シェンロン伝説




「いでよ、シェンロン!!」

ズォーーーーーーーーーーーン

「好きな願い事を3つ叶えてやろう」

「26歳までに大手企業に入社、
 33歳までに子どもが3人、長女・長男・次男、
 90歳までは生きる」

「堅実なのね…」





「いでよ、シェンロン!!」

ズォーーーーーーーーーーーン

「好きな願い事を3つ叶えてやろう」

「英語の単位が取れてますように!
 社会演習の単位が取れてますように!
 卒論の提出が間に合いますように!」

「必死なのね…」





「いでよ、シェンロン!!」

ズォーーーーーーーーーーーン

「好きな願い事を3つ叶えてやろう」

「遅刻しても怒られませんように。
 コンビニでおつりを余計にくれますように。
 隣の席の子がいつもより5cmくらい近くに座ってくれますように」

「君、ちっちゃいなー」





「いでよ、シェンロン!!」

ズォーーーーーーーーーーーン

「好きな願い事を3つ叶えてやろう」

「2度と足の小指がタンスの角にぶつからない。
 2度とお気に入りのシャツに醤油がかからない。
 あと世界征服」

「…3つ目だけでもいい?」





「いでよ、シェンロン!!」

ズォーーーーーーーーーーーン

「さぁシェンロン!俺様の願いを叶えろ!」

「早く言え!こっちはイライラしてんだ!」

「女の子のパンティーをくれ!!」

「うぜぇ!誰がやるかそんなの!!」

「なんだって!?前もらったやつがいたって話だぞ!?つーかシェンロンなのに叶えねぇってのか!!」

「あん時ぁ俺だって若かったんだよ!他にねぇのか!!もっとでっけぇこと願う奴ぁいねぇのかぁっ!!」

「じゃっ、じゃぁ…スーパーモデルのパンティを…」

「やめる!俺もうシェンロン辞める!!!」









今日は上海に住む生ける伝説、ロンのことを紹介しよう。

ロンは生まれながらにして不思議なオーラをかもし出しており、その力は授業に遅刻しても全く怒られないほどだった。また、彼の隣の席に座った女子はオーラに惹かれ、いつもより5cmは近づいたと言う。さらに、彼の立ち寄るあらゆるコンビニの店員は、そのオーラに見とれおつりを間違えて多めに渡した経験があると語っている。

ロンは堅実な人間で、大学に入ってからは英語の単位を落とすことはなかった。あの受講生の2/3が落とすという社会演習の単位もあっさりと取得し、主席で卒論を提出した。もちろんしめ切りには十分過ぎるほど間に合っていた。

ロンの優秀さは上海全土に広がり、26歳にして某大手貿易会社の管理職に就いた。女性関係にもロンは優秀で、33歳までに上海のスーパーモデルとの間に3人の子をもうけた。 ロンの動きには隙がなく、なんと彼は足の小指をタンスの角にぶつけたことも、シャツに醤油の染みを作ったことも無いのだと言う。やがてその隙の無さにより貿易会社の社長へと上り詰め、上海の経済を手中に収めると、今度は世界経済へとその影響力を広げ始めた。

…そして現在、ロンは93歳になる。今や彼の一言は世界の経済を波立たせ、名だたる政治家が彼の元へひざまづき、マスコミからは地球の進化の頂点である人間の中でも頂点に達していると評された。

しかし今、ロンは圧倒的な喪失感に包まれていた。あらゆるものを手に入れ、あらゆる願いを叶えてきたロンには、最早何も残されていなかったのである。

彼に安らぎを与えうるものはただ1つ。彼が89の時に亡くなった元スーパーモデルの妻が、最もお気に入りだった1枚のパンティである。



シェンロン伝説 完




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