DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions,
No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行Part6
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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 女は少女を抱き抱えていた。
「まさか、その少女は?」
「・・・例の実験体です」
「そうか、それでグレインの方はどうだった?」
男はそう言って煙草を取り出した。
「やはりグレインが例のものを持っているようです」
「何、本当か!?」
「はい、確かです」
「それで、いつ手にはいる?」
「おそらく2、3日中には手にはいると思います」
「そうか」
男はそう呟くと、煙草に火をつけた。

***スキナーのオフィス***

「それで、スカリーは時を逆行していて、後3日で
この世から消えてしまうというわけだな」
スキナーは信じがたいという表情でモルダーを見た。
「はい、信じられないかもしれませんが、僕が話した
事は事実です」
モルダーは真っ直ぐにスキナーを見た。
スキナーは大きなため息をついた。
「副長官、あいつを、CSMを探して下さい。おそらく
スカリーは奴の手の中です」
「・・・モルダー、おまえにCSMからの伝言がある」
「奴からの伝言?」
「ああ、君とスカリーがグレイン博士の所に行って
いる時にクライチェックに頼まれた」
「伝言の内容は何です?」
「・・・奴が預かっている君の大切なものとグレイン
博士の交換だと言ってた」
「・・・つまり、それはスカリーとグレイン博士を
交換するという事ですか?」
「おそらくそうだろう。今夜、この場所で、君が一人で
グレイン博士を連れていくことが、奴との取引条件だ」
そう言ってスキナーは一枚のメモをモルダーに渡した。
「副長官、グレイン博士は今何処にいるんですか?」
「博士の居場所は極秘扱いになっている。
モルダー、私はFBI副長官として、君に博士の居場所を
教えることはできない」
スキナーは険しい表情でモルダーを見た。
「そんな、それじゃあスカリーは!?」
モルダーは鋭い目つきでスキナーを睨んだ。
「だが、君の友人として手をかすことはできる」
そう言ってスキナーはペンを取り出し、何かを書き
始めた。
「さあ、行け、時間はないぞ」
スキナーはもう一枚メモをモルダーに渡した。

***某施設********************

目を開けると、そこは薄暗かった。
私はベットから起き上がり、部屋のドアに向かって
歩いた。
そして、ノブにふれると、予想どおり鍵がかかっていた。
「・・・モルダー」
私は開かないドアの前で相棒の名を呟いた。

***某ホテルの一室****************

コンコンコン・・・。
モルダーが部屋のドアをノックすると、捜査官らしき
男が出た。
「副長官に頼まれて、グレイン博士警護の交代に来た」
モルダーはそう言って男に身分証を見せた。
「えっ、もう交代の時間か?」
「ああ、予定が変わったんだ」
「・・・悪いが念のために、責任者に確認させてくれない
か?」
そう言って男は携帯を取り出した。
「ああ、いいとも、それじゃあ、僕は部屋の中で君が
確認を取るのを待っていていいかい?」
「えっ、ああ、構わんが」
男はそう言ってモルダーを部屋の中にいれた。
「もしもし、スターン主任ですか、実は交代の
時間だと言って、モルダー捜査官が来ているんですが、
彼と警護を変わっていいでしょうか?」
男はモルダーに背を向け、携帯を使った。
「えっ、聞いてない?」
男がそう言った時、モルダーは男の首の急所を背後から
手刀で打ち、男を一瞬にして気絶させた。
『もしもし、もしもし、どうした!?』
床に落ちた携帯からは主任捜査官の声が虚しく響いていた。

***某施設********************

「やあ、お嬢さん、気がついたかい?」
CSMがそう言いながら、スカリーが監禁されている
部屋に入って来た。
「一体私をどうしようと言うの!?あなたの目的は何?」
スカリーの言葉を聞くと、CSMは薄笑いを浮かべた。
「別に君をどうこうしようと言うわけじゃないさ、今のと
ころはね」
「なぜ、私なの、なぜ私にこんな事をするの?」
「・・・こんな事とは何だね?」
「今の私にしている事よ、見ればわかるでしょ?」
スカリーはこみ上げてくる怒りを抑えながら言った。
「・・・今の君か、少女の君も中々かわいいと思うよ」
「ふざけないで!!人をこんな姿にしといて!!!」
スカリーは声を張り上げ、CSMを睨んだ。
CSMはしばらく黙ってスカリーを見つめ、そしてゆっく
りと口を開いた。
「・・・君に移植されているチップが、地球外生命体のウ
ィルスに感染しているかどうか調べたかったんだ」
「それでグレイン博士の作ったウィルスに感染させたって
いうの?」
「ああ、そうだ。私はどうしても感染していないチップ
が必要だったんだ」
「残念だったわね、私のチップも感染していて」
スカリーは皮肉ぽっく言った。
「・・・だがまだ希望はある。グレインが感染していない
チップを持っているからな」
「私は、私はどうなるの?」
「グレインの持っているチップを移植しないかぎり君は
後3日でこの世から消える。残念だよ、スカリー、君と
別れなければならないなんて・・・」
そう言ってCSMはスカリーの髪にそっと触れた。
スカリーは反射的にCSMの手を振り払い、睨んだ。
「・・・奴の苦しむ顔が浮かぶよ」
「奴って・・・モルダーの事?」
「ああ、そうだ。これで私の奴に対する復讐も終わるさ」
「復讐って、彼があなたに何をしたのよ!!」
「・・・奴は私の計画を壊した、だから奴に苦しみを与え
る。奴の一番大切なものを奪ってな」
そう言ってCSMはスカリーを見つめ微笑んだ。

***モルダーの部屋****************

「おそらく奴らは私の持っているチップが目的だろう」
グレイン博士は静かに話し始めた。
「チップって!?」
モルダーはそう言ってグレイン博士を見た。
「私は感染していないチップを持っているんだ」
「えっ、それじゃあ・・・そのチップをスカリーに
移植すれば・・・」
「おそらく君の相棒の、時の逆行は止まるだろう」
「今何処にあるんです?」
「・・・ここにあるさ」
そう言って博士は小さなケースをテーブルの上に置いた。
「・・・スカリーは、スカリーはこれで元の姿に戻るんで
すか?」
モルダーはケースを手に取りながら言った。
「・・・わからない。それに・・・」
グレインは表情を険しくした。
「それに、何です?」
「・・・このチップを使うと副作用が起きるかもしれない」
「副作用?どんな副作用ですか?」
「・・・命に危険はないと思うが、おそらく記憶を失う
かもしれない」
「記憶を・・・それはどの程度なんですか?」
「それは私にもわからない」

***深夜某ビル地下駐車場*************

「煙草はやめてくれない?」
スカリーの言葉を聞くとCSMは煙草の煙を吐いた。
「生憎、これだけは止められなくてね」
「きっと、肺癌になるわ」
「・・・その前に私はもうこの世にはいないさ」
そう言ってCSMはどこか遠くを見つめた。
「それって、どういう事?」
CSMはスカリーの質問に自嘲的な笑みを浮かべた。
「モルダーが一人で来ました」
運転席に座っている男が言った。
「そうか」
そう呟くとCSMは車から降りた。
「スカリーは無事なのか?」
モルダーはCSMの姿を見ると、そう言った。
「君の大切なものは丁重に扱わせてもらっているよ。
それで、私の出した交換条件は持ってきたかね?」
「ああ、博士なら車の中にいる」
そう言ってモルダーは自分の乗ってきた車を見た。
「では、博士に会わせてもらおうか?」
「先にスカリーに会わせてもらってからだ」
「・・・いいだろう」
CSMが手で合図すると車の中から男に連れら
れて7,8歳ぐらいの少女が降りた。
「・・・スカリー」
モルダーはスカリーの姿にそれ以上何も言えなかった。
「では、グレイン博士に会わせてもらおうか?」
CSMはそう言って吸っていた煙草を捨て、足で踏み潰し
た。
モルダーはCSMの言葉を聞くと、自分の車から博士を
連れ出した。
「・・・グレイン博士、お久しぶりですな」
CSMはグレインの姿を見ると微笑んだ。
「やはりあの薬を使ったのは貴様か!!」
グレインはそう言って、CSMを睨んだ。
「正確には私じゃなく、あなたの娘さんのアイデア
だがね」
「何!?アニータの?嘘だ!!娘は10年前の実験
で死んだはず・・・」
「あら、お父様、酷いわ、この間お会いしたばかりでしょ?
もう私の事お忘れになったの?」
そう言いながら女が車から降りてきた。
「・・・そんな、やっぱりアニータなのか!?」
グレインは幽霊でも見るような表情でアニータを見た。
「博士、そいつは偽物よ、アニータじゃないわ!!」
スカリーはそう言って叫んだ。
「まあ、酷いわ、偽物だなんて、私は本物よ」
「嘘よ!!あなたはダイアナよ!!!」
「えっ、ダイアナ!?」
モルダーはスカリーの言葉に驚いた。
「あら、私ならここよ」
そう言って、アニータと名乗る女が降りてきた車から
ダイアナが降りてきた。
「そ、そんな・・・」
スカリーはダイアナの姿に目を疑った。
「ダイアナ・・・なぜ君がここに!?」
モルダーはわけがわからないといった表情でダイアナを
見つめた。
「フォックス・・・ごめんなさい」
そう呟いて、ダイアナはCSMを見つめた。
「そんな、君が奴に手を貸していたなんて・・・」
モルダーは信じられないといった表情を浮かべた。
「・・・それじゃあ、ここにいるのは本物のアニータ
なのか!?」
グレインはそう言ってアニータを見つめた。
「そうよ、アニータよ。確かにこの前はダイアナが変装
をしていたけど・・・今ここにいる私は本物よ」
アニータはグレインを見つめた。
「いや、違う、アニータは確かに死んだんだ・・・まさか、
アニータのクローン!?」
「さてと、無駄話はこの辺にして、そろそろ本題に入ろ
うか、博士、例のものは何処にある?」
CSMは苛立たし気に言った。
「・・・おまえの探している物ならここにある」
そう言って、グレインは小さなケースを取り出した。
「確認させてもらおうか」
CSMは部下に合図した。
「・・・確かに例の物です」
グレインからケースを受け取ると、部下の男はCSMに言
った。
「そうか、それじゃあ博士とチップをこっちに」
CSMが部下の男にそう言うと、男は博士をCSMの側に
連れていった。
「・・・スカリーを、スカリーを返してもらおうか?」
モルダーの言葉を聞くと、CSMは男にスカリーを解放
させた。
「さあ、彼のところに行きたまえ」
スカリーはCSMの言葉を聞くと、モルダーの方に歩き出
した。
モルダーは真っ直ぐに、自分の方に歩いてくるスカリーを
愛しそうに見つめた。
スカリーはモルダーの所まで後1メートルというところで
立ち止まり、モルダーを見つめた。
二人の視線は真っ直ぐに重なり、暫く二人は心の中で抱き
合うようにお互いを見つめ合った。
「・・・スカリー」
そう言って、モルダーがスカリーに手を伸ばした時、モル
ダーの背後から銃声がした。
次の瞬間、モルダーはゆっくりとその場に倒れた。
「モルダーーーー!!!!!」
スカリーはそう叫び、モルダーに駆け寄ろうとした。
しかし、モルダーを撃った男がスカリーの腕を掴んだ。
「悪いが、お嬢さんにはもう少し付き合ってもらうよ」
そう言って、男は不気味に微笑んだ。
「・・・クライチェック!!」
スカリーは男の顔を見上げて、そう叫んだ。





To be continued.

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