〜本気の…本気です〜
わざと胸を押し付けたりして、圭ちゃんはしばらくはジタバタ
と抵抗してたんだけど……。
今は、しがみつく私をそのままにして、何か考え込んでる。
「…ふ〜〜っ……」
って長いため息。
どうしちゃったんですか?
「梨華……」
すごく真面目な顔で、真っ直ぐに私を見つめてた。
「…はい…」
「わたし…本当に……本気にしていいの?」
急に呼吸が苦しくなって……。
「……はい……」
喘ぐようにやっと頷いた。
「本気の…本気です」
ふって照れくさそうに笑って……ゆっくり顔が近づいてきて……
キスをしてくれた。
嬉しかった。でも、それ以上に踏み込みたくて、私は後ろに倒れ
こもうとした。
それを抱きとめた圭ちゃん。
「…きょうは……やめとこうよ」
やっぱりダメなんだ……泣きそうになった。
そんな私の顔を優しい目で見て、圭ちゃんは首を横に振った。
「足、痛いんでしょ? だから…きょうは安静。治ったら……ね?」
治ったら?
治ったら…つまり…その……。
「治ったら…今度は私の部屋に招待してあげる」
「…はい……」
夢見るように、私は圭ちゃんを見つめて返事をした。
(続)
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