DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.
TITLE:逆行 Part11
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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 奴が僕の父。
そして、僕の母が奴の最愛の女性・・・。

僕は、ずっと奴に守られてきたというのか?
僕は一体今まで何を求めてきたのだろうか?
ずっと奴の庇護下で僕は何を・・・。


モルダーは全ての気力を失ったかのように壁に寄り掛かり
どこか遠くを見つめた。

***研究施設内***

スカリーは体が動けるようになると、ベットから抜け出し
渡されたカードキーを使って部屋を出た。
廊下に出ると人の気配はなかった。
そして通路の突き当たりまで歩くと、そこにはエレベータ
ーがあった。
そのエレベーターの扉は、カードキーを使って開く仕組み
になっていた。
スカリーは渡されたカードキーを見つめ、エレベーターに
乗るべきかどうかを考えていた。
彼女がそうこうしていると、人の声が聞こえてきた。
スカリーは辺りを見回し、エレベーターの側に置いて
あるワゴンを見つけると、とっさにワゴンに乗り、その上
から掛けてあったシーツを被った。
「それでモルダーは見つかったの?」
女はエレベーターの前に立ち止まると、部下らしい男
に言った。
スカリーは女の言葉に息を飲んだ。
「いいえ。まだです」
スカリーは男の言葉を聞くと、小さく息をついた。
「そう」
女は小さく呟くように言うと、カードキーを使ってエレベ
ーターを開けた。
「ああ、そうだ。そのワゴンをエレベーターの中に運んで
くれる」
女の言葉を聞くと、男はスカリーが身を隠しているワゴン
をエレベーターの中に運んだ。

***研究施設内某部屋***

「フォックス!!見つけたわ」
ダイアナがそう言いながら一人、薄暗い部屋に入ってきた。
モルダーは床に座り、ただ床を見つめていた。
その姿は全てに絶望したような喪失感を漂わせていた。
「・・・フォックス、どうしたの?」
ダイアナはモルダーの前に立ち、心配そうに彼を見つめた。
「・・・僕を捕まえたければそうすればいい。僕は抵抗
しないよ」
モルダーは下を向いたまま静かに言った。
「フォックス、何があったの」
ダイアナは屈んで、モルダーの頬に触れた。
「・・・知りたくはない真実を知ってしまったんだよ」
モルダーは虚ろな瞳でダイアナを見つめ、力なく呟いた。
「それは・・・彼が、あなたが最も憎んでいる人間
が・・・自分の父だと知ってしまったこと?」
ダイアナは一語一句慎重に選ぶように言った。
「・・・そうか、君も知っていたのか」
「ええ、そして彼が今でも愛しているのがあなたの
母親だと言う事もね」
ダイアナは切なそうに目を細めた。
「・・・ダイアナ。それでも君は奴を愛しているのか?」
「ええ。愛しているわ。彼は今の私にとっての全てよ」
ダイアナは力強く言った。
「・・・なぜだ?なぜそこまで奴を愛せる。あんな冷酷
な男を・・・」
モルダーはダイアナを見つめた。
「・・・私にもよくわからない。なぜこんなにも
彼に牽かれているのか・・・わからない。でも、一つ
あなたに言える事があるわ。彼があなたの母親を真剣
に愛したように、あなたの母親もまた、彼を本気で愛して
いた。だからあなたの母親はあなたを産んだのよ。そして
彼はあなたをとても愛しているわ。彼はあなたが思って
いるような冷酷な人間じゃない。彼も悩み苦しんでいるの
よ・・・心の底ではあなたに助けを求めているわ」
ダイアナは瞳に涙を溜ながら言った。

***アニータの部屋***

「それで俺をどうするつもりだ?」
クライチェックは開き直ったように、口の端を上げた。
「・・・もちろん、こうするのさ」
CSMはそう言うと同時に、銃の引き金をひいた。
次の瞬間、部屋中に銃声が響いた。

***地下9階・手術室***

「それは、そこに置いておいて」
女の声がした。
男たちはスカリーが身を隠しているワゴンを手術台の側に
置くと、部屋から出ていった。

「さてと、後は例のチップが届くのを待つだけね」
女は口元を微かに緩めた。
「えっ、例の実験体は?」
手術着を着ている女の一人が言った。
「・・・それはね」
そう言ってゆっくりと歩き、ワゴンの前で女は立ち止まっ
た。
「ここよ!!」
女はシーツを掴むと、勢いよく取った。

***研究施設内某部屋***

「・・・奴が僕に助けを求めているだと」
モルダーは小さく呟き、鋭くダイアナを見た。
「ええ。彼はあなたに助けを求めているわ。だから
スカリーを巻き込んだのよ・・・。彼は今、正気と狂気の
間にいるわ。お願い、フォックス、彼を止めて!!」
ダイアナは涙ぐんだ瞳でモルダーを見つめた。
「・・・ハハハハハ」
モルダーはダイアナの言葉を聞くと、笑い出した。
「何がおかしいの」
「いや、君があまりにもクライチェックと似たような事を
言うからね。なるほど奴はマジでヤバイわけだ」
モルダーは皮肉めいた笑みを浮かべた。
「・・・だが、僕には奴を止める事なんてできないし、
止める気なんて全く無い!!」
モルダーはそう叫び、ゆっくりと立ち上がった。
「奴がどうなろうと、人類がどうなろうと、もう僕にはど
うでもいい!!」
モルダーはそう言い捨てると、ドアに向かって歩いた。
「フォックス、どこに行くの?」
「スカリーを探しに行く」
そう言ってモルダーはドアノブに手を掛けた。
「止まりなさい、フォックス。あなたを行かせるわけには
いかないわ!」
ダイアナは銃を取りだし、モルダーに向けた。
「撃ちたければ撃てよ、僕はもう疲れたんだ」
モルダーはダイアナの方を向き、疲れきった表情で彼女を
見つめた。
「・・・フォックス」
Trrrr....Trrrrr....。
ダイアナが何かを言おうとした時、彼女の携帯が鳴った。
ダイアナは携帯に出ると二言、三言話して切ると、モルダ
ーを見つめ口開いた。
「フォックス、スカリーに会わせてあげるわ」

***アニータの部屋***

CSMはアニータオリジナルを見つめ、ふと昔の事を
思い出した。


******

「ティナ、僕は君に何て言ったら・・・」
CSMは辛そうにティナ・モルダーを見つめた。
「・・・ただ愛してると」
ティナはCSMを見つめ、切なそうに微笑んだ。
「愛している。ティナ。君も、君のお腹の中にいる僕たち
の子も・・・」
CSMはそう言うと、ティナを力強く抱き締めた。
「・・・愛している」

******
「・・・なぜ俺を殺さない!!」
クライチェックは微かに震えた声で叫んだ。
CSMはその声で我に返った。
「決まっているだろ、アレックス、君にはまだ利用価値
があるからさ」
CSMは冷たい笑みを浮かべた。

***地下9階手術室***

「・・・どうしてここに隠れていることが・・・」
スカリーは女を見つめた。
「監視カメラにあなたが病室から抜け出すところが
写っていたのよね」
女は冷笑を浮かべた。
スカリーは女の顔を見つめ、知っている顔だということを
思い出した。
「・・・あなたアニータね」
「正確にはアニータのクローンよ、私たち」
「私たち?」
スカリーの言葉を聞くと、その場にいた手術スタッフたち
はマスクを取った。
「・・・そんな」
スカリーは見事な程同じ顔の彼女たちに驚きの表情を
浮かべた。
「・・・それで、私をどうする気?」
スカリーはいつもの冷静な表情をした。
「あなたには私たちのオリジナルを入れる器になってもら
うわ」
「・・・器ですって!!冗談じゃないわ!!!」
スカリーはアニータクローンの一人を睨んだ。
「・・・あなたに選択の余地はないわ!!」
そう言ってクローンの一人はスカリーの腕を掴もうとした
が、スカリーは素早く彼女の手を避け、手術用のナイフを
ワゴンの上から取った。
「それでどうするつもり?お嬢さん」
クローンの一人が、から買うように言った。
「・・・こうするのよ!!!」
スカリーはナイフを自分の首につけた。
クローンたちは思いがけない行動に、明らかに顔色を変え
た。
「どういうつもり!?」
「私が死ねばあなたたちのオリジナルを入れる器は
無くなってしまうわ。だから、こうして首の動脈を切る
のよ・・・知っているだろうけど、私は医者よ、だから
正確に切り、確実に死ねるわ」
スカリーは挑発的な笑みを浮かべた。
「・・・切れるわけないわ。ハッタリよ!」
クローンの一人が言った。
「ハッタリかどうか試してみる?」
スカリーは鋭く微笑み、両手でナイフを持った。
そして部屋中が緊迫した空気に包まれた。
「なるほど、見かけは子供でも、ダナ・スカリーである
事には変わりはないってわけね」
クローンの一人が観念したように言った。
「・・・あなたの要求は何?」
「モルダーと私を無事にここから出す事と、私を元の姿に
戻す事よ」
スカリーはナイフを首筋にあてたまま言い、
意志のこもる強い瞳でクローンたちを睨んだ。


To be continued

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