DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
,No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行 Part14
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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僕は真っ白な霧の中にいた。
そこは何もなく、静かで、僕は何かに惹かれるように、
霧の中を歩いていた。
すると、突然、僕の手を誰かが引っ張った。
「モルダー、そっちじゃないわ」
いつか夢で見た少女が僕の手を引っ張っていた。
「・・・君は・・・スカリー?」
僕の言葉を聞くと、少女は優美な笑顔を浮かべた。
僕はその笑顔に息を飲んだ。
「モルダー、また会いましょう」
そう言うと、少女は僕の前から消えた。



***アニータの部屋***


「・・・スカリー」
モルダーは瓦礫の中で意識をとり戻した。
「フォックス!!フォックス!!」
モルダーを呼ぶ、ダイアナの声がした。
モルダーはゆっくりと、瓦礫の中から抜け出した。
あたりを見回すと、アニータオリジナルの姿は影も形も
無くなり、部屋は半壊していた。
「フォックス、よかった、無事だったのね」
ダイアナはモルダーの姿を見つけると、駆け寄った。
「あぁ、何とかね、・・・それより、一体何があったんだ」
「アニータが自爆したのよ」
「なぜ?」
「私が渡したチップにはウィルスが入っていたの、多分、
そのウィルスの影響で・・・」
「そうか。あっ、奴は、CSMはどうした」
「あなたと一緒にアニータの爆発に巻き込まれたわ」
「・・・それじゃあ、もしかしたら、この辺に・・・」
と、その時、銃声がし、ダイアナが倒れた。
「ダイアナ!!」
ダイアナの胸から、真っ赤な血が流れ出た。
「・・・フォックス」
ダイアナは虚ろな目でモルダーを見た。
「ハハハハハハ!!どうやら、狙いが的中したらしいな」
CSMは銃を構えたまま、瓦礫の中から現れた。
「・・・きさま!!」
モルダーは鋭い眼光でCSMを睨んだ。
「私の計画を邪魔した代償だよ」
「彼女はおまえを愛していたんだぞ!!」
「・・・愛?だから何だと言うんだ、何があろうと計画を
邪魔する者にはこうするしかない。そう、フォックス、
おまえにも罪を償ってもらう」
CSMは銃口をモルダーに向けた。
そして、次の瞬間、銃声が再び響いた。
モルダーは覚悟を決めたように、瞳を閉じた。
「・・・うっ」
そう言って、倒れたのはモルダーではなかった。
モルダーが瞳を開けると、胸を赤くしたCSMが倒れて
いた。
モルダーが後ろを向くと、銃を震えた手で持つ、ダイアナ
が血だらけで立っていた。
「・・・ダイアナ」
「フォックス、私を・・・彼の・・側に」
涙を瞳に一杯ためたダイアナが言った。
モルダーはダイアナを抱き抱え、彼女をCSMの側に座ら
せた。
「・・・ダイアナ」
CSMは血だらけの手を伸ばした。
「はい。私はここにいます」
ダイアナはCSMの手を強く握った。
「・・・ありがとう、私を止めてくれて、君を愛していた
よ、ダイアナ」
掠れる声でCSMは言った。
「・・・フォックス、私は君の母親を、ティナを本当に
愛していたんだ・・・」
そう言うと、゜CSMは静かに目を閉じ、息を引き取った。
「・・・フォックス、あなたは早くここから出て、さっき
この建物の起爆装置を作動させたわ」
「ダイアナ、君は?」
「私は彼とここにいる」
そう言って、ダイアナはCSMの真っ赤な胸の上に、頭を
乗せた。
「・・・しかし」
「いいの、私はこうしていられだけで幸せなの、だから、
あなたは行って」
ダイアナは幸せそうに微笑んだ。
「さあ早く、スカリーの所へ」
「・・・さよなら、ダイアナ」
モルダーはそう言って、ダイアナの元を去った。


***地下5階・手術室***


モルダーが急いで手術室に行くと、スカリーの姿どころか、
人の姿は全くなかった。


「スカリーーー!!!スカリーーー!!!」
モルダーは狂ったように、スカリーの名を呼び、フロアー
中を探した。
しかし、スカリーの姿は何処にも見あたらなかった。
モルダーが他の階を探そうとした時、激しい爆発音ととも
に、建物は崩れ始めた。
「モルダー、まだここにいたのか!」
クライチェックがモルダーの前に現れた。
「スカリーがいないんだ」
「・・・スカリーなら無事にここから出た」
モルダーはクライチェックの言葉に安堵の表情を浮かべた。
「さあ、こっちに脱出用の通路がある」
そう言って、クライチェックは走り出した。
モルダーは傷ついた血だらけの腕を庇いながら、クライチ
ェックに続いた。


******


モルダーとクライチェックが外に出た時、建物は完全に
爆発し、激しい衝撃と爆風が辺りを包んだ。


「・・・終わったな、全てが・・・」
跡形もなく崩れたビルを眺めながら、クライチェックが
言った。
「・・・終わりって、何がだ?」
モルダーはクライチェックを見た。
「・・・奴の夢さ、奴はこうなる事を望みながら今回の
計画をたてたんだ」
「まさか、そんな・・・」
「スカリーを巻き込んだ時から、奴は死ぬ気だった。
・・・・・・奴はずっと死に場所を探していたんだよ」
そう言ったクライチェックはどこか悲しそうだった。
「おまえは、奴を・・・」
モルダーはそこまで言いかけて、言葉を飲んだ。
「さてと、俺はそろそろ行くぜ」
クライチェックはモルダーに背を向けて、歩き出した。
「あっ、そうだ、スカリーはここにいるぜ」
クライチェックは再びモルダーの方を向き、一枚のメモ
用紙を投げた。
そして、モルダーが受け取るのを見届けると、再び歩き
出した。
「待て!!」
モルダーはクライチェックを呼び止めた。
「何だ」
クライチェックは立ち止まった。
「おまえが今回の計画に協力したのは、何が目的だった
んだ」
モルダーの言葉を聞くと、クライチェックは空を見上げ、
暫くの沈黙の後に言った。
「・・・奴の死を見届けるためさ」
モルダーに背を向けたままそう言うと、クライチェックは
歩き出した。
モルダーはクライチェックの背中をただ黙って見送った。


***一週間後・病室***


スカリーは一週間、意識をとり戻さぬままだった。


「やあ、スカリー、また来たよ」
モルダーはベットで眠ったままのスカリーに話しかけ、
彼女の側に座り、手を握った。
「スカリー、今日君の主治医が言ってたよ、君が目覚めら
れないのは、急激な体の変化に体力を消耗しすぎているか
らだって」
そこまで言うと、モルダーはスカリーの頬に触れた。
「でも、今日で君の体も、逆行前の元の体に戻ったみたい
だ。僕はこの一週間、君の成長を見てきたんだ。
・・・スカリー、また君に会えて嬉しいよ」
そう言うと、モルダーはスカリーの額にそっとキスした。
「・・・君が目覚めるまで、僕はここにいるよ、ダナ」
モルダーは幸せそうにスカリーの顔を見つめた。



THE END

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