The characters and situations of the television program "The X-files"are
thecreation andproperty of Chris Carter,Fox Broadcasting and Ten-Thirteen productions,No copyright
infringement is intended

TITLE:Warmth
AUTHOR:cat



◆◆◆XF課◆◆◆

「はぁ〜、疲れた・・・」
捜査を終えた僕は報告書作成のため終業時間を大幅に過ぎて、オフィスに戻った。

「・・・うん?スカリー・・・?」

僕の席でファイルを握りしめたまま眠っている彼女がいた。
無防備な寝顔に思わず笑みがこぼれる。

「・・・スカリー・・・風邪ひくぞ・・・」
そっと柔らかい赤毛に触れてみる。

「・・・う〜ん・・・」
悩ましいため息が漏れた。

「・・・しょうがないなぁ・・・」
起きる様子の全くない彼女に、僕の上着とコートをかけ、僕は彼女がいつも使っている
デスクで報告書作成にとりかかる事にした。



◆◆◆◆◆◆

「・・・ごめんなさい・・・」

報告書を半分仕上げた所で彼女の声が聞こえた。

「・・・うん?スカリー?」
驚いて僕の席で眠っている彼女の方を見た。
「・・・ごめんなさい・・・」
彼女は起きている様子はなかった。
「・・・スカリー?」
彼女に近づいて見ると、その寝顔には涙が浮かんでいた。
「・・・スカリー・・・」
そっと頬に残る涙に触れた。

パサッ

次の瞬間、彼女が抱きかかえていたファイルが床に落ちた。
拾い上げてファイルの中を見た。
その時、僕はハッとした。

「・・・ごめんなさい・・・エミリ―・・・」
そのファイルはエミリ―の事件のものだった。
幼くして亡くした彼女の娘。
たった数日しか彼女たちは過ごせなかったけど・・・。
親子の絆は時間なのではない事を僕は改めて認識させられた。

「・・・スカリ―・・・君は・・・」
そういえばここ数日の彼女は何だか様子がおかしかった。
「・・・エミリ―・・・救えなくて・・・ごめんなさい・・・」
閉じられた瞳から流れ出す幾筋もの涙。
辛い夢でも見ているのだろうか・・・?
時おり苦痛に歪む寝顔。
こんな時、自分は彼女に何もしてやれないと痛感する。
「・・・スカリ―・・・」
眠っている彼女の背中を抱きしめた。
少しでも彼女の悲しみが減るように・・・。
僕の中にも彼女の悲しみが流れ込むように・・・。
ただ、ただ、抱きしめていた。


◆◆◆◆◆◆


毎年、クリスマスが近づく頃、エミリーの夢を見る。
何もしてやれなかった。
私の唯一人の娘。
夢の中の彼女はいつも私に助けを求めていた。
”マミー、助けて”と懸命に小さな手を伸ばして・・・。
後一歩という所でいつも彼女は消えてしまう・・・。
そして、その後には彼女を救えなかった事への言い知れない無力感で一杯になる。

でも、今日は違った。
エミリーは私に言ってくれた。
”悲しまないで”とそう告げ、鮮やかな笑顔を私に残し、彼女は天に昇って行った。

「・・・エミリー・・・」
意識を現実に戻すと、背中に人の温もりを感じた。
とても暖かく、心地よかった。
「・・・やあ、おはよう」
後ろを向くとモルダーがいた。
「・・・モルダー・・・私・・・」
「帰ろう。スカリー」
私が何か言いかけると彼はそう言い、優しく笑った。
その笑顔に私の心の中は彼の暖かさで一杯になった。

ありがとう。モルダー。


                                          THE END

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