DISCLAIMER:The characters and situations ofthe television program
"The x-files" arethecreation and property of Chris Carter,
FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.




TITLE:Murder−前編−
AUTHOR:cat
note:はっきり言ってXFの設定無視しています(笑)




「貴方の補佐をすることになった。デビット・スカリ−です」
彼はそう言い僕の前に現れた。
丹精で、知的な顔立ち、男にしては少し、華奢な体。
彼には性別を越えた不思議な魅力があった。


「フォックス・モルダ−だ。よろしく」
僕はそう言い、彼の手を握った。




        ――― Murder 前編 ―――






「モルダ−、遅かったな」
先に犯行現場に来ていたスカリ−が、僕に声をかけた。
「あぁ、すまない。道が混んでてな」
スカリ−は不機嫌そうだった。
「まだ。現場検証は終わっていない。例のごとく遺体には一滴も血が残っていなかった」
そう言い、スカリ−は首のない全裸の女の遺体の側に僕を連れていった。
遺体は無惨にも逆さまに天井から吊るされていた。
周りには驚く事に、血の一滴も残っていなかった。


「また。吸血殺人か・・・」


「あぁ。らしいな。これで六人目だ」
スカリ−は悔しそうに舌を打った。


今回の吸血殺人は東部を中心に発生していた。
犯行の特徴としては不思議な事に遺体には一滴も血が残らず、必ず被害者は全裸で首がなく、天井からつるされていた。
今の所犯人の手がかりは全くといってなかった。
もはや警察の手では負えないとし、僕の所属する凶悪犯罪課にこの事件は転がり込んできた。
そして、この事件を捜査するに当たって僕に新しいパ−トナ−があてがわれた。
彼は優秀なFBIに所属する優秀な検死官であり、捜査官であった。
FBIは優秀な彼の検死と僕のプロファイルの腕を見込んで僕たちに今回の事件を一任させていた。


「スカリ−、凶器は何だと思う?」
「・・・一見した所では大きなナタのようなもので首を切断したと思うが・・・おそらく、それは死後だろうな」
「なぜ?」
「奴は血を欲している・・・この間の被害者の遺体を見て気づいたんだが、腕に小さな針の後があった。犯人は点滴
針のようなものを血管に刺し、血を抜いていったんだと思う」
スカリ−は遺体をじっと見つめながら言った。
「という事は、被害者は生きたまま血を抜かれ・・・死に至ったという訳か?」
「あぁ、おそらくな。きっとこの遺体にも針の後があると思う」
「なるほどな。とすると犯人は医療関係者?」
「あぁ。おまえがプロフィルした通り・・・その可能性は高い。僕の検死とも一致するしな。凶器がわかれば大分絞
れると思うがな。今からクワンテイコに行ってこの遺体を詳しく検死しようと思う」
「頼んだぞ。僕は被害者の身元を当たってみるよ」





***FBI本部・スキナ−のオフィス***




「それで、モルダ−捜査官。何かわかった事はあるかね?」
スキナ−はそう言い、渋い表情を浮かべた。


「今までわかっている事はこれは秩序型の殺人で、犯人は白人で知能が高く、医療関係者、
もしくは元医療関係者だったという事です」
「なぜ白人と?」
「被害者は皆白人です。過去のデ−タから見てもわかるように連続殺人犯は同じ人種を殺害します」
「なるほど・・・それで捜査状況は?」
「今、東部一帯の医療関係者の名簿を洗っている所です」
「・・・そうか。報告ご苦労。引き続き、捜査の指揮を頼む」
「はい」
モルダ−はそう言い、席から立ち上がった。
「・・・副長官、一つ聞いていいですか?」
モルダ−は退出間際に問い掛けた。
「何かね?」
「スカリ−捜査官の事です」
「スカリ−がどうかしたのかね?」
「彼の事件への執着心がただの捜査官としての枠を超えていると思うのですが・・・何かあるのでは?」
モルダ−の問いにスキナ−は一瞬表情を変えた。
「・・・さあな。私にはわからんことだ」
スキナ−は窓の方を向き言った。
「・・・何か問題でも?」
再び、モルダ−の方を向く。
「いえ。ただ、気になっただけです」
「だったら、捜査に戻りたまえ」
「はい」
モルダ−はスキナ−にそう言い、オフィスを出て行った。



「スカリ−か・・・」
スキナ−は眼鏡を外し、誰もいないオフィスを眺めた。



***二週間前・スキナ−のオフィス***




「どうしても、この事件の捜査に当たりたいと言うのかね」
スカリ−は蒼い瞳で私を捕らえた。
「はい。お願いです。モルダ−捜査官とパ−トナ−を組ませて下さい」
「・・・しかしな・・・」
私は突然の彼女の申し出にどうしたものかと頭を抱えた。
「この仕事は君には重いのでは・・・」
「私はFBIの検死官です。十分に役立つと思いますが・・・」
「・・・しかし・・・君は・・・女だ。この事件の性質上女性は好まれない。モルダ−は男のパ−トナ−を希望して
いる」
「女である事が問題なのなら、男になります」
スカリ−はそう言い、ハサミを取り出した。
「君・・・何を?」
「・・・男になるんです」
そう言うと彼女は美しい赤褐色の髪にハサミを入れた。
「・・・スカリ−・・・」


「僕のためにIDを作って貰えますか?名前はデビット・スカリ−です」
髪を切り終わると、スカリ−はそう言った。


「・・・君には負けたよ」
私は呆然と彼女を見つめていた。




***現在・クワンティコ・スカリ−のオフィス***





「コ−ヒ−でもどうだい?」
「えっ?」
モルダ−がそう言うと、スカリ−は横になっていたカウチから起き上がった。
「・・・モルダ−」
「隣いいかな」
そう言い、モルダ−はスカリ−にコ−ヒ−を渡した。
「あぁ」
スカリ−はモルダ−の場所を作ると、コ−ヒ−を口にした。
「検死の結果はどうだった?」
「・・・被害者の腕から、針の跡が発見できたよ」
「で、針の種類は?」
「それは、今調べている所だ。後、2,3日はかかる」
「そうか」
「そっちは何か進展は?」
「被害者の身元がわかった。だが・・・犯人と結びつくものはまだ何もでてこない」
「・・・犯行はまだ続くと思うか?」
「・・・続くだろうな・・・きっと。捕まえるまでは・・・」
モルダ−は声を低くした。
「僕も同意見だ」
スカリ−は悲しそうにコ−ヒ−カップを見つめた。
「・・・きっと、奴は今も・・・どこかで・・・」
スカリ−はそう言い、窓の側に立った。
その後ろ姿がモルダ−には泣いているように見えた。
「・・・なぁ、聞いていいか・・・」
「何をだ?」
「スカリ−、なぜ、僕のパ−トナ−を希望した?」
モルダ−は鋭くスカリ−の背中を見つめた。
「・・・君はこの事件に個人的な執着心があるんじゃないか?」
「・・・個人的な執着心か・・・例えば、何だと思う?」
スカリ−は挑戦的にモルダ−を見つめた。
その瞳は、鋭く、そして悲しげだった。
モルダ−はその瞳に吸い寄せられるように、彼の側に立った。
二人は至近距離で見つめ合っていた。
そして、互いの心に何かが入り込む・・・パ−トナ−としての感情を越えた何かが・・・。
モルダ−はそっと、スカリ−の頬に触れた。


Trrrr・・・Trrrr・・・。


突然、モルダ−の携帯が鳴った。
二人は弾かれたように互いから離れ、現実に戻った。


「・・・モルダ−だ・・・何、そうか。わかった」
そう言い携帯を切ると、厳しい表情でスカリ−を見た。
「・・・七人目の犠牲者だ」




*******



「・・・やめて・・・何をするの?」
女は震えた声で言った。
「・・・血を貰うのさ」
男はニヤっと笑い女を見た。
女の体はベットに拘束されていた。
男は女の腕に針を指すと、採取を始めた。
女の血は細い透明な管を伝い流れていく。
男はその様子を嬉しそうに見つめていた。


「やめろ!!」
モルダ−が男に銃を向けた。
「きさまは?」
「FBIだ!!女性を解放し ろ!!!」
「・・・おそかったな。女は死んだよ」
そう言い、男は女の首にナタを振り下ろした。
「やめろ−−−!!!」
女の首が胴体から離れるのと同時にモルダ−の放った銃弾は男の心臓を貫いた。
男が倒れると同時に女の首がモルダ−の目の前に転がる。
首を見ると女の顔はスカリ−だった・・・。


「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
モルダ−は悲しみの声をあげた。



********



「あぁぁぁっっ!!!」


スカリ−とリック捜査官が捜査について話していると奥の方からモルダ−の悲鳴が聞こえた。
「なんだ??」
二人は慌ててモルダ−の所に駆けつけた。
そこには悪夢にうなされているモルダ−の姿があった。
「・・・またか・・・」
「また??」
リックの言葉を聞いてスカリ−は言った。
「彼は婚約者を亡くしてからずっとこうなんだよ」
「婚約者?」
「五年前に劣り捜査中に殺されたんだ」
「・・・劣り捜査って事は・・・婚約者は捜査官?」
「あぁ、モルダ−のパ−トナ−だったよ・・・モルダ−は救えなかった事にずっと、自分責めているんだ」
リックは悲しそうにそう言い、モルダ−に毛布をかけると、もとの場所に戻った。





「おい。モルダ−、モルダ−」
額に冷や汗を浮かべ、苦しそうな寝顔を浮かべているモルダ−にスカリ−は呼びかけた。
「・・・う・・・ん・・・」
モルダ−は苦しそうな声を上げ、スカリ−の手を強く握った。
「・・・アイリス・・・だめだ。行くな!!」
モルダ−の寝言は尚も激しくなる。
「・・・アイリス・・・婚約者の名前か・・・」
スカリ−はたまらなくモルダ−が痛々しく見え、周りに誰もいない事を確認すると、モルダ−を抱きしめた。
「・・・私はどこにも行かないわ・・・」
耳元でそう囁くと、モルダ−の寝言は静まった。




********



「モルダ−捜査官、もうすぐで、ニュ−オリンズです」
七人目の被害者の通報を受け、DCから政府軍用機に乗ること数時間、モルダ−とスカリ−はルイジアナ州の上空に
いた。
「う・・・ん・・・」
目を開けると窓の外には太陽が昇っていた。
「そうか。わかった」
起こしにきたリック捜査官に一言、そう言いモルダ−は何とか、頭の中を起こした。
気づくと、隣でスカリ−が眠っていた。
その寝顔の艶やかさに、モルダ−は自分の心臓が大きく脈を打つのを聞いた。
「・・・何を・・・考えているんだ・・・彼は男だぞ・・・」
自分に言い聞かせるように一人呟き、モルダ−は席から移動した。



*******



「ここが七人目の犠牲者が発見された場所か・・・」
その場所は森の奥深くにある山小屋だった。
天井に七人目の被害者は例のごとく首なし全裸で吊るされていた。
部屋に入ると死体特有の異臭が漂い、数人の捜査官は現場の凄まじさに表情をしかめていた。


「私たちはFBIからの通達どおり何もいじっていません。全て発見されたままです」
犠牲者を見つけた保安官はそうモルダ−に報告した。
「そうか。ご苦労・・・後は僕たちに任せて、現場を完全に隔離して下さい」
「わかりました」
保安官はそう言い、副保安官を連れてその場を後にした。
「さて、これほど完全に現場が残っているのは奇跡だぞ、みんな崩さないように徹底的に現場検証にあたってくれ」
モルダ−がそう言うと鑑識や検死官たちは慎重に現場検証に当たった。



***モ−テル***


コンコン・・・。


モルダ−が捜査資料を見つめていると、ノックがした。
「はい?」
扉を開けると、スカリ−が立っていた。
「・・・どうした?」
「検死報告書ができたから・・・」
「そうか。それじゃあ。・・・・中で聞こうか・・・」
モルダ−はそう言い、スカリ−を部屋に入れた。
「何か飲むか?」
「・・・いや」
「そうか。それじゃあ。聞こうか」
スカリ−をカウチに座らせ、モルダ−はスカリ−の前には座らず、少し離れてベットの上に座った。
「七人目の犠牲者も体中の全ての血管という、血管から血が抜かれていた。死後一週間が経っている」
「一週間?」
「あぁ・・・そして、今回は大きな手がかりが残されていた」
モルダ−はスカリ−の言葉に息を呑んだ。
「首筋から歯形が発見された」
「歯形?」
「そうだ・・・おそらく犯人のものだと思われる。今犯罪者リストから一致する歯形を検索にかけている」
「・・・なるほど・・・犯人逮捕に一歩前進した訳か」
「あぁ・・・そうだ。結果は朝には出ると思う」
「・・・そうか」
「・・・ひっかかると思うか?」
「さあな。そう祈る所だ」
モルダ−はそう呟き、手にしていたビ−ル瓶を一気に空けた。
「検死ご苦労だったな・・・今夜はゆっくり休む事だ」
「・・・なあ、聞いていいか?」
モルダ−がスカリ−を追い出すようにドアを開けようとした時、スカリ−が言った。
「何だ?」
「あんた・・・どうして男としかパ−トナ−組まないんだ?」
モルダ−はその言葉に鋭くスカリ−を見た。
「・・・女は疲れるからな・・・それだけだ」
「・・・疲れる?恐いんじゃないのか・・・失うのが・・・」
モルダ−の言葉に一瞬ムッとし、スカリ−はリック捜査官から聞いた事を思い出した。
その言葉にモルダ−は凍りついたようにスカリ−を見た。
「・・・聞いたのか・・・」
「あぁ・・・リックに・・・昨日の夜、飛行機の中でうなされていたから・・・」
「・・・そうか・・・」
モルダ−は力なく言い、再びベットに座った。
「だったら、わかるだろ?俺が女をパ−トナ−にしない理由・・・そうさ、おまえの言うとおり、
失うのが恐いんだよ」
「危険を共にする仕事は男と女であれば・・・信頼が恋愛感情に発展するか・・・」
「・・・その通りだ。俺は人を愛するのが恐いんだ・・・」
ヘ−ゼルの瞳は痛々しい程悲しみを背負っていた。
スカリ−はモルダ−の側に立ちその瞳をじっと見つめた。
次の瞬間、二人は訳のわからない感情に動かされ、唇を重ねていた。
しかし、スカリ−はハッとし、唇を離した。


「気でも違ったのか・・・俺は男だぞ・・・」
そう言い捨て、モルダ−を制した。
「あぁ・・・そうだったな・・・すまない・・・」
モルダ−は力なく言い、自分の行動に呆然としていた。
「・・・もう寝るよ。邪魔したな」
スカリ−はそう言い、自分の部屋に戻った。



「・・・彼は・・・男・・・一体どうしたっていうんだ・・・僕は・・・」
スカリ−がいなくなるとベットに横になりそう呟いた。




******



「・・・私は・・・女・・・」
胸からさらしを取り、本来の姿に戻ったスカリ−は鏡を見つめた。
「でも・・・今は男よ・・・」
そう呟き、スカリ−は蒼い瞳から涙を流した。








      


                  To be continued.











<後書き>


はははははは。偶には変り種もいいかなぁぁぁぁ・・・なんて思い・・・こんなもの書いてしまいました(笑)
このficあらゆる所からネタをパクッてます(苦笑)
最初は事件なんて絡めずにラブコメ目指していたんですけどね・・気づいたら全然違うものになってしまいました(


苦笑)


ここまで読んでくれた方、ありがとうございました(ペコリ)


catでした。



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