなた幸せそうにニヤついていたわよ、それに寝言
で私の名前まで言ってたわ」
彼の滅多に見せない、動揺した表情がもっと見たくて、
私はわざと言った。
「さあて、どんな夢だったかな」
彼は白々しくそう言い、意味ありげな笑みを浮かべた。
「なあに、その笑みは?」
私はキーボードを打つ手を止め、彼の方を向いた。
「別に・・・」
そう言って、彼は書類を書きはじめた。
「あっ、そうだ、モルダー、スキナーが呼んでいたわよ」
「えっ、わかった」
そう言うと、彼は書類を書く手を止め、席を立った。
「モルダー、スキナーの所に行くなら、その寝ボケた顔を
何とかしていった方がいいわよ」
私は笑いわ何とか堪えながら言った。
「えっ、ああ、そうだな」
彼はそう言って、オフィスを出た。



「・・・・・・キャハハハハハハハハハハ!!!」
私は彼がいなくなると、抑えていた笑いを一気に爆発
させた。


******


僕はスカリーの忠告通り、寝ボケた顔を直そうと思いトイ
レに行った。
そして、顔を洗おうと、鏡を覗き込んだ時、我が目を
疑った。
「誰だ、これ」
鏡の中の僕は、まるで女のようだった。
「・・・やられた」
僕はそう呟き、鏡の中の妙に綺麗な自分を呆然と見つめた。




                      THE END

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