Rin's Tanka History

2002.06

 

 

<2002/06/03>

陽炎に見ゆる幻いつの日も
宇宙(そら)の貴きの在りし日の夢


頼りなき気分に揺られたそんな日は
パトスどこまで果てしない空


風は吹く
その向こうにも風が吹く
風が止まりし波は揺られん

黒き森嘆きの闇にひっそりと佇む悪魔の木霊聞こゆ


独りではいられないほど苦しみを己がこころに秘めたる人ぞ

こんな日は
微笑みながら独り言
カフェ・グラッセと愛する瞬間(いま)と


電話線盛り上がるほどに落ちまくり
それでも待ってる汝の愛しき


恋心伝えるメッセあるのなら微笑みさえも時に虚しく

ブランコを転がす風の吹き荒ぶ春の筑波の空っ風なり


雷鳴の轟く季節風薫り
野に咲く花の大輪の百合

<2002/06/04>

縁より生まれし絆求めてや吾歩けども道は果てなく


栄光を求めて走るランナーのゴールの悲鳴何も聞こえず


遥かなり
どこにもなにも風さえも見えない空気
潮の香りに

突然に思いつくまま今日もまた
風は流れて想い遥かに

<2002/06/05>

君想い
つのる気持ちの言の葉を
重ねてつたえ積み木は崩れ


青空に向かって嘆き眩しさぞ滲む涕の白き逸美の

<2002/06/06>

寝ぼけても短歌短歌と詠んでいた そんな時代があったかどうか・・

<2002/06/08>

メッセさえ返せぬままに怒り出す
なんでそういうことになるのか


愛のない見知らぬ世界歩いては写る姿に立ち止まりつつ


見知らない誰かの影に怯えつつそれでも人は温もり求め


飛び出そう
たとえ愛など無い世界でも
いつかは届く光を頼りに


失いを怖れて今日も君求め
それでも指をもてあそびつつ


生まれたら死ぬまで生きる運命を月の女神とコインにたくし


くるくると髪を丸めて解き放つぱらぱら落つる涙潜めて


今日もまた時の流れを不思議がり時は止まらず時は帰らず

愛もとめ愛する君をもとめつつ愛はまぼろし愛は永久なり


空蝉の現の家に現れし君が真ごころ追い求めたし


アンニュイに手を伸ばしては愛求め身を窶しては架空を泳ぎ


愛はまた消えゆく吾身空蝉の空の彼方の虹となりしや


皆がまた違う言葉で語る愛果てしない霧晴れるまでかな

やさしさをこころのウェブにたくしては愛を求めるつぶやき聴こえ


鳩よ鳩 伝えておくれ吾がこころ 汝の運びし愛は風を切り


伝えるは愛のメッセの一言に乗せし想いよ響く鐘の音

<2002/06/11>

語れない
語らぬ想い今日もまた
波に浚われいずこへ消えゆ

<2002/06/13>

愛という世界に生きる?

それがどこにあるのかもわからないのに

夢は広がりどこにも何も存在しない

それでもなお夢はつづく

愛はつづく

夢の中へ

遥か光の広がる世界へ

未来永劫の命の中へ

どこまでもつづけ

愛をもとめて逃げろ

どこにも愛など存在しないから

愛は存在する

沈みゆく夕陽のような惰眠かな
ロックのララバイ
流れるままに


在るがまま生きる勇気の在るがまま
吾がまま 汝まま
泪するまま

<2002/06/14>

耳もとで声を潜めたささやきも波が消し去るあの砂浜で


あるくみちどこへとつづく迷子みち
別れみちへとつづくみちらし


野の花よ
生きるつよさを激しさを
愛もて生きるをおしえたまひそ


こぼれゆく涙を隠すものなれば
いつわりもまた永久のやすらぎ


吾消えゆ燃ゆる炎のその中に君想いしや嘆きの中で


走り出すその気持ちさえわからない解き放たれた吾よ
宇宙(そら)まで


鬱々と想う気持ちの不愉快さ 移りて広ぐ伝染病かな


カラオケのテンポの速さゆるせない
歌い出しまで気が急かされて


浮遊する仮想の世界にえがく君
歩く姿か寝顔のままか

<2002/06/17>

朴訥と詠まれる歌の味わいよ日々の訪れ変わりなき日に


残れりし葉の行方にはチューリップ 倒れる花びら風に揺られて


風水を信じて植えた夏蜜柑 苗木の蜜柑は幻なりし

 

 

 

 


 

最終更新日 2002/06/19

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