プライベートライアン



1998年アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ

★★★★★

私が見た戦争映画の中でベストです。泣きはしなかったけど、見終わったあとのショックがめちゃくちゃでかかった!戦争を知らない世代の私にとって「あぁ戦争ってこういうことか!」って思える映画です。よく戦争の話に「今まで見た戦争映画とは全く違う光景でした」とか言うけど、とりあえず他の映画よりかは戦争ってものにたいして納得がいくのは確か。オススメです。

映画は、第2次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦のなかで一番ひどかったっていわれてるオマハビーチの上陸シーンから始まります。その後ライアン(マットデイモン)を探し出してアメリカに帰国させる任務にミラー大尉(トムハンクス)とその部下がつきます。ていうストーリー。

トムハンクスが映画の中で「ライアンが生きていようが死んでいようがどうでもいい、ただの名前でしかない」言うとおり、前半はライアン自身にはほとんど意味はありません。第一登場しないし。メインはただのレスキューじゃくて、「なんで1人救出するために8人の命をかけなあかんの?」ってことです。だいたいこの8人だって、オマハビーチでやっと生き延びた命なんだからさ。

戦闘シーンはものすごいです。彩度を落として鮮やかすぎない色合いと、手持ちカメラのブレと、足で蹴って散る砂粒まで細かく見える映像がやたらと臨場感高めてます。BGMもほとんどないです。迫力はものすごいし。実際私は「前線」ってものをこの映画見て始めて理解してん。
はっきり言って、今の高校生で「前線」てのはどういうものかはっきり知ってる人半分もおらんで。教科書にも説明のってないし(まあコラムチックに載せられたところでわかるってもんでもないけど)。「戦ってるところ」なんて言われても、自由に行き来できるのがあたりまえな感覚を持ってる世代から見たら、「上陸したけりゃすりゃいいやん、なにがそんなむつかしいん?」って思ってたもん。反省した。こういうことだったのね…ってやっと納得がいった。

他の戦争映画に比べて私がこの映画が好きな理由が、スピルバーグの戦争映画の撮り方が好きってのがあります。なんか戦争映画にかかわらずとにかく映画って、主役がでかいやん。シンドラーのリスト見たときも思ったけど、スピルバーグのだと脇役の存在感があるねん。一瞬の脇役にも五分の魂ってかんじ(笑)全員が主役級に引き立つっていうかさ。「まわりの人」ていうんじゃなく、ちゃんと見てて全員が友達みたいに近くに感じてくるから、親近感も臨場感もケタ違いやし、飲み込まれて見ちゃうねん。

だから見る人によって注目する人もポイントも違うと思うけど、私がやたら注目しちゃうのはアパムっていうトムハンクスの部下の人です。
もともと違う部隊にいたのに、フランス語がしゃべれるからって引っこ抜かれてんけど、実戦は経験ないし、度胸ないし、弱虫やし、文学青年です。一番普通の人に近い存在としてアパムがいるわけやねんけど、エンディングではいくら怒ったっていってもアパムらしからぬ行動に出ます。あれがショックだった。
途中で敵と鉢合わせするシーン(偶然壁が壊れたらいきなり隣にドイツ兵がいてお互いびっくりっていうシーン)があるねんけど、全員銃を持って相手に向けて「銃を下ろせ!」って叫ぶんやんか。このときですらアパムは銃構えてないねん。仲間を殺したドイツ兵を「捕虜を殺すなんてダメです」って1人反対したのもアパムやねん。そのアパムのとった行動が私は一番悲しかったです。よく戦争は人を変えるっていうの、実際に変えらられていく人としてアパムは要チェックです。

ただアメリカ人の大好きなノルマンディー上陸作戦とか、星条旗から始まって星条旗で終わるところとか、アメリカのエゴを感じないといえばウソになるけど(実際ライアン救出作戦はアメリカの道徳をアピってるっていう説もアリ)、基本的にアメリカアメリカしてはいないと思うのでその面から見ても大丈夫です。そんなどこの国がどうとか小さいことを描いてる映画じゃなくて、もっとスケールもテーマもでっかいです。
戦争映画きらいって人も、戦争映画見たことないって人もこの映画は見てほしいです。特に前線の意味がわからない人は絶対見たほうがいいです!(笑)

2002,1,12



■ こっから最強にネタバレ有りなので、まだ見てない人は見てからどうぞ■

私この映画に関してはいろいろ勘違いしてました。上に書いたように私はやたらアパムに注目して見てるねんけど、ドイツ兵はもちろんドイツ語でしゃべるやん。それに字幕は出ないし、あとかなり多くの人が勘違いしてるだろうなっていうポイントで私も勘違いしてしまってん…。

まず捕虜にしたドイツ兵と、アパムが階段でへたりこんでたのを見逃したドイツ兵(2階の部屋でナイフで仲間を殺した人)は別人です。最初私は同じ人やと思わなかってんけど、見た後「あれ同じ人やで!」って言われて見直して「ほんとだ!」って思ってしまった(アホだった)。別人です。けっこうこれ間違えてる人多いみたいで。

あとアパムが最後元捕虜のドイツ兵を銃で撃つやん。その前に元捕虜のドイツ兵が仲間に何か言ってるねんやん。これの訳がわかってんけど、「大丈夫だ、このアメリカ人は知っている」ってことを言ってるみたいです。つまり最初助けてもらったから今度もこいつなら助けてくれるだろうということ(ミラーを殺しておきながら)。

これに対してアパムが「バカなことを言うな」か「ふざけるな」か何かそういうことを言うわけやねんけど、元捕虜のドイツ兵が「アパム」ってやや親しげに声かけるやん。で、アパムはついにそいつを撃つって展開やってん。まさかそんなことをしゃべっていただなんて知らなかった(笑)

ちなみに「大丈夫だ〜」のセリフはともかく、アパムのセリフはドイツ語を勉強してる知り合いに聞いてもらって訳してもらっただけやから、違うかもしれない(笑)そのへんはわかんないです。誰かドイツ語ペラペラにわかる人訳お願いします(笑)

とにかく細かいねんけど奥が深いんだな〜、だから何回も見てしまう。私ビデオは買わない主義(そのお金があれば他の映画を見るのにまわしたいから)やねんけど、中古でやけどプライベートライアンは買ってしまった。何回も見たくて。私はそれくらい好きです。



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