あの日以来、弟は、外に出なくなった。天気のいい日に散歩をすると言う日課もなくなった。 冷たくなった兄をベッドに寝かせ、一人ランプを灯し、書き続ける。 「ふ、ふふふ…誰が、誰がそんな事させるものか。君のする事は全部、僕が書いた事なんだ。たかだがネズミなんかに、兄さんが生んだネズミなんかに、僕の才能が破られる事なんて無いんだ…!」 突如、弟の部屋に、大ぶりのネズミの大群が湧き出し、その全部が弟に襲いかかった。 「痛い、痛い、痛い!…でも…ふ、ふふ…この程度の妄想で、終わるわけがない!さぁ、見せてやるよ!」 ――――― |