僕はスパイクを履く。
地面に足跡を残すため。
より強く、より速く、より遠くへ、走るため。
いつの日にか、自分だけのスパイクを見つけ
裸足だった僕は、少し勇んでそれを履くと
地面を、大きく蹴り上げる。
いつか誰かが、残った足跡を見つけたならば
そのときは、思い出しておくれ。
スパイクを履いた僕を。
そして、やがて僕が僕で無くなってしまいそうならば
そっと教えておくれ。
裸足だった僕が、そこにいたことを。
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