〜ずっと前から〜

「私…圭ちゃんの『特別』になりたかったんです……」
 抱いたまま、ベッドに運んで寝かせてあげたら、わたし
を見上げて梨華がそう言った。
 その表情が、すっごく可愛かったから、今度は額にキス
をした。




 ずっと前から…ずっとずっと前から、梨華は私の「特別」
だったんだよ。
「…本当…ですか?」
 嬉しそうに、不安そうに、そう尋ねてきた。
 私のことをじっと見つめてて、ウルウルッて……何だか、
キスをせがまれてるのかと錯覚しそうだよ。




 わたしの視線の先には必ず梨華がいて、心がかき乱され
るほど、いつもわたしは梨華を探してた。
 梨華…覚えてる?
 辻を泣かせちゃったときのこと。
 梨華が意地を張って、それで……わたしが梨華に手を上
げたんだよね。
 あんなに嫌な感触がしたのは、初めてで、あれっきり。




 ホント、何でもないことだったのに、何であんなに腹が
立ったのか、ずっと分からなかったんだ。
 でも、今なら分かるよ。
 それが梨華だったから。
 ほかの誰かだったら、「コラッ! 辻に謝りなさい」っ
て、それだけで済んでた。
 でも、梨華だったから……わたしの「特別」が、あんな
ことしたのが許せなかったんだ。




 だから…ね? ずっと前から……ずっとずっと前から、
梨華は私の「特別」だったんだよ。
 だから…だから泣かないで、梨華。
「ご…ごめんな…さい……私…嬉しくて……」
 泣き虫はキライって言ったでしょ?
 そんな子には…まぶたに「涙が止まるおまじない」。
 初めてキスしたときと同じだね。
 だから……梨華の涙が止まるまで、互いの唇の温もりを
感じてた。
                         (続)



続く

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