DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions,
No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行Part4
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
_____________________________________________________

人は自分の人生が終わりに近づくと
過去を振り返りたくなるものである。
最近特に私は考える。
自分の過ちを。
なぜ彼を生かしておいたのかを。
ただ単に利用価値があったから?
いや、違う。
長年私は暗闇の中に身を置いてきた。
しかし、彼の手によって我々の陰謀は暴かれた。
でも、それでよかったのだと思える。
心の奥底で彼に暴かれるのを待っていたのかもしれない。
だから彼を生かしておいた。
そう、だから私は彼と最後のゲームがしたくなった。
私の人生最後のゲームを・・・。
男は意を決したかのように煙草に火をつけ、どこか
遠くを見つめていた。

***モーテル*******************

目を開けると、私はベットの中でモルダーに抱き締められ
ていた。
いつもより近くにいる彼の存在に、私の胸は高鳴った。
真近で見る彼の整のった寝顔。
しっかりと私を抱き締めた、以外にたくましい腕。
温かい彼の体温。
規則的なリズムを打つ胸の音。
彼の吐息。
普段感じることができない彼がここにいる。
そう思うと、なぜか涙が流れそうになった。
私は今気づいた、自分が彼に強く惹かれている事を。
自分の気持ちをいくら誤魔化しても無駄だという事を。
「・・・う〜ん、スカリー?」
彼がゆっくりとヘーゼルの瞳を開けた。
「おはよう、モルダー」
私は笑顔で彼に言い、ベットから離れた。
「モルダー、昨日はごめんなさい。私、あなたに甘えすぎ
たわ」
私はモルダーを見ずに言った。
「言っただろ、君が好きだって、だから君の辛さや不安
を知りたいんだ、スカリー」
彼の言った『好き』という言葉が私の心に絡みつく。
そして、余計な事まで言ってしまいそうになる。
「モルダー、私が好きって・・・どういう意味で?」
私は彼の方を向いて言った。
「えっ・・・それは・・・」
私の質問が以外だったのか、彼は言葉を詰まらせ、戸惑っていた。
「何でもないわ、今の質問は忘れて、それより早く
グレイン博士の所に行きましょ」
私は彼の答えを聞きたくなかった。
聞かなくてもわかっていた、彼が私に対してどう思って
いるかを。
彼は私を友人として、仕事の同僚として好きだと言ったのだ。
わかっている、彼がそれ以上の存在として私を見ていないことは。 
彼には愛する人がいるから。
彼がそう言ったから・・・。
だからこの気持ちが私の片思いだという事は、わかっている。

***一ヶ月程前******************

私は彼に連れられてバーにいった。
「モルダー、あなたにしてはいい店知っているじゃない」
「気に入ってくれたかい?」
「ええ、それで私に相談って何?」
「その・・・、まずは飲もう」
彼はそう言うと、どんどん酒を注文し、グラスを空けて
いった。
「モルダー、飲みすぎなんじゃない?」
「な〜に、まだまだ」
そう言った彼の目はかなりすわっていた。
彼がこんなふうに酒を飲むのを初めて見た私は、何だか
可笑しくなって笑った。
「う〜ん?スカリ〜どうしたの?」
私が大声で笑い出すと彼は不思議そうに私を見た。
それが可笑しくて私の笑いに更に拍車をかけた。

***タクシーの中***

ぐでんぐでんに酔っ払った彼を私は仕方なく家まで
送り届けることにした。
「モルダー、そう言えば私に相談って何だったの?」
私はふと彼に相談があると言われてバーに誘われたこと
を思い出した。
「・・・えっ、相談?」
彼の意識は半分どこかにいっていた。
「そうよ、気になるわ、話して」
「・・・何だったかな・・・そういえば僕は君に言いたい
ことがあったような・・・」
「きっとそれよ、話して、モルダー」
「・・・う〜んと、そうだ。実は僕は以前から・・・
その、惹かれている女性がいるんだ」
私は彼の言葉に驚きと戸惑いを感じた。
「へえ〜、あなたでもそう思う人いるんだ。私はてっきり
あなたは宇宙人と結婚するんだと思っていたわ」
私の精一杯の皮肉だった。
「酷いなスカリー、僕にだって好きな女性ぐらいいるさ」
「・・・それでその女性とはつき合っているの?」
「いや、・・・正直言うと僕の片思いなんだ」
「あなたが片思い?益々あなたらしくないわ」
私は平気なふりをして茶化した。
「それでどうすればその女性を口説けるか私に相談
したかったわけね」
「・・・多分、そんなところだと思う」
「そうね〜、思い切ってその女性に気持ちを打ち明けたら
いいんじゃない?もしかしたら彼女もあなたに惹かれて
いたりして」
平気なふりをしてそう言った私の手はなぜか震えていた。
「・・・本当にそう思うかい?」
モルダーは不安気に私を見た。
「ええ、そう思うわ」
私は必死に私の中の戸惑いを抑えて言った。
モルダーは私の言葉を聞いて暫く黙って何かを考えていた。
そして、真剣な眼差しで私を見つめながら口を開いた。
「スカリー、君に言いたいことが・・・」
「お客さん、着きましたよ」
モルダーが何かを言おうとした時、タクシーの運転手が
彼の言葉を遮った。
「そうか、もう着いたのか、スカリー今日はつき合って
くれて有り難う」
そう言って彼はタクシーから降りた。
「モルダー大丈夫?部屋まで送りましょうか?」
「大丈夫だよ」
そう言って歩きだしたモルダーの足どりはかなり危ういものだった。
「ここで少し待っててくれる」
私は運転手にそう言うとタクシーを降りて、モルダーの肩
を支えた。

***モルダーの部屋の前***

私がやっとの思いで彼を彼の部屋の前まで連れていくと、
そこには長身の女性が立っていた。
「・・・ダイアナ?」
「あら、スカリー、彼を送ってきてくれたの、ありがとう
後は私にまかせて」
そう言ってダイアナはモルダーの肩を持った。
私は呆然とモルダーとダイアナを見つめた。
そしてさっき彼が言った言葉を思い出した。
『好きな女性がいるんだ』
その言葉は再び私の心に刺さった。
「どうしたの?まだ何か?」
ダイアナが怪訝そうに私を見た。
「いいえ、何でもないわ、それじゃあ後よろしく」
そう言って私はその場から逃げるようにして立ち去った。
そう、この時私はモルダーへの自分の気持ちを意識した。

***現在車の中******************

「スカリー?どうした?」
私が考え事をしているとモルダーの声がした。
「別に、何でもないわ、さあ行きましょう」
そう言って私は車から降りた。

***グレインの屋敷***

その屋敷はとても古びていて、人が住んでいるようには見えなかった。
「本当にここなの?」
私は怪訝そうにモルダーを見た。
「ああ、このメモがあっていればね」
そう言ってモルダーは屋敷に入っていった。
私もモルダーにつづいて屋敷に入った。
屋敷の中は薄暗く、人の気配などまったくなかった。
「いつかの幽霊屋敷みたいだな」
モルダーがぼそっと呟いた。

***2時間後***

私とモルダーは屋敷の中をくまなく探し回ったが、
グレイン博士らしき人物はおろか、人っこ一人見当たらなかった。
私は焦りと不安を感じていた。
「モルダー、やはりその情報は偽物だったのよ」
モルダーは黙って何かを考えていた。
「ねえ、モルダー、黙ってないでなんとか言ってよ」
私は苛立たし気に言った。
モルダーは黙って何かを見つめ、思いたったように鏡の
前に行った。
「どうしたの?」
「・・・風が」
そう呟いて彼は鏡の端に耳をあてた。
「スカリー、風の音がする」
今度は何かを確信したようにハッキリとモルダーは言った。
「えっ、一体どういうことなの?」
私はそう言って彼に近づいた。
彼は鏡を注意深く調べた。
「・・・何かあるな」
モルダーはそう言うと鏡と壁の間に触れ、鏡を動かした。
すると鏡の後ろに地下へと続く階段のようなものが現れた。
「モルダー、これは?」
「真実への扉さ」
そう言ってモルダーは微笑み、階段を降りていった。

***某連邦ビル******************

「どうやらグレインの居場所がわかったらしい」
クライチェックが男に言った。
「そうか」
男はそう呟き煙草を取り出した。
「煙草の吸いすぎは体によくないぜ」
茶化すようにクライチェックが言った。
「フン、どうせもう短い命だ」
男は自嘲的な笑みを浮かべた。
「今あんたに死なれては困る、例の情報はまだ貰って
ないんだからな」
「心配するな、私が死ぬ前に例の物はやるさ」
「裏切るなよ」
そう言ってクライチェックはドアに向かって歩き出した。
「アレックス」
男がクライチェックを呼び止めた。
「何だ?」
「グレインの所に誰をやったんだ?」
「もちろん彼女さ」
そう言ってクライチェックはゾッとするような笑みを
浮かべた。

***地下研究施設*****************

「・・・驚いた、まさか屋敷の地下が研究所になって
いるとは・・・」
モルダーは呆然と周りを見渡した。
「ええ、本当ね。でも、なぜ鏡の後ろが地下への通路だってわかったの?」
「勘さ。この屋敷を調べている時、同じような鏡が
あちこちにあったのが不自然に思えたんだ、それに」
「それに何?」
「誰かに見張られているような気がしたから、それも必ず
鏡の掛かっている部屋で、だからきっとマジックミラーに
なっているんじゃないかと思って」
「なるほど、あなたの推理があたたってわけね」
ガタン!!
突然、奥の方から物音がした。
「モルダー?」
「スカリー、君はここで待っててくれ」
そう言うとモルダーは音のした方へと走っていった。






To be continued.

本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース