目眩がするほどクダラナイ現実の向こうに、僕はなにを透かして見るのだろう。 夜を突き抜けて手にした自由は、何処に僕を解き放ってくれるのだろう。 海ほど広い優しさは要らなくて、太陽ほど厳しい愛情も要らなくて、風のように不規則な友達も要らなくて、水のようにじわじわと首を絞める快楽も要らなくて、僕はいつも迷ってしまう。なにが欲しくて、視線を巡らせるのだろうかと。 君が例えば僕のタイセツな人なら、君は例えば僕のカナシミを受け止めてくれるだろうか。 君が仮に僕を殴ったのなら、僕が仮に飼育小屋の兎を殺したことを神様に懺悔するのと同じ心地で、僕の前に跪くのだろうか。 癒すモノと壊すモノは同じで、だからそれは人に取っての価値観の違いで、だけどそれをわかってない人達が多いから、いつまでたってもボクラは猿の延長なのだろう。 甘い砂糖を舐めるように、君の流す甘い涙を舐める。突然訪れる別れにも、覚悟が出来た心で臨めるように。悲しみも、優しさに変えて自分を騙せるように。 いつ君がいなくなっても、僕は涙を流さないでいられるように。 |