DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions,
No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行Part5
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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***地下研究所奥の部屋**************

「見つけたわ」
女は嬉しそうに笑みを浮かべ、グレインを見つめた。
「まさか、そんな・・・」
グレインは信じられないという表情で女を見つめた。
「あら、私が生きているなんて以外?テレス」
「・・・本当に君なのか?アニータ」
女はグレインの質問に答えるように冷たい笑みを浮かべた。
「さあ、例の物を渡して貰うわ」
そう言って、女は銃をグレインに向けた。
その時、遠くの方から足音が聞こえた。
「・・・彼ね。テレス、今は見逃してあげるわ」
ゾッとするような低い声でそう囁くと、女は部屋の奥にある隠し通路に消えてい
った。

******

モルダーが奥の部屋に入ると、白衣を着た白髪の老人が
真っ青な表情をして立っていた。
「あなたはもしかして・・・テレス・グレイン博士?」
モルダーの声を聞いて白髪の男は彼の方を見た。
モルダーが見た写真やグレインのクローンより、かなり
老けた感じだった。
「・・・君は私を殺しに来たのかね?」
「いいえ、あなたに僕の相棒を助けてもらいたくて
来たんです」
モルダーは真剣な表情で彼を見つめた。

***研究室***

スカリーが研究室でモルダーを待っていると、上の方で
物音がした。
「誰?モルダーなの?」
恐る恐る階段の方を見上げると、そこに誰かがいた。
「そこにいるのは誰!?」
スカリーは銃を構えた。
「・・・私よ、ダナ」
両手をあげながら、女が降りて来た。
「あなたは・・・」
スカリーはその女の顔に見覚えがあった。

***奥の部屋***

「なるほど、君の相棒は奴らに薬を投与されたというわけか」
グレインはモルダーの話を聞き終えると、ため息をついた。
「何か元に戻す方法はないんですか?」
モルダーは必死だった。
「君の相棒はもしかして、以前にある期間中失踪していな
かったかね?」
「どうしてそれを?」
「やはりな、きっと君の相棒の首の後ろにはチップが
埋めてあるはずだ」
「・・・そうです。どうしてそれを知っているんですか?」
「・・・私も以前、政府の研究施設で仕事をしていた。
その時私が何の研究をしていたか聞いたかね?」
「確か・・・不老不死の研究だと聞きましたが」
「ハハハハハ・・・」
グレインはモルダーの言葉を聞いて笑った。
「不老不死か・・・、確かに昔は研究していた」
「昔は?どういう意味です?」
「長い話になるが聞くかね?」
モルダーはグレインの言葉に頷いた。

***研究室***

「あなたは私を助けてくれた・・・」
「アニータ・モリースよ」
「・・・記録では、あなたは死んだことになっているわ」
「そう、私を調べたのね」
「ええ、当然よ、でも、政府の研究所で働いていたという
以外、何も出てこなかったわ。一体あなたは何者なの?」
スカリーの質問に女は自嘲的な笑みを浮かべた。

***奥の部屋***

「政府は彼らとの共存と、戦争の両方を考えていた」
「彼らというと?」
「もちろん地球外生命体のことだよ、モルダー君」
「なぜ僕の名前を?」
「知っているさ、私も陰謀を支えた組織のメンバーの
一人だったんだからね、君の父上には世話になったよ、
小さい頃の君にも会ったことがある」
そう言ってグレインは、懐かしそうにモルダーを見た。

***研究室***

「私はずっとグレイン博士の助手としてある研究を
していた。そう、博士が組織を裏切るまでは」
「裏切る?」
「博士は人としての倫理感から、研究を外に出して
はいけないと思い、すべてを破棄して私たちの前から
姿を消した。それ以来私が博士の行っていた研究を
しているというわけ」
「彼は一体何の研究をしていたの?」
「・・・ある生物に対する兵器よ」

***奥の部屋***

「君は政府が何の研究をしていたか知っているかね?」
「確か異性人と人間のハイブリットを・・・」
「そうだ。そしてその裏で彼らに対抗するための兵器も
作っていた」
「その研究をあなたはしていたんですね」
「そうだ。私はその時自分の研究に息詰まっていた」
「不老不死の研究ですか?」
「ああ、そうだ。私は彼らに対する兵器の研究と平行して
不老不死の研究もしていた。そんなある日、私は彼らの
DNAの中に答えを見つけ、そしてあるウィルスを発見
した。・・・そして私は人としてやってはいけないことを
してしまった」
博士は苦悩に表情を歪めた。
「モルダー君、私には娘がいた。娘は不治の病を患い、
先は短かった。元々私が不老不死の研究を始めたのも
娘が原因不明の病にかかっていたからだ。そしてそのウィルスを見つけた時、娘
の命は後半年だと言われていた」
「・・・まさか、あなたはそのウィルスを娘さんに」
「・・・・・彼らの技術を使って改良したウイルスを私は
娘の体内に入れた」

***研究室***

「・・・そんな、いくら何でも・・・」
スカリーはあまりの事実に言葉を失った。
「博士は娘のためなら何だってやったわ、それ程
彼女を愛していた」
そう言って、アニータは瞳を潤ませた。
「それで彼女はどうなったの?」
「・・・生きのびたわ、但し、人間以外の生物としてね」
スカリーは眉をひそめた。
「人間以外の生物?」

***奥の部屋***

「結局実験は失敗した。ウィルスは娘の体に入った途端に変化を起こした。そし
て娘はウィルスに体を奪われ、人間
以外の生物へと変貌した」
「・・・変貌?」
「ああ、変身と言った方がいいかな。とにかく娘は人以外の何かに変わり、次々
と人を・・・殺し始めた」
グレインはそこまで言うと暫く黙り、悲しげに天井を見つめ、そして再び口を開
いた。
「誰にも娘を止めることはできなかった。
いや、誰も娘を殺すことはできなかったんだ」

***研究室***

「なぜ?」
「博士が投与したウィルスは極めて強い自己再生能力を
もっていたから」
「・・・そんな、それじゃあいくら銃で撃たれても、
自分で治してしまうということ?」
「そういうことね、その自己再生能力こそが不老不死の
答えだと博士は思ったのよ、でも、それは大きな間違い
だった」
「大きな間違いってどういうこと?」
「ウィルスだと思っていたものは、実は異星人そのものだったのよ。彼らは人に
乗り移って増えていった」

***奥の部屋***

「そう、あれはウィルスというよりは、生命体と言った方がいいかもしれない」
「どういう事です?」
「彼らは何か強い意志を持って繁殖していったんだ」
「・・・ウィルスが意志を持っているんですか?」
「そうだ。意志を持ったウィルスだ。私はそのウィルス、
いや、未知の生命体を消すために、異星人に抵抗するために研究していたあるウ
ィルスを放った」

***研究室***

「博士の娘のDNAは信じられないことに、異星人化していた。だから、彼は彼
らに対する兵器として開発していた
ウィルスを使うことにしたのよ」
「・・・異星人化、そんな事って」
スカリーは信じられないといった表情でアニータを見つめた。
「すべて真実よ」
アニータはスカリーを真っ直ぐに見つめながら言った。

***奥の部屋***

「私が彼らに対する兵器として、研究していたウィルスは異星人のDNAだけに
反応し、彼らのDNAを破壊するものだった」
「破壊?」
「そうだ。いや、存在を消すと言った方がいいかな。
おそらく君の相棒はこのウィルスを弱くしたものに
かかっているのだろう」
「それじゃあ、スカリーの体内にも異星人のDNAが
あるという事ですか?」
「おそらく実験をされた時に移植されたのだろう」
「じゃあ、そのDNAを相棒の体から摘出すれば
助かるんですね」
「そういうことだ。しかし問題がある」
「問題というと?」
「君の相棒に移植されたDNAとは、例のチップのこと
なんだよ・・・知っていると思うが、あのチップなしでは君の相棒は生きること
ができない」
モルダーはグレインの言葉を聞いて大きな衝撃を感じた。

***研究室***

「・・・私は助からないというわけ?」
スカリーは絶望の表情を浮かべた。
「・・・いいえ、助かる方法は一つあるわ。あなたのウィルスに感染されたチッ
プを、感染されていない新しいチップに変えるのよ」

***某連邦ビル駐車場***************

「おそかったな、スキナー」
男はそう言って、スキナーの車に乗り込んだ。
「用件は何だ、クライチェック」
スキナーは苛立たしげに、ルームミラーに写るクライチェックを見た。
「な〜に、奴からの伝言をあんたからモルダーに
伝えてもらいたくてね」

***研究室********************

「新しいチップですって!?」
スカリーは大きく眉を吊りあげた。
「そうよ、それしかあなたが助かる方法はないわ」
「一体どこにあるの?」
「・・・おそらく国防総省の地下保管室にあると思うわ」
スカリーはアニータの言葉を聞くと、銃を彼女に向けた。
「何するの!?」
アニータは信じられないといった表情で、スカリーを見た。
「あなたは私に嘘をついているわ」
「嘘ですって!?」
「そうよ。あなたは私を助けるふりをして、陥れようと
している」

***奥の部屋***

「博士、それで娘さんはどうなったんですか?」
「・・・死んだと思っていたよ」
「思っていた?」
「ああ、だが、彼女は生きていた。私を殺しにさっき
ここにきたよ」
「殺しに・・・、なぜ?」
「・・・娘は私の助手として一緒に研究をしていた。
私が未知のウィルスを発見した時、娘はその危険性について強く訴えていた。そ
して人体実験にも反対していた」
「人体実験?まさか誘拐した女性たちにウィルスを」
「そうだ。私は未知のウィルスを誘拐した女性たちに
放った。そう、何人もの人たちに・・・、そして、ウィル
スの改良を行い、最後には娘に・・・」
そう言って、グレインは涙を流した。
「私は娘を怪物に変え、そして自らの手で娘を殺した
んだ!!」
グレインはその場で泣き崩れた。

***研究室***

「・・・あなたはアニータ・モリースじゃないわ」
「なぜそう思うの?」
「・・・香水よ、あなたに初めて会った時からずっと
 気になっていたのよ。ダイアナ」
スカリーの言葉を聞いて、アニータは大声で笑い出した。
「さすがね、スカリー捜査官」
そう言って、アニータは顔からマスクのようなものを剥した。
「これ、よくできてるでしょ?」
マスクの下からはスカリーの予想通りダイアナの顔
が現れた。
「そうね、ついでにあなたのしわもその特殊メイクで
治してもらえばよかったんじゃない?」
スカリーはダイアナに銃を向けて睨んだ。
ダイアナはスカリーの皮肉を鼻で笑った。
「さあ、本当の事を話しなさい、ダイアナ」
「本当の事?話したわよ」
「嘘よ、あなたが話した話の裏には、まだ何かあるはずよ」
スカリーはそう言って引き金に触れた。
ダイアナは顔色一つ変えずに、不敵な笑みを浮かべた。
「そうね、話してあげたいんだけど、そろそろ変化が
始まる時間だし」
そう言ってダイアナは腕時計を見た。
「変化?」
スカリーがそう言った時、突然体中に激痛が走った。
「あら、始まったようね、それじゃあね、スカリー捜査官」
ダイアナはスカリーに背を向けて歩き出した。
「・・・待て」
そう呟くと、スカリーは意識を失い、その場に倒れた。




To be continued.

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