DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.

TITLE:エマ
SPOILOR:Traveler
AUTHOR:cat
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スカリー、君は僕のことをどう思っただろうか?
君にエレンの話をして以来、君の態度はどこか僕によそよそしくなってしまった。
君のその反応を、僕はどうとればいい?


***モルダーの部屋***

「フォックス、どうしたの?」
僕がカウチに座って、考え事をしているとエマの声がした。エマが僕のところに
来て、一週間が経っていた。
「別に、何でもないよ」
「嘘、何でもないって顔じゃなかった」
エマは昔から、僕が悩みを抱えてると、すぐに言い当てた。
「あの人のこと考えてたの?」
僕はエマの一言にドキッとした。
「あの人って、誰だい?」
「スカリーさんの事に決まっているじゃない、彼女のこと
が好きなんでしょう?」
「ああ、好きだよ、彼女は僕の大切な親友だからね」
「嘘!エレンを愛したように、愛してるんでしょ?
あの人がエレンと・・・」
そこまで言うと、エマは涙で声を詰まらせた。
「エマ、どうしたんだ、いつものエマらしくないよ」
僕は肩を上げて、泣いているエマを抱き締めた。
「エマ、例え僕が誰かを愛しても、エレンを愛したことは
忘れることはないんだよ」
僕はエマの頬にキスをした。
「じゃあフォックスは、今でもエレンを愛してるの?」
「もちろんさ、エマだってエレンを愛しているだろう?」
エレンはしばらく僕を見つめると、口を開いた。
「フォックス、私を愛してる?」
「あたりまえだよ、エマは僕の愛しい娘なんだから」
僕の言葉を聞くと、エマは安心したように僕の胸に
顔をうずめた。


***XF課***

「あの、モルダー捜査官はいますか?」
スカリーが書類にとりかかっていると、見知らぬ女性
がオフィスに立っていた。
「モルダーでしたら、出てますが」
スカリーがそう言うと、その女性は驚いた表情でスカリー
を見つめていた。
「あの、どうかなさいました?」
「いいえ、その、知人にあなたがよく似てらっしゃるから」
「そうですか。モルダーなら後30分もすれば戻って
くると思いますよ、それまでどうぞ掛けてお待ち下さい」
スカリーはその女性に来客用の椅子をすすめた。
「あの、お名前を伺ってもいいですか?」
さっきから、自分の顔を懐かしそうに見つめている女性が
気になり、スカリーは口を開いた。
「ミシェル・セイナーです」
スカリーはその名を聞いた時、ハッとした。
「もしかして、エマの伯母さんですか?」
「ええ、そうです、エマに会ったんですか?」
「ええ、とてもしっかりとしたお子さんですよね、エマは」
「あの子は両親に一度も会えないままに育ったから、だから普通の子より大人び
ているところがあるんです」
ミシェルが心配そうな表情を浮かべて言った。
「えっ!?両親に会えないって・・・モルダーは父親
ではないんですか?」
「あら、私ったら、つい余計な事を、ごめんなさい。
今の話は忘れて下さい」
ミシェルは我に返ったように言った。
「やあ、ミシェルじゃないか」
モルダーがオフィスに戻ってきた。
「久しぶり、フォックス、エマの様子を聞こうと思って、
こっちに来たついでに寄ったの」
「エマなら元気だよ、会っていくかい?」
「いいえ、そうしたいけど、すぐにニューヨーク
に戻らないといけないの、それじゃあね」
ミシェルはそれだけ言うと、オフィスを出た。
「彼女、何しにきたんだろう?」
あまりにもそっけない態度で帰ったミシェルに、
モルダーは首をかしげた。
「モルダー、ちょっと出てくるわ、用事を思い出したの」
スカリーはそれだけ言うと、慌てて、オフィスを出た。

******

スカリーはミシェルの言葉が気になり、彼女を追いかけた。
「セイナーさん!!」
スカリーはエントラスにいるミシェルに追いついた。
「どうしたんです、えーと」
「スカリーです、ダナ・スカリー、あなたにエマの事
で聞きたいことがあるんです」
スカリーの真剣な表情に、ミシェルは圧倒されていた。
***スカリーの部屋***
スカリーはミシェルから真実を聞くと局には戻らず、自分のアパートに帰り、何
時間も呆然としていた。
トントントン・・・。
ドアを叩く音がして、スカリーは我に返った。
「はい」
ドアを開けるとエマが立っていた。
「こんばんわ、スカリーさん」
「どうしたの?エマ、モルダーも一緒なの?」
「いいえ、一人できました、あなたにお話があるんです。
中に入れてくれませんか?」
エマは思い詰めたような表情で言った。
「ええ、どうぞ」
スカリーはエマを部屋に入れた。
「何か飲む?紅茶かコーヒーしかないけど・・・」
スカリーはエマをソファーに座らせると、キッチンに
行き、お茶の用意を始めた。
エマは何も言わず、スカリーが来るのを待っていた。
「おまたせ」
スカリーはそう言って紅茶を出した。
「それで、私に話って何?」
しばらくの沈黙の後、エマはゆっくりと口を開いた。
「フォックスを好きにならないで下さい」
「えっ!?」
スカリーはエマの以外な言葉に驚いた。
「フォックスがあなたに惹かれているとしても、それは
あなたとある人を重ねて見ているからです」
スカリーは暫く黙って、エマを見つめた。
「だから、フォックスを好きにならないで下さい」
エマの瞳からは切実な思いが伝わってきていた。
「エマ、ある人って、エレンの事?」
スカリーは優しく静かに口を開いた。
「今日、あなたの叔母さんに会ったの。エレンと私は
髪の色を除けば、双子のようにそっくりだと言われたわ」
エレンは驚いてスカリーを見た。
「知っているんだったら、フォックスを絶対好きになら
ないで下さい」
エレンの言葉を聞くと、スカリーは優しく笑った。
「エマ、私とモルダーはそんな関係じゃないわ、だから
安心して」
「嘘よ!フォックスがあなたを見る時の目は、エレンの事
を話している時の目と同じだった・・・」
エレンは今にも泣きそうな顔をしていた。
「エレン・・・」
スカリーは何て言っていいのかわからず、黙っていた。
「私からフォックスをとらないで!!」
エマはそう叫ぶと泣き崩れた。
スカリーはエマのとなりに座って、優しくエマを抱き締めた。
「エマ、私はあなたからモルダーをとったりは
しないわ」
スカリーは優しく囁いた。


***モルダーの部屋***

Trrrrr・・・。
モルダーが部屋に帰ってくると、電話が鳴っていた。
「はい、モルダー」
「私よ、モルダー」
「スカリー、どうしたんだい?あれから戻ってこなくて」
「ごめんなさい、ちょっと一人になって考えたい事が
あって・・・」
「そうか。それで何かあったのかい?」
「エマが家に来てるの」
「えっ!?君のところに行ってたのか、よかった、
帰ったらエマがいなかったから、探してたところだよ」
「ごめんなさい、もっと早く知らせればよかったん
だけど・・・」
「いや、教えてくれてありがとう、助かったよ、
それじゃあ今から迎えに行くから・・・」
「いえ、その・・・エマ眠っちゃったから、今日は家に
泊めたいんだけど、いいかしら?」
「君が迷惑じゃないなら、構わないけど・・・」
「本当、よかった、それじゃあ明日の朝送るから」
それだけ言うとスカリーは電話を切った。


***スカリーの部屋***

スカリーはベットの上で眠っているエマを見つめた。
寝顔はあどけなく、どんなにしっかりしていても、まだ9歳の少女だという事に
、スカリーは切なさを感じていた。
スカリーはふいに、昼間ミシェルから聞いた話を思い
出していた。

******

「えっ、エマはモルダーが実の父親ではないことを
知っているんですか?」
「ええ、いつ知ったのかは知りませんが・・・、実は
そのことでエマと口論になってしまって・・・」
ミシェルは苦悩に満ちた表情を浮かべた。
「モルダーはエマが気づいていることを知って
いるんですか?」
「いいえ、多分、知らないと思います。そのことを
伝えようと思ったんですけど・・・フォックスの顔を
見ると言い出せなくて」
「そうですか・・・」
「スカリーさん、実はフォックスには黙っていたん
ですけど・・・、あの子、特別な力があるんです」
暫くの沈黙の後、エレンが思い詰めたように言った。
「どういうことです?」
「信じられない話なんですけど、エマは人の心を見る
ことができるんです、そのせいでエマは私とフォックス
にしか心を開かないんです」
スカリーにはミシェルの言葉が信じられなかった。
「いつも人の心を見れるんですか?」
「いいえ、いつもという訳ではありませんが、眠って
いる時に夢として表れるそうなんです」
スカリーは何と言ったらいいかわからず、ただ、ただ
呆然としていた。
「このことはフォックスには内緒にしといて下さい。
エマから口止めされてるので・・・」
「ええ、モルダーには言いません」
スカリーはモルダーに言ったら大変な事になるのは
わかっていたので、エマが口止めした理由もわかる気
がして、エマの賢さに感心した。

******

エマ、今、私の心を見ているのかしら。
スカリーは眠っているエマのブラウンの髪を、優しく
撫でた。
エマ、私はあなたからモルダーを奪うつもりはないのよ。
でも、モルダーの事を愛してるわ。
エレンがモルダーを愛したように。
ごめんね、エマ、モルダーを好きになって。
自分でも知らないうちに好きになっていたの。
ごめんね、エマ、モルダーをあなたから奪ったりは
しないから、モルダーを好きでいることを許して。
モルダーの側にいることを許して。
この気持ちだけはとめられないの。
私を嫌うあなたの気持ち、よくわかるわ。
本当に、ごめんなさい、エマ。

******

トントントン・・・。
スカリーがソファーで寝ていると、激しくドアを叩く
音がした。
「やあ、スカリー、エマを迎えにきたよ」
ドアを開けると予想どおり、モルダーが立っていた。
「私が送ろうと思っていたのに、多分エマまだ寝て
いると思うわよ」
「そうか、ちょっと早く来すぎたかな・・・、出直して
くるよ」
そう言ってモルダーは帰ろうとした。
「待って、エマが起きるまで一緒に朝食でもどう?
今日は土曜日で、お休みなんだし、ゆっくりしていけば」
「そうだな、丁度お腹すいてたし」
「じゃあ、決まりね」
スカリーはモルダーを部屋に入れた。

******

「ねえ、モルダー、ミシェルから聞いたわ」
食後のコーヒーをリビングでとりながら、スカリーは
口を開いた。
「何をだい?」
「エマがミシェルと口論になった理由よ」
スカリーの言葉を聞くと、モルダーは真剣な表情でスカリーを見つめた。
「僕がエマの本当の父親ではないってことに、エマが気づいていたことかい?」
スカリーは驚いてモルダーを見つめた。
「知っていたの?」
「この間のミシェルの態度が変だったから、電話で
問いつめたんだ」
「そう・・・」
「エマは6歳まで、僕のことをダディって呼んで
いたんだよ・・・、でもある日突然、僕をフォックスって
呼ぶようになった」
「あなた、気づいていたの?」
「あぁ、薄々だけど、これでも一応心理学が僕の専門
だからね」
「エマの父親は誰なの?」
「エレンの亡くなった婚約者だよ」
「えっ、それって、じゃあ、あなたとエレンが出会った時、もうエマはエレンの
お腹の中にいたの?」
「ああ、いたよ。だからエレンは僕ではなくて、姉の
ミシェルにエマを頼み、僕には離婚届けを残したんだ」
「モルダー・・・」
スカリーは何と言って声を掛ければいいかわからなかった。
「僕はね、例えエマと血が繋がっていなくても、エマが
かわいくて仕方がないんだよ、エマを娘として愛して
いるんだ」
そう言ったモルダーの瞳は、父親のように暖かく、優しい
光が宿っていた。
「モルダー、エマもきっと同じことを思っているわ」
スカリーの言葉を聞いて、モルダーは優しく笑った。
「さてと、そろそろお姫様を起こしてきますか」
モルダーはそう言って寝室に行った。

******

「スカリー、エマがいない!?」
「えっ、そんな、出て行った形跡はなかったのに」
スカリーがモルダーの声を聞いて、寝室に行くと
エマの姿はどこにもなかった。
スカリーは気が動転して、何をどうすればいいのか
わからなかった。
「とにかく、探そう」
モルダーは一言もスカリーを責めることなく、
ただそう言った。

******

エレン、私はどうして生まれてきたの?
どうして、フォックスは私の父親ではないの?
酷いよ、私だけを残して逝っちゃったんだから。
エレン、もうわからないよ。
私はどこに行けばいいの?
私の帰る家はどこにあるの?
エレン、教えてよ?
エマはただ呆然と街を歩いていた。

******

エマを探し始めて4時間が経っていたが、
エマは見つからず、雨が降り出してきた。
「エマは傘を持ってなかったわ」
心配そうにスカリーは言った。
モルダーは無言で車を走らせていた。
「くそ、捜査官のくせに、9歳の少女を見つけることも
できないのか・・・僕は」
モルダーはやり場のない怒りに唇を噛んだ。
「モルダー、ごめんなさい、私の不注意でこんなことに
なってしまって」
スカリーは申し訳なさで一杯になり、目に涙を浮かべた。
「君のせいじゃないよ、僕がエマを追い詰めたんだ」
モルダーは苦悩に顔を歪ませた。
「エマはずっと悩んでいたんだ、エレンが亡くなったのは
自分が生まれてきたせいだと、自分のせいでエレンが
死んだって・・・僕はエマの苦しみに気づいてやれな
かった・・・父親失格だよ」
モルダーは今にも泣きそうだった。
「モルダー、そんなことないわ、エマはあなたの事
を父親として愛してるわ」
スカリーはそっとモルダーの手に触れた。

******

『エマ、エマ、私はここにいるわ』
エマがぼんやりと雨に濡れながら公園のベンチに座って
いると、優しく、透き通った声がした。
「誰?誰なの?」
エマが周りを見渡すと、淡い光につつまれた女性が
目の前に立っていた。
『エマ、一緒に行こう』
光の中の女性が手を差し出した。
エマは無意識に、その手を取り、女性に連れられて、
歩き出した。
そして、気がつくと、エレンの絵の前に立っていた。
『エマ、エレンに会いたい?』
女性はエマを見つめながら言った。
「・・・会いたい、会って、どうして私を生んだのか
聞きたい。私はみんなからエレンを、幸せを奪って
しまったから・・・」
エマがそう言うと、優しくエマの頬に触れた。
『エマ、あなたをそんなふうに悩ませてごめんなさい』
女性はエマを抱き締めた。
『エマ、エレンは、あなたを愛しているのよ、だから、
何よりも、あなたをこの世に残したかったのよ、そして
ミシェルも、フォックスも、あなたに会えてよかったって
思ってるわ、あなたが生まれてきて不幸になったと
思ってる人はいないのよ、エマ、みんな、あなたを愛して
るわ』
エマは母親に抱き締められたような、暖かさと、優しい
匂いに包まれて、今まで心の中にあった重りが軽くなって
いくのを感じていた。

******

「モルダー、エレンの絵がある美術館に行って」
スカリーの中で、突然、わけのわからない確信が生まれた。
「でも、スカリー、美術館はもう探したじゃないか」
モルダーが怪訝そうな表情を浮かべて言った。
「お願い、モルダー、どうしても行きたいの!!」
スカリーは必死に訴えた。
「わかった、スカリー、美術館だな」
モルダーはスカリーの直感を信じて、車を美術館に
走らせた。

***美術館***

「あなたは誰なの?」
エマは女性に訪ねた。
『あなたを世界で一番愛している者よ、エマ』
「・・・エレンなの?」
エマがそう言うと、さっきまで光でぼやけていた女性の
顔が、鮮明になった。
『エマ、あなたを見守ってるわ、いつまでも』
優しく微笑むと、女性は強い光に包まれ、消えた。
「待って、エレン、エレン!!!!」
エマは泣きながら叫んだ。

******

モルダーとスカリーが急いで、エレンの絵の前に行くと、
絵の前でエマが倒れていた。
「エマ、エマ」
モルダーが走り寄って、声を掛けても、エマの意識は
戻らなかった。
「スカリー!!」
モルダーに言われて、スカリーはエマの様子を見た。
「モルダー、救急車よ、雨に濡れて、熱を出しているわ」

***病院***

エマは病院に運ばれると、すばやく処置をされた。
「モルダー、明日になれば意識を取り戻すわ、熱も
下がり始めたし」
スカリーはエマのベットの側で、心配そうな表情をして
いるモルダーに言った。
「そうか、よかった」
モルダーは安心したよう微笑んだ。
「それから、ミシェルに連絡しといたわ」
「スカリー、今日はいろいろとありがとう、君のおかげで
エマを見つけることができたよ」
「元々は私のせいでエマが行方不明になったんだから、
お礼なんていらないわ。モルダー、ごめんなさい。
あなたに苦しい思いをさせて・・・本当に、ごめんなさい」
スカリーは泣きながらそう言った。
「スカリー、君のせいじゃないって言っただろ」
モルダーはスカリーの頬に優しく触れた。
「今日はありがとう」
そう言ってモルダーはスカリーの頬にキスをした。

******

次の日の朝、エマは意識を取り戻した。
「おはよう、エマ」
モルダーはエマの手を握った。
「フォックス、私、エレンに会ったよ」
エマは嬉しそうに言った。
「エレンは私をずっと、見守っているって・・・」
「そうだよ、エマ、エレンはいつも、エマの近くに
いるんだよ」
モルダーは優しくエマを見つめながら言った。
「フォックスもずっとエマの側にいてくれる」
「もちろんだよ、エマ、君は僕の大切な娘なんだから、
何があっても僕たちは親子なんだよ」
モルダーの言葉を聞くと、エマは安心したように、微笑んだ。
「エマ、大丈夫なの?」
モルダーとエマが話していると、ミシェルが血相を変えて
きた。
「大丈夫だよ、ミシェル」
エマは空いている方の手でミシェルの手を握った。
「エマ、ごめんなさい、エレンのことをちゃんと
話さなくて、ごめんなさい」
ミシェルは涙を浮かべながら、エマを愛しそうに抱き締めた。
「もういいよ、みんなに愛されていることがわかった
から、ミシェル、ごめんなさい、言いたくないことを聞いて、だから、またエマ
と一緒にいてくれる?」
「あたり前よ、エマ。あなたはエレンの子で、私の子
なんだから」
エマは次の日に退院すると、ミシェルと一緒にニューヨークに帰った。


***XF課***

「スカリー、この資料どこだっけ?」
「ああ、それなら、ここよ」
スカリーはキャビネットから書類を取り出して、
モルダーに渡した。
「さすがスカリー、ありがとう」
「ねぇ、モルダー」
「う〜ん?」
「私ってそんなにエレンに似ている?」
スカリーの言葉を聞くと、モルダーは書類から目を
離して、スカリーを見つめた。
「似てないよ、君は君だ」
「それっていい意味で?」
「もちろん。僕は一度も、君とエレンを重ねて
見たことはないよ」
そう言うとモルダーは立ち上がり、スカリーの側に行って
彼女を見つめた。
「君は僕にとって特別な存在なんだ」
「モルダー、それって・・・」
Trrrrr・・・。
二人が見つめ合っていると電話が鳴った。
モルダーは渋々電話に出た。
しばらく話した後、モルダーは電話を切った。
「楽しそうだったわね、誰からだったの?」
「エマだよ、今、家に着いたって。そういえばエマが
君に伝えてって」
「えっ、何を?」
「許すって」
スカリーはその言葉を聞くと、満面の笑みを浮かべた。
「一体、何の事だい?」
モルダーは不思議そうにスカリーを見た。
「別に、私とエマの秘密よ」
スカリーは、怪訝そうな表情を浮かべているモルダーを
見つめながら微笑んだ。





THE END

本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
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