DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行Part13
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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「ダイアナ、奴は、CSMは何処にいるんだ」
手術室から出てきたモルダーが言った。
「おそらく、地下最下層にあるアニータの部屋だわ、でも、
あの部屋に入れるのは彼と、アニータクローンたちだけ
だわ」
PPPPP・・・PPPP・・・。
ダイアナがそう言い終わると、彼女の携帯が鳴った。
ダイアナは携帯に出て二、三言話すと、切った。
「フォックス、彼に会うチャンスよ」
「どういう事だ?」
「彼が私を探しているわ。この階で見つかると、手術を
妨害される危険があるわね。ついて来て」
そう言って、ダイアナはエレベーターに向かって歩き出し
た。モルダーも彼女のあとに続いた。

***エレベーター***

「君が手配した医師たちは信用できるのかい」
少し不安気に、モルダーがダイアナに聞いた。
「ええ、彼らは信用できるわ」
ダイアナはモルダーの不安気な表情を消すように、笑った。
「なぜ?」
「彼らは今回の計画には反対なのよ」
「計画って、全人類と異星人たちを消滅させるっていう
事か?」
「ええ、彼はアニータを使って、新しい世界を創造しよう
としているのよ」
ダイアナは悲し気に言った。
「スカリーはあのチップで本当に元に戻るのか?」
「ええ、姿は戻るわ・・・でも」
「でも、何だい?」
「もしかしたら、記憶を失うかもしれない」
「記憶を・・・そうか、やはり」
「あまり驚かないのね」
「グレイン博士から、副作用について、聞いていたから、
覚悟はしていた・・・いいんだ、もし記憶を彼女が失った
としても、僕の愛したスカリーである事に変わりはない。
彼女が、生きてさえいれば、それでいい」
モルダーは想いを巡らせるように、瞳を強く閉じた。
「・・・愛しているのね、彼女を」
「ああ」
モルダーは瞳を開け、自信気にダイアナを見た。
「・・・君は、なぜ僕に協力してくれるんだい?」
「それは・・・彼の暴走を止めたいから、今の彼は私が
愛した彼じゃない。だから・・・」
ダイアナはうっすらと、目に涙を浮かべた。
「・・・ダイアナ、泣きたければ泣けよ、僕に遠慮しなく
ていいから」
モルダーはダイアナをいたわるように、彼女の肩に触れた。
「フォックス、少しだけこのままでいさせて」
ダイアナはモルダーの胸に顔を埋めた。
モルダーは何も言わず、そっと、ダイアナの背中を抱き締
めた。
と、その時、エレベーターの扉が開き、アニータクローン
たちが乗ってきた。
「探したわよ、ファウリー」
クローンはゾッとするような冷たい笑みを浮かべた。

***アニータの部屋***

「・・・ダイアナ、それにモルダー、いや我が息子よ、
ようこそ神の部屋へ」
モルダーとダイアナがクローンに連れられて部屋に入ると、
CSMが、そう言って出迎えた。
「これは・・・!!」
アニータオリジナルを見て、モルダーは驚愕の表情を
浮かべた。
「私が作り出した女神だよ、フォックス」
CSMは自慢気に言った。
「・・・女神だと」
モルダーはアニータオリジナルを見つめた。
「ああ、もうすぐで彼女は永遠の命を得て、人類を新しい
世界へと導く神となるのだよ」
「・・・狂ってる」
モルダーはそう呟き、CSMを睨んだ。
「そうとも、私は狂っている」
CSMは冷たい笑みを浮かべた。
「さあ、ダイアナ、スカリーから取り出したチップを
貰おうか」
「・・・私は持っていないわ」
ダイアナの言葉を聞くと、CSMは銃を取り出した。
「ダイアナ、嘘はいけない。君が素直にならないと、君が
愛した男は死ぬ事になる」
CSMは銃口をモルダーに向けた。
「・・・あなたって人は、自分の子供にまで手をかけるの」
「できれば我が子を殺す事はしたくないがね、まあ、君次
第だよ、ダイアナ」
CSMは余裕たっぷりに笑った。
「ダイアナ、僕はどうなってもいい、だから言うな」
モルダーは冷静に言った。
「でも、フォックス・・・」
ダイアナは戸惑いの表情を浮かべた。
「さあ、どうするかね?」
CSMは引き金に指を掛けた。
「僕を撃つ前に、一つだけ聞かせろ」
モルダーはCSMを睨んだ。
「何かね?」
「・・・おまえは本当に僕の父なのか?」
モルダーは微かに声を震わせた。
「ああ、そうだ。私はおまえの父だ。疑うなら私のDNA
を調べるがいい」
CSMはモルダーを見つめながら言った。
「・・・それじゃあ、僕の母はおまえと不倫をしてたと
いうのか!」
「・・・不倫か、確かに世間ではそう言うらしいな」
CSMは悲しそうにモルダーを見た。
「フォックス、私とティナはビルを通して出会った時
から互いに惹かれ合っていた。どうしようもない程に強く。
だが、私にはビルからティナを奪う勇気はなかった。そ
して彼女もビルから離れられなかった。一緒になる事はで
きないと知りながら、私たちの愛は冷める事はなかった。
そして、君がティナの中に宿った。私は生む事には賛成し
なかった。でも、ティナは私と愛し合った印が欲しい、と
強く望んだんだ。そして君が生まれ、私はティナの前から
消えた」
CSMは切なそうに目を細めた。
「・・・私の人生は全てが私の望み通りにはならなかった。
愛した人も、望んだ職業も、全てが私を通り抜けて行った。
そして私は後一ヶ月もすればこの世から消える」
CSMは虚しそうな笑みを浮かべた。
「だからといって、人類を滅亡させる権利はおまえにない
はずだ」
モルダーはCSMを睨んだ。
「ああ、その通りだ。フォックス。私がしようとしている
事は間違っている。だが、これしか私の道はないんだよ!
さあ、ダイアナ、いい加減、チップを渡してもらおうか」
CSMの表情から笑みは消えた。
そして次の瞬間、銃声が響き、弾丸はモルダーの左腕を
打ち抜いた。
「ダイアナ、言うな!!」
モルダーは腕を抑え、唇を噛んだ。
「次は頭だ」
CSMは冷徹な表情をした。
「・・・わかったわ、チップはここよ!!」
ダイアナはそう言って、チップの入っている容器を
出した。
「A24、中身を確かめろ」
CSMは側にいたアニータクローンに言った。
ダイアナから容器を受け取ると、クローンは中を確かめた。
「確かに例のチップです」
「そうか、すぐにデータをもう一つのチップに入れ、移植
の準備だ」
CSMの言葉を聞くと、クローンは部屋を出て、準備に取
り掛かった。

「一体あのチップを誰に移植する気?アニータの器となる
スカリーは成長を逆行しすぎて無理なはずよ」
ダイアナはそう言って、CSMを見た。
「ああ、確かにスカリーには無理だ。だから、彼女本人に
移植するのさ」
CSMはアニータオリジナルを見た。

******

「準備が整いました」
クローンたちはそう言って、部屋に入ってきた。
「さて、フォックス、君にも神が生まれる瞬間を見ても
らおうか、但し、大人しくしているというのが条件だがね」
CSMがそう言うと、黒服の男たちがモルダーとダイアナ
を取り抑えた。
「くそっ!!」
モルダーは悔しそうにCSMを見た。
「さあ、移植を始めたまえ」
CSMの言葉を聞くと、クローンたちはオリジナルにチッ
プの移植をしはじめた。

******

「移植が終わりました」
移植開始から一時間後、クローンの一人がCSMに言った。
「そうか、ついに・・・」
CSMはオリジナルに近づき、巨大な脳が浮いている水槽
に手を触れ、笑い出した。
「ハハハハハハハハ!!!やったぞ!!私は神を作ったん
だ」
CSMは狂ったように笑った。
「・・・ちくしょう」
モルダーは唇を噛んだ。
「・・・フォックス、大丈夫よ」
落胆したモルダーの様子を見て、ダイアナは小声で囁いた。
「えっ」
モルダーは何が大丈夫かわからないというように、ダイア
ナを見た。
と、その時クローンの一人が狂ったように叫んだ。
「大変です!!アニータに異変が!!!」
「あっ、こっちも、生命維持装置に異変が!!」
クローンたちは次々にパニックの声を上げた。
『ギャーーーーーーーー!!!!』
オリジナルは部屋中に響く悲鳴を上げた。
「今よ、フォックス」
ダイアナの言葉を合図に、モルダーは黒服の男から銃を
奪い、CSMに掛けよつて、銃口を向けた。
「・・・なるほど、形成逆転というわけか」
CSMは顔色を微かに変えた。
「オリジナルがウィルスに汚染されました!!」
クローンの一人が言った。

『私は神だ!!私は神だ!!私は神だ!!私は神・・だ』

アニータオリジナルは狂ったように、そう言い続け、脳は
激しく爆発し、その爆風にモルダーとCSMは吹き飛ばさ
れた。

「フォックスーーーーー!!!」
脳の爆発によって崩れゆく瓦礫の音と、ダイアナの悲痛な
叫び声が、遠くなる意識の中、モルダーの耳に入って
いた。


To be continued

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