DISCLAIMER:The characters and situations of the television program "The x-files" are
thecreation and property of Chris Carter,FOX Broadcasting and Ten-Thirteen productions
No copyright infringement is intended.

TITLE:逆行 Part8
SPOILOR:none
AUTHOR:cat
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 私は恐くはない。
例えこのまま消えてしまっても・・・。
あなたと過ごした時間があるから。
あなたと出会え、ここまでこれたから。
だから、恐くはない。


***研究施設***

「やあ」
モルダーがダイアナに連れられて部屋に入ると、
CSMがモルダーに話しかけた。
「スカリーはどこだ!!!」
モルダーはそう叫び、CSMを睨んだ。
CSMは突然笑い出した。
「何が可笑しい!!!」
「・・・あまりにも予想どおりの態度をとるから
つい、可笑しくてね。私は君のそういう表情がとても
好きなんだよ」
CSMは不敵に笑った。
「きさま!!!」
モルダーは今にもCSMに殴りかかりそうだったが、
ダークスーツの男たちが彼を抑えつけているため、それは
できなかった。
「・・・そんなにスカリーに会いたいか?だが、残念
ながらスカリーに会う事はできない」
モルダーはCSMの言葉に不安がよぎった。
「なぜだ・・・彼女の時間は後1日半あったはず」
「スカリーからさっきチップを摘出したんだ」
「だから何だ!!」
「モルダー、知らないのか?」
「何をだ?」
「あのチップを取り出せば、スカリーは死ぬ」
「何!?」
「それがグレインがあのチップに入れたもう一つの罠だ」
「・・・嘘だ、そんなのきさまのハッタリだー!!!」
「嘘だと思うか?」
そう言ってCSMはスカリーが身につけていた十字架の
ネックレスをポケットから取り出した。
「これは彼女の形見だよ、君にあげよう」
CSMはモルダーのスーツのポケットにネックレスを
入れた。
「どうした、モルダー、顔色が悪いぞ」
「・・・・・・・・・・きさま、よくも」
そう呟き、モルダーは彼を抑えつけていた男たちを
振り払った。
「フォックス、やめなさい!!」
ダイアナはモルダーに銃口を向けて言った。
「撃ちたけば撃てよ、但し条件がある、ちゃんと
ここを撃ち抜け、もう僕には生きる希望がないんだ」
そう言って、モルダーは自分の心臓を指した。
「・・・フォックス」
ダイアナは悲しそうに銃口を見つめるモルダーに
ためらった。
モルダーはダイアナの表情に迷いがある事を読み取ると、
男たちが持っていた銃を素早く拾い、ダイアナの利き腕を
撃ち抜いた。
「うっ!」
ダイアナは銃を落とし、その場に倒れた。
「次はきさまの番だ」
そう呟き、モルダーは銃口をCSMに向けた。
「・・・君に私が殺せるかな」
CSMは口端を微かにあげた。
「殺してやる!!」
モルダーは銃をきつく握り締めると、引き金を引いた。
次の瞬間、銃声が響き、弾丸がCSMの胸に向けて
放たれた・・・しかし、弾丸はCSMの直前で止まった。
「・・・そんな」
モルダーは落胆した。
「どうやら、私の方が一歩上手だったようだ」
そう言ってCSMは自分を囲っている特殊防弾ガラスを
叩いた。
「おっと、そろそろ私は失礼するよ」
腕時計を見ながらそう言うと、CSMが立っている床の部
分だけがゆっくりと下に動き出した。
「待ってーーー!!!」
モルダーはCSMに近寄ろうとしたが、特殊防弾ガラスが
モルダーの行く手を阻んだ。
「ハハハハハ!!モルダー、君があがけばあがく程
私は楽しいよ」
そう言いうと、CSMはその場から消えた。
そしてCSMがいなくなると、ダークスーツの男たちが銃
を構えて部屋に入ってきた。
モルダーはあっという間に男たちに囲まれた。


***研究施設・地下1階***

「モルダーをどうするつもりだ?」
クライチェックがCSMに言った。
「・・・さあ、私にもわからんよ」
CSMはそう言って、煙草の煙をはいた。
「まあ、あんたが奴をどうしようと、俺には関係のない事
だがな、それより約束の物はちゃんと貰えるんだろうな?」
クライチェツクは鋭くCSMを見つめた。
「今回の計画が全て終わればな、心配するな、アレックス」
CSMは余裕たっぷりの笑みを浮かべた。


***小部屋・地下1階***

モルダーが薄暗い部屋に鎖で繋がれていると、ドアが開く
音がした。
「・・・やあ、ダイアナ、傷はいいようだね」
モルダーは右腕に包帯を巻いているダイアナを見上げた。
「ええ、撃った人の腕がよかったから」
ダイアナはそう言ってモルダーを睨んだ。
「それで、僕に何の用だ?」
「・・・あなたに会わせようと思って」
「誰とだ?」
「・・・スカリーよ、但し遺体だけど」
モルダーはダイアナの言葉に絶望を感じた。
「まさか・・・奴が言っていた事は本当だったのか?」
「それは・・・自分の目で確かめてみるのね。フォックス」
ダイアナはそう言って、外にいたダークスーツの男たちに
合図をした。
男たちはモルダーを部屋の外に連れ出した。


***研究室・地下3階***

そこにいたのは、少女の姿のままの彼女だった。
モルダーは彼女が眠っているベットの前に立っていた。
「・・・スカリー」
モルダーは彼女の名を呼び、青白い顔に触れた。
「どう?これで信じてもらえたかしら?」
ダイアナはそう言って、モルダーの肩に触れた。
モルダーは暫く呆然とスカリーを見つめた。
「さあ、そろそろ行きましょう、彼が呼んでいるわ」
「・・・嘘だ。これは奴の罠だ。スカリーが・・・
スカリーが死ぬなんて・・・・」
モルダーはか細い声でそう呟くと、突然、ダークスーツの
男に襲いかかり、銃を奪った。
「銃を捨てろ!!」
ダークスーツの男たちがそう言って、銃口をモルダーに
一斉に向けた。
「フォックス、抵抗しないで・・・私はあなたを殺したく
はないのよ」
ダイアナは悲しそうにモルダーを見つめて、彼に一歩
近づいた。
「・・・ダイアナ、嘘だと言ってくれ・・・じゃないと、
僕は、僕は・・・・・・」
そう呟き、モルダーは銃口を自分の頭につけた。
ダイアナはモルダーの行動に驚きの表情を浮かべた。
「フォックス、馬鹿なマネはやめて」
「ダイアナ、僕とスカリーを二人きりにしてくれ・・・
してくれなければ、僕はここで銃の引き金をひく」
そう言って、モルダーは引き金に触れた。
「さあ、僕を殺したくないんだろ?だったら言う通りに
してくれ」
モルダーは真っ直ぐにダイアナを見つめた。
その瞳には何の迷いも感じられなかった。
「・・・フォックス・・・わかったわ」
そう呟くとダイアナはダークスーツの男たちと一緒に
研究室を出た。

******

モルダーはスカリーと二人きりなると、銃を置いた。
そしてスカリーの眠っているベットの端に座り、彼女を
見つめた。
「・・・スカリー、助けに来たよ」
モルダーは愛しむようにスカリーの頬に触れた。
「スカリー、すまない。遅くなって・・・」
そう呟くとモルダーは冷たくなったスカリーの小さな体を
抱き締め、涙を流した。
「・・・スカリー、スカリー・・・お願いだ。目を開けて
くれ、スカリー・・・嘘だと言ってくれ」
モルダーは涙に声を詰まらせながらそう言い、スカリーを
抱き締める腕に力を入れた。
彼女の体は冷たかった。
「・・・スカリーーーーーー!!!!!」
体中から悲しみを吐き出すように、モルダーは叫んだ。



To be continued.


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